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姉妹の再会

「それで千鶴子姉ちゃん達が宮殿にやって来て、私達は牢獄に入れられてしまったの。あの毛沢東って人の野望を遂げるために。」

牢屋の中では舞蘭に乗り移った綾が事の経緯を話す。 

「話は分かった。だけどなぜ宮殿にやつらの侵入を許した?近衛兵なら侵入者ぐらい防げただろう?」

田中が疑問をぶつける。


「さすがは関東軍。」


牢屋の前に旗服の前に女官が立っていた。顔は袖で隠されてみえない。

「それはね、内部にスパイを潜らせていたからよ。」

女官が袖を下ろす。敏麗は女官の顔を凝視している。

「あまりにも驚いて声が出ませんの?元皇后様。」

「貴女、瑛林?!」

女官の正体は敏麗の妹瑛林であった。彼女は女学生の頃長い髪を切り落とし遊撃隊に加わったのだ。目の前の彼女は以前と比べると髪は伸びているが。

「瑛林、どうして貴女がここにいるの?」

「なぜってそりゃあ総統閣下の仲間だからよ。どこかの誰かさんが日本軍に捕まったせいで本当に大変だったわ。日本軍と全面対決になるし。」

「どこかの誰かさん?日本軍?」

敏麗に心当たりがあった。

「瑛林、栄羅はどうしたの?」

敏麗は栄羅の事を思い出す。

ちなみに栄羅は田中が連行した後自身の知る仲間の情報を全て提供する事を条件に釈放された。

「今頃はどこかのお屋敷かしら。」

瑛林はほくそ笑むと牢屋の鍵を開ける。

「川島芳子、貴女だけ出なさい。」

「なぜ僕だけなんだ?」

「芳子様をどうするつもり?!」

敏麗は瑛林に掴みかかる。

「ご安心下さい。決して川島1人を死刑にしようって訳ではありません。閣下夫人が川島と話したいと。」

「閣下夫人に伝えてくれ。君と話す事はないし君の事も知らないと。」

「でしたら致し方ありませんね。」

瑛林が手を挙げると守衛がやって来て格子の隙間から拳銃を突きつける。

「分かった。行けばいいんだろう。」

芳子が立ち上がり牢を出ると守衛達も銃を引っ込める。

再び牢屋の鍵が閉まる。

「そうですわ。」

瑛林は一度だけ立ち止まり牢屋の中の敏麗達に告げる。

「スパイは私だけではありませんよ。我々は日本軍との戦いで列車を爆破させた時多くの犠牲を生んだ。我々の生き残りは皆総統閣下に救われた。我々は未来永劫閣下に着いていくつもりです。」

瑛林は敏麗の胸元を掴み自身の傍に引き寄せ耳元で囁く。

「閣下の命令であれば貴女を殺す事も躊躇しません。」

敏麗から手を離すと瑛林は芳子を連れ去っていく。看守も持ち場に戻り牢屋の中にだけ人が残る。

「綾、芳子様の事見てきてもらえるかしら?」

舞蘭の肩にふわふわと浮いている綾に敏麗が頼む。しかし綾は首を横に振るだけだ。

「皇后様、牢獄の扉には結界が貼られてあます。」

綾は守衛が寝静まった時間を見て一度牢屋を出て鍵を取りに行こうとしたが結界の効力で外に出られなかったと舞蘭が説明する。

「結界?誰が?」

「毛沢東が連れてきた霊媒氏だ。」

溥儀が説明する。沢東は政治を行うにあたり助言者として霊媒氏を連れてきたのだ。彼も敏麗や舞蘭同様綾が見えるのだ。

「霊媒氏。」

敏麗が呟く。

「皆様、わたくしここを出る方法が思い付きましたわ。」

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