日本軍との直接対決
「これは満州国皇后敏麗様。」
日本軍の男達が広間に入ってくる。
「きゃあ!!」
「憲兵よ!!」
少女達は悲鳴をあげる。
「皆様落ち着いて。」
敏麗は憲兵の前に出る。
「婉容様、鈴花、彼女達を安全な場所へお連れして。」
「分かりました。」
鈴花と婉容は少女達を連れ外へ出る。
「ようこそ、いらっしゃいました。満州国皇后主宰のパーティへ。」
敏麗はお辞儀をする。
「皇后様、こちらは軍の所有地でございます。例え皇后様であっても勝手に使用されては困ります。」
「勝手ではございません。わたくしこちらの田中中佐にお話しましたわ。それに招待状も送ったはずですわ。」
「これの事か?」
憲兵の1人が白い封筒を出す。
敏麗が確認すると中には彼女が書いた招待状があった。
「ええ、そうですわ。でも可笑しいですわね。わたくしは貴方方のようなしたっぱではなく上層部の方を招待したはずですが。」
「私の事かね?」
奥から陸軍の軍服を来た男が現れた。胸には階級章をいくつもつけている。憲兵の男は勿論田中までもが敬礼する。
「初めまして敏麗皇后様。私は大日本帝国軍陸軍大尉である中山と申します。」
中山大二郎と彼は名乗った。
「本日はお越し下りありがとうございますわ。」
「こちらこそお招き頂きありがとうございます。」
中山は丁寧な挨拶をする。敏麗が今まで見てきた日本人の男性の中では比較的紳士だ。
話の分かる人だろうか?
「しかし皇后様、これはあまりよろしくはありませんね。お国が大変な時に敵国の着物でパーティとは。戦地で戦っている兵士達に申し訳ないと思いませんか?」
「中山大尉、戦争は貴方方が勝手に起こした事では?」
「今は国民が一団となって戦う時ですよ。皇后様。」
「だからと言って反対する者を殺すのも感心できませんわ。ゆりかさん、」
敏麗は芳子の方へ視線を送る。
「貴女と貴女の家族に銃を向けた者はこの中にいますか?」
「いる。」
芳子の指が中山に向けられる。
「貴方が私を殺した。そこにいるやつらに命令した。」
芳子の指が傍にいた部下の方へ動く。
「おやおや」
中山は顔を近づけ芳子の顔をじっと見る。
「貴女は川島芳子女史ではありませんか。貴女も皇后様とぐるですか?」
「しらばっくれるな!!」
今度は芳子の両手が中山の胸元を掴む。
「お前達が突然やって来て明け渡しを強要した。お父様やお母様、妹達や先生、使用人達と私の大切な人を撃っていった。そこにいるやつらと。」
芳子の視線は部下達に向けられた。
中山は冷や冷やした顔をしている。
(なぜ彼女が知っている?私達しか知らない情報を。こうなったらこの場にいる者全員)
中山は芳子の腕を降ろすと部下達に目線を送る。部下の1人が拳銃を構える。
「芳子!!」
田中が銃を構えた部下の手を掴み上へ向ける。天井に向かって発泡し天井床が落ちてくる。




