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会食会

「どういうつもりだ?僕にこんな格好をさせて。」

千華の元に呼ばれた芳子はなぜか瑛林によって着替えさせられる。

「閣下夫人の命令です。これでできましたよ。」

姿見にはタキシード姿の芳子が写る。

「お兄様お似合いですわ。さすがは男装の麗人ですわ。」

背後から拍手をしながら千華が現れる。

「瑛林、ありがとう。ここはもういいわ。」

「はい。」

瑛林は千華に一礼して部屋を出る。

「お兄様。ずっとお会いしたかったわ。」

二人きりになると千華は芳子に抱き付く。

「閣下夫人。離して下さい。」

芳子は千華の手を振り払う。

「二人きりの時くらい昔の名前で呼んでくれてもいいじゃないかしら?」

千華は部屋の扉を開ける。外には黒い服の男が二人芳子に銃を向けて立っていた。 

「分かった。頼むから銃を降ろすように言ってくれないか?千鶴ちゃん」

千華もとい千鶴子は男達に銃を降ろすように命令し扉を閉める。

「何のつもりだ?君は僕ではなくあの男を選んだんだろう?」

「その前にお兄様は私じゃなくあの巫女を選んだ。違う?」

「何が言いたい?」

「私と来て。」

芳子は車に乗せられ千鶴子と共に高級レストランへとやって来る。入り口には軍服を来た

「今日は貸切なの。お兄様、しっかりエスコートして下さいね。」

芳子は千鶴子に右腕を差し出す。

「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」

芳子達がレストランに入るとウェイターが中央の席に案内してくれる。店内の至るところには国民党の軍人達が待機している。

「お兄様、好きな物何でも注文してください。」

千鶴子は芳子にメニュー表を渡す。

「千鶴ちゃん、要件はなんだ?こんな高級レストランに連れつきて僕をどうするつもりだ?どうせ仲間になれとかスパイになれとか言うのか?」

「さすがはお兄様。でも少し違うわ。」

千鶴子は芳子の元までやって来ると首元から手を廻す。

「私と復縁しない?表向きは私の執事として。命だけは助けてあげるわ。」

「僕だけか?敏麗ちゃんや田中さん、鈴花は?僕は1人だけ助かろうなんて思ってない。」

「そうね、彼に頼めば田中さんには軍のポストを紹介するし鈴花も使用人として雇ってあげるわ。」

彼とは毛沢東の事だろう。

「でも敏麗は別。貴女にもう1つ仕事を与えるわ。」

千鶴子はワンピースのポケットの中から拳銃を取り出すと芳子に握らせる。

「貴女に敏麗の死刑を執行してほしいのです。彼女は日本軍の作った偶像国家満州国建国に従事し宮中巫女となり中国人を苦しめる未来を予言し挙げ句の果てには皇后となって日本軍と私腹を肥やした。漢奸の中で最も許さしがたい相手だわ。」

「じゃあ溥儀と婉容様もか?」

「あの2人はどうでもいいわ。貴女に頼みたいのは敏麗の処刑。ただ1つ。そうすれば貴女と田中さん、それから鈴花の身柄は保証する。残った者は釈放してもいいわ。」

「断る。」

芳子は千鶴子の手を振り払い拳銃をテーブルの上に置くと立ち上がる。

「僕は君と寄りを戻す気はないし敏麗ちゃんとあの世でまた一緒になる。」

芳子は店を出ようとするが見張りの軍人達が芳子を取り囲む。

「そう、だったら望みを叶えてあげるわ。」

千鶴子が目で合図すると軍人達は芳子を拘束し連行する。

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