塗り替えらた歴史
「閣下の前だ!!膝まづけ!!」
憲兵達は敏麗達に再び拳銃を突き付け膝をつかせる。
「まあまあ、構わないよ。」
男は憲兵達を制止する。
「これは自己紹介がまだ出したね。私は国民党の毛沢東と申します。」
(毛沢東って芳子様を死に追いやった。)
敏麗は前世の記憶を頭の中で巡らせる。彼女の知る歴史では戦後満州国は崩壊、実権を握った国民党により芳子は逮捕され処刑されるのだ。そしてその国民党の党首が彼毛沢東なのだ。
「毛沢東とおっしゃいましたね。」
敏麗は玉座に座る毛沢東を睨み付ける。
「皇居に忍び込み何の真似でしょうか?国家転覆の罪で死刑になりますわよ。」
「おい!!」
再び敏麗に拳銃が突き付けられる。
「うふふ」
どこからか女性の笑い声が聞こえてきた。
「死刑になるのはあなた方ですわ。皇后様、いえ元皇后様。」
「千鶴ちゃん?!」
現れたのはオレンジ色の漢服青い裳衣の千鶴子とそっくりの女性であった。
「紹介しよう、私の妻だ。美しいだろう。」
毛沢東は彼女を膝の上に座らせると髪を撫でる。
「千鶴ちゃんって誰の事かしら?」
立ち上がり芳子の前まで来ると女性は芳子の肩に足を乗せる。
「私の名前は千華。総統閣下の妻ですわ。」
千華は憲兵達に目線を送る。
「こやつらを全員牢獄に放り込んでおけ。」
『はっ』
憲兵達は千華に敬礼すると敏麗達を立たせる。
「ちょっと出しなさいよ。わたくしをとじ込めてどうするつもり?」
憲兵は敏麗達5人を牢獄に閉じ込める。
「総統閣下のご命令です。元皇后様。」
憲兵は鍵をかけると去って行く。
「何が総統閣下よ。毛沢東が満州国を支配するなんて聞いた事がないわ。」
「皇后様、本当ですよ。」
牢獄の奥から少女の声がする。
「舞蘭?!」
奥から現れたのは巫女の舞蘭であった。舞蘭だけではない。
「婉容?!」
「陛下!!」
婉容は溥儀の存在に気づく。
「鈴花?どうしてここに?」
「悠平さん、それかられい様も。」
鈴花の前には夫である悠平と満蘭女学校時代にダンスの授業で相手役を努めてくれた如月れいの姿があった。
「鈴花に川島先生まで。これじゃあ同窓会ね。」
「舞蘭、呑気な事を言ってる場合ではありませんわ。なんでこんな事になってるのよ?」
敏麗が舞蘭に尋ねる。
「なんで歴史が変わってるのよ?」
「敏麗ちゃんがやりたい放題やってたからそりゃ歴史は変わるよな。」
芳子が妙に納得している。
「僕はそれよりも総統閣下の奥方のが気になる。彼女は千鶴ちゃんとそっくりだったが似た別人か?」
芳子が考えを巡らせる。
「あれ、千鶴子姉ちゃんだよ。」
舞蘭の背後から綾が出てくる。




