第三話 王都編②
「サムは何でそう思うの?」
『私は鑑定のスキル持ちです。スキルレベルも最大ですので格上であってもある程度は鑑定できます。カルロス様が学園の入学試験で来られた際にこっそりと鑑定させて頂きました。陛下直属の騎士団の団長クラスの強さでした。12歳にして普通の大人より強くこの国のトップクラスのエリートと同等の力をすでに持っておられる。傑物です。しかし、坊ちゃんはいくら鑑定しても見れないのです。今までSランクの冒険者でも旦那様でも鑑定できないなんて事はありませんでした。つまり…坊ちゃんは格上ではなく次元が違うと推測できます。そしてこちらに来てまだ数日の行動、発言から推測は確信に変わりました。』
まあ俺は鑑定の上位の神眼
持っているからな…
鑑定されても自動的に弾いてしまうよな。
「サムには言い訳しても通じないだろうから正直に言うよ。俺は父さんよりも強く母さんよりも魔力が上だしサムも予想しているだろうが鑑定の最上位である神眼でもある。父さんと母さんにはまだ内緒にしていてくれるかい?もちろんタダでとは言わない。これを渡そう携帯電話ってものだ。」
『なんですかこれは…』
使い方を説明するとサムはすぐに使いこなした。
まあこの携帯電話は電話とメールとカメラ撮影
くらいしか機能はない。
実はスマホを作りたいし
作る準備はできている
あとはある素材さえ揃えばできる。
『これはすごい…どのくらい離れても話ができるのですか。カメラとやらはどうなっているのですか』
サムから質問攻めにあう。
兄さんが天才すぎるだけで
これが普通の反応だよな…
「これは人間の魔力で作動してるからサムが魔力切れを起こしたら使えないけどそれ以外では使えなくなる事はないよ。うちの電気だってライトの魔法が切れたらまたライトの魔法かけるだろ。あんな感じだよ。カメラだけど、サムの鑑定は使った場合相手に感知タイプのスキル持ちがいたらバレるだろ?これは感知はできない。ただ目視はされるけどね。そして鑑定したい相手がいたら今までは直接サムが見に行ってたと思うけどカメラで撮影したのを送ってもらうと遠隔でも鑑定できるのはメリットだよ。まあその分…そこから読み取れる情報は直接見た場合よりもかなり劣るけどね。あとこれは10台作って、今のところ持っているのはサムを入れたら5人だね。俺、兄さん、サム、友達のハクとハクの部下のラートルだね。」
サムが固まっている…
素材を聞く限り
S級の冒険者でも
手に入れるのは難しいものばかり
やはり私の目に狂いは無かった。
『そのご友人の事も気になりますが…これが表に出たらこれ欲しさに戦争が起きてもおかしくないですよ。』
最初に魔力を通した人以外は使えないから
大丈夫だと思うって伝えたけど
使用者を洗脳する可能性もあると
サムに言われて
さすがにその可能性は考えていなかった。
父さんと母さんには
渡したいって伝えると
サムが首を捻りながら
少し黙った。
『旦那様方には私の方が伝えます。その都度状況は坊ちゃんに報告しますので少々お時間頂いてもよろしいですか。』
その日はそれから
しばらく王都内を散歩し
スラム街の近くの閑散とした場所に家を買った。
転移のゲートを設置し魔法を使用し地下に秘密の基地を作った。
ただのボロの平屋に見える家は
地下5階の秘密基地に魔改造された。
地下に入る為のセキュリティーを見たサムに
こんなもんで大丈夫かな?
これなら王城に侵入する方が楽だと思います
ってツッコミを入れていた。
あと…携帯電話の上位互換の
スマホってやつ作ろうと思っているんだけどさ…
この頃になるとサムは何をしても驚かなくなっていた。
自宅に帰るとサムの計らいもあり
両親の許可を得て自宅に自分用の作業場を
作ってもらった。それから3か月後に両親に
携帯電話を渡した。
『サムからお前がすごい物を作ろうとしているから作業部屋を欲しいって言われたけど、本当にすごいな…
ありがたく使わせてもらうよ。』
サムが事前に説明していた事もあるが
親バカなとこもあり
両親はうちの子は天才だからで
片付けてしまった。
俺専属メイドのサナ、ミナの2人にも携帯電話を渡して
俺専属の執事ウィルにも渡した。
この3人は驚きすぎて
説明して使えるようになるまで
時間がかかったが
使い方をマスターしているサムが
丁寧に使い方、そして注意事項を教えていた。
これで最初に作った10台は渡しきった。
妹にはネックレス型の魔法付与してるお守りを渡しているがいずれはスマホをあげたいななんて考えていた。
この10台の使用状況などデータを取って
スマホの開発に役立てよう。
作業部屋からの転移ゲートで
地下基地に移動しこの3か月で作り上げた
スーパーコンピューター零のAI
ゼロに任せると言ったら
このくらいなら余裕っす。
って言われた。
なんか後輩感の強いAIになってしまったな。
ハクは白竜で
ラートルは竜人族で
白竜の筆頭眷属だ。
白竜は次期竜王に内定しており
父親の黒竜から西の魔の森の管理をするよう
命令を受けていたが
実質管理しているのはラートルだ。
ネッスが8歳の時に
相手になる魔物がいなくなり
強者を探していたところ
西の魔の森に2つ反応があり
そこに向かった。
それがハクとラートルとの出会いだ。
人間の子供が迷い込んだのか
それとも親に捨てられたのか
どちらにしろ人里まで送るか
なんてハクとラートルが話をしていたら
その子供が
お手合わせして頂けないでしょうか?
2人ともまあまあ強そうだし
あんまり手加減する必要なさそうだし
と言ったのだ。
ハクは笑いながら
我を相手に手加減だと(笑)
面白い。いくら子供だろうが我と構えるなら死ぬ事になるが遺言はあるか?
特にないです!
はじめま
と言った瞬間にブレスを吹く白竜
ラートルは大人気ないなって顔をしている
しかし砂煙が消えると
何事もないように少年が立っていた。
そこからは凄まじい戦闘が続き
15分程戦い続けた時に
ラートルが乱入してきた。
これ以上は村を守りきれないから
続きやるなら他所でやってくれ
白竜も俺も相手の力量が分かった為
これ以上やってもと思ったのもあり
そこで戦闘は終わった。
迷惑をかけたお詫びに
竜人族の村を魔法で再生し
2人にはポテチをあげた。
2人とも大変気に入り
仲良くなった。
またポテチを持ってきてくれて
と頼まれたのだった。
アイテムボックス内のポテチをすべて置き
竜人族の村に転移ゲートを設置して帰った。