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第九話 天才?いや天災?

色々と原因が分かったので

テランさんに黒珠を破壊していいか確認する。


「ネッス様。先代が、フェンリル様を倒せる程の者ならば黒珠を破壊できるかもしれぬと言っておられました。破壊できなくても私が再び封印を施しますのでお願いします。」



でも昔の勇者が破壊できなかったんだよな…


本気を出そう。


「出し惜しみするのもな…指輪貯金も使うか」


指輪を全て外し

魔改造した魔剣をアイテムボックスより

取り出す。


そして指輪に吸い取られていた魔力がネッスに戻ってくる。



フェンリルとヴィトリルは震えていた。

動物的な本能だろうか圧倒的な強者に震えあがった。


自分たちと戦っていた時の数十倍の魔力を纏い

力を溜めるネッスを見て


あの人間の子どもには

逆らわないでおこう…

絶対服従を心に決めた。




ハイエルフたちは圧倒的な魔力に

その場から動けず意識を保つのがやっとだった。



そしてこの島にいた魔物のほとんどが意識を保てず

絶命した。


ネッスはハイエルフとフェンリルたちを

結界に入れ黒珠を持ち結界の外に出た。

更に上から結界を三重で張った。


そして黒珠を高く上に投げた。


天に向かい魔剣を振る


黒珠は一瞬であとかともなく消滅した。



あれ?もっと簡単に壊せたな…



ネッスの放った一撃の反動で

天が割れ地が揺れた。



ネッスはまずいと思い


すぐにアセリア王国側の海を凍らせて津波を阻止した。


「ふぅ。危なかったー」


皆のところに戻ると

ハイエルフたちは気を失い

フェンリルとヴィトリルは忠誠を誓ってきた。


ネッスはゆっくりと氷を溶かしながら

ハイエルフたちが起きるのを待っていた。



ハイエルフたちが意識を取り戻すまでの間に

フェンリルたちに魔物の死体の処理を頼んだ。

ほとんどの魔物は絶命したが

強い魔物たちはまだ生きていた。


今までは個の力で勝っていても

数の利が向こうにありフェンリルたちも

魔物を削ってもすぐ魔物が増えて

キリがなかったが、ネッスのおかげでほとんどの魔物は絶命しており生きていても弱体化しているので簡単に魔物たちを倒して

すぐに魔物の死体の処理は終わった。

ネッスの指示に従い

魔物の死体から魔石を取り戻し死体は一箇所に集めた。


そして人の姿をした魔物が死ぬ前に

フェンリルたちにネッスに会わせてほしいと言ってきたのでフェンリルはネッスの前までその魔物を

連れてきた。


「私は魔族のナモサと申します。私が黒珠を手に入れたかったのは戦闘力が必要だったからです。実は今、魔族は2つの派閥に割れています。私たちの派閥は現状維持派でこのまま人族の領域には踏み込まない。穏健派。そしてもう一つは人族の領域に戦争を仕掛け世界を征服を目論んでいる開戦派です。」


「でもさ、あなたがここに来てる時点で人族の領域に踏み込んでるよね?しかもあなたが言っている事が事実って証拠もないしな。」


ナモサの顔をジッと見るネッス


「うーん…あなたは悪い奴では無さそうだね。あなたの言ってる事は本当みたいだね。」


「おっしゃる通りです。戦争を止めるために戦争をする。矛盾だらけですが、祠の結界で強い魔族は結界に弾かれてここに近寄れないからこそ使い魔や眷属たちを使うしかないのですが、私は戦闘力が高い方ではないのでこの島付近まで近づく事ができました。今までは両派閥が均衡しており開戦派が激しい動きを見せる事はありませんでしたが我々を滅ぼし魔族統一をする図る動きがこのところ活発になっており、このままいくと魔族内で戦争になります。開戦派は黒珠を手に入れ次第に戦争を開始するつもりでした。戦争の抑止力として開戦派よりも先に黒珠を手に入れる必要があったのです。」


「でもあれ壊しちゃったからさ」


「はい。ですから貴方様が抑止力そのものなのです。勇者パーティの強さは私たちも覚えています。その勇者が破壊できなかった黒珠を破壊した。つまり貴方様は勇者よりも強い事になります。貴方様がいる事で開戦派も大人しくなるでしょう。我々に協力して頂けないでしょうか。協力して頂ければもちろんそれ相応の謝礼は致します。」


「とりあえず今は忙しいからなー。とりあえず今日は家に帰りな。一月たったらまた来なよ。その時決めるわ!あともうこの島に魔物送り込むのやめてね。その時はわかるよね?」


「わ…わかりました。」


ナモサは笑顔のネッスに苦笑いしながら

その場を去った。









その頃、アセリア王国王都では緊急の会議が開かれていた。



「あの光は何だったんだ…」

「急な地震はスタンピートの前兆では?」

「しかしのあのような揺れは初めてだ。規模の想像がつかない」

「先程の地震で城壁にヒビなど入ってないか?至急調べさせろ!」




それから約5時間後


ブロミウォッジ王国


海岸の街ガアムでは

巨大な津波により街は半壊

対アセリア王国と対エスパ共和国の最前線の街として

近年国防費を注ぎ込まれ強化されており

難攻不落の港街として他国にも知られていたが

その港街が半壊したのだった。


ガアムの領主であり

ブロミウォッジ海軍総司令官のパールが

いち早く津波注意報を出し人々を高台に避難させていたので死者が14人怪我人が86人で済んだのは不幸中の幸いだった。しかし海軍の最大戦力である軍艦パール号も色んな部分が折れたりして修繕が必要な状況であった。


パールは部下に指示を出しながら国の中枢と連絡を取り合い考えを巡らせていた。


今他国に攻め込まれたら…


そもそもこの津波は人為的なもので…


いやいや、あの津波を人為的に起こせるならどこの国も勝てない。


だが…水魔法と風魔法の使い手

しかも実力者を数千人いや一万人

揃えれたら…


無理だな。

世界最大の戦力を自負しているうちの

魔術部隊ですら1200人だ


しかも各部隊長クラスになると

100人くらいだ…


となると自然災害か?

そうなる地震にも注意しなければならないし

第二波が来る可能性も…



そしてエスパ共和国も同じく津波による被害が出ていた。


しかし、スタンピートも第二波も

起きなかった。


なぜなら原因はネッスが黒珠を破壊しただけだからだ。



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