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第14話 そんな事よりプリン

「ネッス様。妙な視線の主が分かりました。」


サムが調べたところ見覚えのある人物だったようで

父さんの熱狂的なファンらしい。


名前はオニタと言って

今日はエリスの護衛だが

国王軍の特殊部隊の第3部隊の副隊長らしい。


国王軍特殊部隊は国中から集められ選抜されたエリート中のエリートの集まりらしい。


第1部隊から第5部隊まであり

各部隊100人で合計500人しか選ばれないとても狭き門で年に1度の試験は2〜3万人の応募があり

第1部隊が重騎兵隊

第2、3部隊は騎馬隊

第4部隊は諜報部隊

第5部隊は魔導部隊となっている





給金も良く

特殊部隊に合格するだけで

国王軍では千人将と同じ役職の扱いになるなど

待遇も良いらしい。


逆に言うと1人で千人分の働きが求められるって事だ。


なぜサムが見覚えがあったのかというと

特殊部隊に入る前に父さんに弟子入りを志願に来たらしい。弟子入り志願など多いし父さんから弟子は取らないから、来たら帰らせろと言われていたので、普通は顔とか名前とかいちいち覚えていないが、オニタはしつこかったらしくサムは何度も断ったが何回も来るので弟子になりたいなら最低でも国王軍特殊部隊の隊長クラスくらいの実績がなければとサムが言って断ったみたい。


「副隊長まで上り詰めているので隊長になったらまた弟子入り志願に来そうで怖いです。」


サムは嫌そうな顔をしていた。


「じゃあ父さんの息子だからこっち見てたわけか。最初はエリス様が狙われているかと思って警戒したら俺にばっかり視線感じるからびっくりしたよ。」



「あ、あの…」



サムと話しながら

馬車に乗り込もうとしていたら


エリスの護衛4人と

リナリーのメイド?が

近づいてきた。


「何でしょうか?」



「我々はあの日もエリス様の護衛でした。ちゃんとお礼を言えてなかったので…ありがとうございました。」


護衛4名は深く一礼し去っていった。



「私も同じような要件です。リナリーお嬢様のお世話をさせて頂いているディグレと申します。お嬢様や私たちを助けて頂きありがとうございました。命の恩人に重ね重ね申し訳ないのですが…ひとつお願いがあります。私は雷魔法を中級までは使えますが、今後の為にあのモンスターを倒した技…上級?いや最上級魔法を教えて頂けないでしょうか?」



「あれ…ただの雷球サンダーボールですよ?」


「ご…ご冗談を…か、雷魔法の初級サンダーボールはあんな威力を出す事はできませんよ」


「多分魔力量が普通の方より多いのでそのせいだと…」



そう言ってネッスは

右手をディグレの前に出して

親指から小指まで

大小5つのサンダーボールを作って見せた。



「ほら、魔力量変えたら大きさ変わるでしょ?」



ディグレは口を開けたまま

数秒フリーズしていた。


「あの、ディグレさん?」

「ディグレさん?」

「おーい!」


「ダメだ固まっている。サム、そろそろ帰ろうか」



「ディグレさん機会があれば一緒に修行しましょう」



そう言ってネッスは去って行った。


ディグレは元々Bランクの冒険者で雷、火、水の3つの属性に適性がある。パーティメンバーの大怪我が原因でパーティを解散した所をジオにスカウトされてそのままラファエル家に仕えている。



ディグレはリナリーと帰りの馬車の中で

防音の魔法を使用する。


「お嬢様、私の鑑定魔法が発動すらしませんでした。あの方は何を考えているかわからないし強さの底が知れません。あの雷魔法の正体を聞いたら初級魔法って言うのです。初級であの威力…嘘は言ってる気配はないので正直恐ろしいです。お嬢様。このまま良い関係を築いていくべきですし絶対に敵対してはならないかと…正直、最初はお嬢様や王女様に恩を売りつける策略の可能性も考慮していましたが…そもそも英雄の子ですもんね。今日対面してはっきりと分かりました。あの方は正面から武力だけでこの国を落とす事ができます。だから計略の類を必要としないのです。」


「だから言ったでしょ。ネッス様はそんな悪い方ではないって、そもそも私たちを取り込むつもりなら最初の時点で名乗るはずよ。ネッス様はたしかにミステリアスなところがあるし少し変わっているけど、ディグレは大袈裟よ。国を滅ぼすバケモノみたいに…それよりもプリンよ!プリン!早くまた食べたいわ」



ネッスから貰ったプリンのレシピを

見たディグレは吹き出した。



材料:新鮮なミノタウルスミルクとコカトリスの卵、砂糖(牛乳と鶏の卵でも代用可)



と書いてあったのだ


Cランクモンスターのミノタウルスのミルクはなんとかなるが

Aランクモンスターのコカトリスの卵など公爵家でもすぐに手に入れる事は厳しい。しかも新鮮なものとなるとかなりの大金と時間がかかるのだ



(思わず笑ってしまった。あの方は規格外すぎる。)



「帰ったら急いでお父様に言って牛と鶏を買ってもらわなきゃ」


「お嬢様?牛乳と卵だけ買えばよろしいのでは?」


「どっちでもいいから早くまた食べたいわ。ディグレ、ネッス様はプリンの他にも美味しいものがあるって言ってたわよね?」


「そう言われてましたね。ちょこれいとって物の名前は覚えています。あとけーき?でしたっけ」


「プリンと同じくらい美味しいものかが他にもあるなんて考えられませんが、ネッス様が言うなら本当なのでしょうね。早くディグレにもプリンを食べさせたいですわ」


(お嬢様は普段から王家にも引けを取らない食事を食べているのにそのお嬢様がここまで言うなんて…毒味役名乗り出て勝手に一口でも食べるんだったわ)


「お嬢様、私も楽しみにしています。」


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