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乙女のための国

「ぷりてぃー?!なんだそりゃ?」

田中は敏麗が発した言葉が気になるようだ。

「魔法少女プリティーズの事ですわ。」

 魔法少女プリティーズとは敏麗が鈴であった時に日曜日の朝に放送されていたテレビアニメである。普通の女子中高生がコンパクトで変身してフリルやリボンのついたドレス姿で敵と戦うのだ。毎年メンバーは世界観が一転するもシリーズとして継続されてるため鈴は「プリティーシリーズ」と呼んでいた。

幼い頃なら鈴は日曜日になるとテレビの前で応援していた。

鈴が高校2年生になった年には15周年を迎えた。

アニバーサリーイヤーとして映画やグッズも楽しみにしていた矢先、男の子のメンバーが加入さるることになった。


(こんなの可愛くない!)


そう思ってテレビシリーズを見るのをやめてしまったのだ。



「テレビってあの箱のような形をしているあれか?西洋では普通に家庭でもあるようだが敏麗の家にもあるのか?」

(箱?!西洋?!)

敏麗は疑問に思う。この時代アジア圏内ではテレビは普及していないのだ。

「いっいえ。以前昔降霊で行ったイギリス人夫婦のお屋敷にございましたの。さすがに大陸では観れないようでしたが。」

咄嗟に嘘をつく敏麗。

「敏麗、女子校よりもそのテレビという物を導入できないのか?」

「神のお告げでは女子校をと。そちらは田中中佐にお任せ致します。わたくしと芳子様が目指すのは乙女の乙女による乙女のための国家でございます。」

「ちょっと、僕も巻き添えかい?」

芳子がソファーから立ち上がる。

「芳子様」

敏麗が芳子の耳元で何か囁く。

「田中さん、僕も敏麗ちゃんの考えには賛同できる部分があります。農村の中国人に恩を売って関東軍の評価を上げるのも宜しいのでは?」

田中は再び机に戻ると企画書にサインする。

「お前らの好きにしろ。」

敏麗は田中に一礼すると芳子を連れて出ていこうとすると

敏麗がドアを開けると同時に

「これはこれは敏麗さん。川島と一緒でしたか?」

目の前に軍人がいた。戴冠式の時に敏麗に声をかけてきた吉岡だ。

敏麗と芳子は一礼して去る。

「お疲れ様です。吉岡中位。」

彼は芳子や田中よりも上の立場にいる。溥儀の側近である。

「田中中佐、土地の開拓は進んでいるかね?」

「実はそれが。」

「それは何だね?」

吉岡は机の企画書に目をやる。

「こちらはあの巫女が持ってきた物でして。」

「ほお、女子校ですか?」

「はい、あの巫女が川島と何か企んでるようで。我々が手に入れた土地に中国人の娘達の女子校を作るなんてくだらないことを。」

「まあ、よかろう。泳がせておけ。時が来たら私が仕留める。」

吉岡は指令室を後にする。

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