表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/123

依頼9『勇者情報』

王城にて


「やっ止めてください!! お願いです!! お願いですから……」

「いやいやだいやだああああ!! 死ぬのは嫌だあああ!」

「助けて助けて!! 王様助けてください!!」


と数人の兵士達が震えながら汚い部屋で泣き叫んでいた。

そこにはベクレール王もおりそして震える兵士達に言い放った。


「許してくれ……これもこの国の為だ……四天王の一人が倒されたにも関わらずこちらの国に何の被害もないというのは明らかに不自然だろ?」

「だっだからって!!」

「我々を殺すだなんて!! 嫌だ嫌だ嫌だ!!」

「お願いです!!」


と命乞いをするがベクレール王は


「ダメだ……私も非常に心苦しい、しかし、あの暗殺者達が悪いということだけは分かるな?」

「そっそんなああ……」


と真っ青になり男は膝をついた。

そして


「それでは王様? よろしいでしょうか?」

「ああ、殺ってくれ、これは必要なことなのだから」


と言ってベクレール王はその部屋を去った。


「それでは皆様さようなら」


魔術師達は冷たく兵士達に言い放って手を翳す。

恐怖した兵士達は皆震え上がりながら失禁し、


「「「「「「「「嫌だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」」」」


と悲鳴を上げながら兵士達は全て魔法で命を散らした。

そして後日、その兵士たちの亡骸は家族に届けられて四天王との戦いで失った勇敢な兵士たちという名誉を貰い墓を建てられた。


---------------------------------------------------------------------------------------------


その頃アメナガス達は早速勇者の暗殺について話していた。


「さてと、まずは情報を手に入れるために王様との会話を思い出そうか?」


とアメナガスは世界の地図を広げた。

そして


「ダンゼルガ国に召喚された勇者はいつぐらいに出発するかなどは不明だ、しかし予想は出来る、そうゆっくりと準備はしないだろう、もしかしたらすでに出発している可能性もある」


とアメナガスは地図を見て近くの国を確認した。


「近くはビーストの国か……ここから情報を手に入れるか、それとも一か八かダンゼルガ国に送るかが問題だ……」


と悩んでいた。

するとイナミは


「ダンゼルガが良いと……思う」


と提案した。

それを聞いてハイネウスは


「どうして? 移動時間だってあるのよ? そんなの間に合わないんじゃない?」


と言った。

だがイナミは


「私達も……情報係の子がどんな子か知らないけど……でも私達と同じ……能力はあると……思う……情報はスピードが……命……」


そう理由を述べた。

アメナガスは頷きながら


「ああ、移動時間に関してはあまり気にしないでくれ、今からでもすぐに情報を手に入れれるはずだ、ダンゼルガ国にいればの話ではあるが」


と言って能力の詳しい概要は伝えず問題がないことを伝えた。

ナリアは地図を眺めながら


「まあ、詳しい話は聞かないが我々と同じく悪魔との契約だろ? なら安心できるんじゃね? だって我らのリーダーが信用してるのに私達が信用しないのはダメだろ?」


と言ってハイネウスの方を見た。

ハイネウスは


「私だって情報係の子のことは信用しているわ、今まで裏切られたような情報は無かったもの、おそらく勇者だから分かるのも限られるかもしれないけど四天王の情報や四天王を全て殺さないと魔王を暗殺することが出来ないという情報をくれたのもその情報係の子よ、それだけで信頼に値するだけの実績よ」

「そうだね! 私達に出来ることがない以上は情報係の仕事の実績を信じて待つだけだね」


とハイネウスの言葉の後でロメイトも嬉しそうに言った。

ノリアはニコニコしながら


「取り敢えずはダンゼルガ国の方にその情報係の子を送ってとれる情報は取った方が良いかもしれないね!」


と剣をくるくる回しながら笑っている。

アメナガスは


「ああ、そうだな、さっそく伝えておく、奴もやる気になって頑張ってくれるだろう」


と言って笑いながら


「取り敢えずは解散だ! 勇者暗殺の実行をするまでに依頼を貰ってこなしておこう、我々がいきなりこの国からいなくなるのは明らかに怪しいからな!」

「そう……だね……やっぱり今まで通りに暗殺をしていた方が怪しまれない」


と言ってイナミも賛同した。

アメナガスはパンと手を叩いて


「では解散だ!」


と言ってそのままアジトから皆出て行った。

そして、


「頼んだぞ、お前が頼りだからな」


とブツブツと言ってアメナガスは行動を開始した。


-------------------------------------------------------------------------------------------


