敏麗の理想
数日前溥儀と婉容が敏麗の元を訪れた。
二人が満州の地でやっていけるか不安になって未来を予言してほしいと頼まれたのだ。
敏麗は二人に席を勧め奏から譲り受けた鏡の前で舞を踊る。徐霊や霊視で使う鈴をシャンシャンと鳴らしながら。
鏡には溥儀と婉容の姿を写る。
(やっぱり。)
溥儀は日本軍の軍人達と共にいる。何やら説教されているようだ。一方皇后様はパイプのような物を加えている。服を脱ぎ始め立ち上がると急にナイフを手に持ちクッションを何度も刺している。クッションから羽が飛び散っている。
(やっぱり阿片かしら?!天照大神を防いだだけでは未来は変えられないのだわ。)
「皇帝皇后両陛下」
敏麗は二人に方を向き直る。
「申し上げます。あなた方の未来には栄光の文字以外は見えません。この満州国のように。皇后様にご興味がおありで西洋の文化にも流通しているそうですね。英語にピアノ、それからテニスにダンス。さすがは天津のフランス祖界で大切に育てられたお嬢様であらっしゃいますわ。」
「よくご存知で。」
婉容は自身の生い立ちを敏麗に当てられるもあまり驚いた様子は見せない。
「さすがは満州一の霊能力者であり巫女ですね。」
「お褒めに預かり光栄でございます。皇后様、その力どうかこの国の少女達に使っては頂けないでしょうか?彼女達は貴女の力を必要としているのです。」
「敏麗、それで私達は何をすれば宜しいのでしょうか?」
「陛下、まずは農村の貧しい少女達のために女子校を新設しましょう。」
しかし新しい政策をするには関東軍の許可が必要だと言われてしまった。そこで今度は許可をもらうべく田中の所にやってきたのだ。
田中は渡された企画書に目を通す。
「女子校って花嫁修業みたいなことする場所か?」
「花嫁修業といえば花嫁修業ですわね。」
「でこの必須科目ってなんだ?テーブルマナーにバレエ、フランス語って。花嫁修業と言ったら料理や洗濯、掃除とかじゃないのか?」
「田中中佐、貴族や大富豪、王族と結婚すれば家事はメイドを雇えば宜しいのでは?あなたのお屋敷にもいらっしゃるように。わたくしが作りたいのは平民の娘達を玉の輿に乗せるための女子校ですわ。教師の目星もついてますわ。」
田中は企画書を机の上に置く。
「残念だが許可はできんな。学校は教師だけでなく、建設する業者も必要だ。それに土地だってない。大体教育なら女子だけじゃなく男子も必要だろう?」
「うふふ。」
敏麗は声をあげて笑い出す。そうくると思ったと言うように。
「何がおかしい?」
「田中中佐、土地ならあなた方日本軍が農村の農民から無理矢理取り上げた物があるじゃないですか、建設なら土地を取り上げて仕事を失ってる農民を使えば宜しいのです。男子の教育が必要と思うなら男性である田中中佐、あなたが男子校を作れば宜しいじゃなくって?」
「だったらいっそのこと男も女も同じにしちゃえばいいんじゃないか?」
ソファーで話を聞いていた芳子が割って入る。
「芳子様、それはいけませんわ。女の子を男の子と勉強させるなんて可愛くありませんわ。」
「なあ、敏麗?!」
突然田中が立ち上がる。
「お前政治を何だと思ってる?可愛いか可愛くないだけで政治ができると思ってるのか?」
敏麗に詰めより肩を掴む田中。敏麗は睨み返す。
「田中中佐、あなたのような男性がいるからプリティシリーズに男なんかが入るんですわ!!」




