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遺言

敏麗が目を覚ましたのは村長の家ではなく自宅の屋敷の自室のベッドの上であった。

「お姉様、田中さんがここまで連れて来てくれたんですよ。」

 夕食時チャイムが鳴るが女中は誰も出なかったから代わりに瑛林が出た。ドアを開けると敏麗をおんぶした田中と傍らには鈴花がいたという。瑛林の案内で部屋まで運んでくれたのだ。

「田中中佐、徐霊の方は?」

「安心しろ。霊は皆成仏した。」

あの地に現れた霊達は日本軍と刺し違えた村民達の霊だった。自分達の畑を渡すまいと農具を武器にして応戦しようとした。しかし日本軍の兵士と揉み合いになった際鎌が心臓に刺さったり、銃の引き金が降りてしまったという。

「日本軍への恨みと土地を守ることへの執念が彼らをあの地へ縛り付けられていたのですわね。」

「子供達の声がに救われて天に旅立ちましたよ。遺言を残して。」

「遺言?」 

敏麗は鈴花に聞き返す。

「日本人のこと誤解していたようです。どうか中国人と日本人が手を取り合える国を作って下さい。それができるのはあなた方だけですって。」

「ありがとう。鈴花ちゃん。今回は子供達や田中中佐に救われたわ。」

「お前が倒れていた時は驚いたよ。」

「お姉様は強い霊と対峙したときは徐霊が終わるとすぐに倒れてしまうんです。」

瑛林が説明する。

「しっかり休め。その体じゃ霊力も落ちるだろう。」

田中は鈴花を連れて部屋を出ようとする。

「田中中佐」

敏麗が呼び止める。

「ありがとうございました。」






 夜も遅かったので田中は鈴花を送っていくことになった。芳子の屋敷に着き馬車を降りると田中に一礼して屋敷に入る。

「鈴花、今帰ったのね?」

入るとすぐに千鶴子とすれ違う。

「はい、奥様。只今戻りました。」

「それで何か分かったかしら?」

「はい、実は。」

鈴花は千鶴子の耳元で何か囁く。

「やっぱりそうなのね。」

千鶴子の表情から笑顔が消える。

「面白い情報をありがとう。これはお礼よ。」

千鶴子は自分の財布からお札を取り出すと鈴花に渡す。

「ありがとうございます。」

「お礼なんていいわ。これが貴女の仕事なんですから。それに両親亡くなって大変でしょ。今日はもう休みなさい。」

鈴花はありがとうございますと言って一礼すると奥へと去っていく。

千鶴子は2階にある芳子の部屋へと向かう。部屋は暗く芳子はもう眠っている。ランプの灯りだけを頼りにベッドまで進んでいくと眠っている芳子の額にキスをする。

「鈴花ちゃん、貴女にはこれからも働いてもらうわ。私とお兄様の未来のためにね。」

田中さんは比較的敏麗ちゃんや芳子様に協力的。

中国の映画でいい人に描かれていたからなのかあまり悪い印象は持ってません。



 スピンオフ1作挟んでから後半行こうと思います。

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