数か月後


「いやあ、依頼は普通にこなせるねえ」

「まああの王も情報を出しちゃうと自分の国を滅ぼしてしまう可能性があるからね」


と言ってナリアとノリアは2人で歩きながら話していた。

そして、アジトへと入って


「ただいま」

「ただいまああ!! ノリアちゃんが帰って来たよ!!」


と元気良く皆に向かって言った。

ハイネウスは


「お帰り、問題はなさそうね」

「ええ、暗殺完了、ハイネウスも問題なく暗殺できて良かったな」

「そうね、私達にはやっぱりこれしかないものね」


と言って少しほっとしているようだった。

やはり皆あの王との会話で自分達はもう暗殺の仕事が出来なくなっているのではという不安が合ったようだった。

そして


「アメナガスがあの時引いたのはこの為だったのかもな……」


とナリアはお茶を飲みながら話すと

ロメイトは


「あのまま王様といざこざを起こしすぎると寧ろ今のような暗殺すらも出来なくなっていたかもしれないしね」


と笑っていた。

イナミは机に突っ伏しながら


「そうだね……特にロメイト……危なかった……」


と言ってロメイトの方を見た。

ロメイトは


「だっだってええええ!! あれムカつかない!」


と皆に同意を求める。

ハイネウスは指を差しながら


「そうね、未だにムカッ腹が立つわ」


と言って拳を握る。

ナリアは


「思い出すと殴りたくなるが、それもアメナガスや情報係が今頑張ってくれている。我々はその日が来るまでに腕を磨いておくしかないからな」


と言ってもどかしさを口に出した。

ノリアは足を揺らしながら


「まあ、でも私たちに勝てるわけがないよねええ!! だってあの四天王の爺さん殺せなかったんでしょ! じゃあ簡単ジャン!! イナミちゃん1人でいけんじゃねえ?」


と言って笑う。

イナミは


「でも……勇者は謎がまだある……油断大敵……」


と言ってノリアを調子に乗らせないように注意した。

ノリアは


「まあ、でも大丈夫だよ! だって私たちの失敗なんてないでしょ!」


と言って笑いながら言った。

そして


「まあ……そう……」

「それに関しては同意よ」

「さすが我が妹だ」

「私もそれはあると思う!!」


と言って嬉しそうに言った。

すると


「よお、集まったか……」


と言ってアメナガスがアジトへと入ってきた。

イナミは


「アメナガス……情報はどう?」


と聞いた。

そして、皆アメナガスの方に目を向ける。

やはり皆勇者の情報を聞きたいのであった。

そして、アメナガスは


「悪いニュースと非常に悪いニュースがある、聞きたい?」


と聞いた。


「「「「「……え! 良いニュースは!!」」」」」


と皆良いニュースを聞きたそうだった。

アメナガスは優しい顔で


「悪いニュース? 非常に悪いニュース? どっち聞きたい?」


と言った。

どうやら悪いニュースしかないようだと悟った皆は


「「「「「どうぞ」」」」」」


と言ってアメナガスに説明を求めた。

アメナガスは


「ああ、では話すぞ!」


と言って皆は身構えた。

そして


「勇者は2人だ」

「え……」

「ふふっ2人!!

「何故2人!」

「首が2つ!!」


とさすがに驚いた。

するとハイネウスは


「それって? 悪いニュースのほう?」


と確認をすると


「ああ、そうだ」


とアメナガスは頷いた。

ハイネウスは


「その勇者ってどんなの?」


と聞くと


「取り敢えず男女だ」

「何故……男女……」

「知らん」


とイナミの疑問にアメナガスも即答した。

ロメイトは


「名前は!! 名前はなんていうの!!」

「えっと、たしかオカモト ケイジが男でキタジマ マイが女だったはずだ……」

「ふむ、そうなんだ」


と言ってロメイトはプレートにすぐさま名前を刻んでいた。

それを見たイナミは


「まだ、ロメイトが暗殺するって……決まってない……で、非常に……悪い……ニュースって?」


と聞いた。

アメナガスは


「それがな……まあ我々も同じようなのかもしれないが……そのなんだ……相手を見ただけで即死させるスキルを神様から貰っているらしい」

「「「「「!!!」」」」」


とさすがに皆が唖然とした。

そして、先に口を開いたのはロメイトだった。


「う……ウソだよね……それってさ……絶望した顔を作るのが出来ないってことだよね……バッバカな」


と明らかに自分の思惑と違うことに動揺していた。

アメナガスは


「いや、顔が欲しいお前の意見はどうでもいいが……まあ暗殺はしにくい事には変わりないな」


と言って少し頭を抱えていた。

イナミは


「そうなると……相手の目に入らないように……暗殺しないと私たちが……殺されかねないってこと……?」


と確認を取ると


「まあそうなるな……どうやらそのスキルは神からもらった能力のようだ、我々が契約したデマフォス・レイザ・ハイド様から貰った能力と同じような物だと思った方が良いかもしれないな……」


とアメナガスは答えた。

ナリアとノリアは


「ドっどうすんだよ!! 私たち相手の前に立たないと殺せない能力なんだけど!!」

「そっそうだよ!! ナリア姉と私の能力知ってるでしょ!」


と不満を言った。

アメナガスは


「まあ、我々の正体がバレているわけではないからすぐに殺されることはないが……まあ殺気がバレればそうだな、その手はあまり上手くいかないだろうな」


とナリアとノリアに言った。

ハイネウスは


「まあ、暗殺が一番出来そうなのはロメイトとイナミとリーダーのアメナガスだけでしょうね、私の能力も今は使えないし……」


と暗殺が可能な面々を言ってアメナガスに自分が暗殺できないかもしれないことも伝えた。

アメナガスは


「まあ、勇者を暗殺するのは正直ロメイトは外した方が良いな」


とロメイトも暗殺が難しいことを言った。

ロメイトは


「な! 何でええ!! 大丈夫だって! 見られなければいいんでしょ!!」


と言った。

アメナガスは


「だってお前、絶対絶望の顔を見ようと前に姿現すだろ?」


と言ったら


「うう、それは……」


とロメイトは怯んでしまった。

アメナガスは


「まあ、勇者は仲間を連れているそうだしそいつらなら絶望の顔を見てもいいぞ?」


と言った。

ロメイトは少し残念そうに


「そうか……勇者はダメか……でも、やった!! 最高!」


とすぐに喜ぶ。

そして続けて


「でも今回は仕事を取り返すことだから勇者の絶望ぐらいは我慢出来るよ?」


と我が物顔で言った。

しかし、


「まあ、ダメだな、だが情報によってはお前が暗殺してもいいぞ?」


と言ってロメイトは


「よし!! ならば大丈夫そうならそれで!!」


と言って嬉しそうにする。

ナリアとノリアは


「じゃあ私たちもその仲間たちを襲って暗殺した方が良いな」

「そうだね! ナリア姉!!」


と言って2人も納得

ハイネウスは


「私は勇者を殺す際にサポートに入るわ、逃げやすい方がもしもの時に便利だと思うし」


と言って自らサポートに徹しようとしていた。

アメナガスは


「そうだな、その方が良いだろ……頼むな」


と言ってハイネウスを信頼した。

ハイネウスは


「ええ、いいわ、魔王退治の時に存分に実力を発揮することでね」


と言って笑顔で言った。

そして


「さてと、相手のスキル対策はこれぐらいにして後は情報を待つことが続くが我慢だ、勇者がこの町に入ってきたら実行に移していく、それでいいな!」

「「「「「おお!!」」」」」


と言って皆は了承した。

こうして着々と暗殺者達は勇者を暗殺する準備を整えていった。


--------------------------------------------------------------------------------


そして、2年が過ぎてやっと勇者は到着した。

暗殺者達は


「はあ、2年か、色々な情報が手に入って分かった事、勇者たちはやはり皆で魔王を退治するようだな」


とアメナガスは資料を読んでいた。

イナミは


「取り敢えず……暗殺するための……準備は出来るだけ……した」


と言うと


「取り敢えず首がいっぱあああいい!!」


とロメイトは喜んでいた。

アメナガスは


「お前なあ、言っとくが勇者の首は諦めろよ」


と再び注意を呼びかけた。

ロメイトは


「でっでも! 他の奴らの首は!!」


と言うと


「まあそれはいいけど……絶対だからな!! お前に勇者は任せられないからそいつらだけだからな!!」


と言ってロメイトを落ち着かせた。

ロメイトも


「分かったよ……」


と納得する。

そして


「まあ、だからと言ってすぐに勇者を暗殺するわけではない、まずはその仲間たちから暗殺した方が良いかもしれないな」


と言った。

それを聞いてナリアは


「え? どうして? 勇者を殺した方が早いんじゃ?」


と聞くとアメナガスは


「確かにそうだが勇者は一旦おいて別の仲間を暗殺をして様子を見る、その方が勇者を暗殺するとき安心出来るからな……もしもの場合のことを考えてのことだ」


と不安要素を消して起きた事を伝える。

ナリアは


「確かに、今回の対象は勇者だ、何が起こるかがいまだ不明な部分もあるしな……了解した」


と言って納得する。

そして、


「では、暗殺を執行する為の準備を進めろ! 奴らが魔王退治に行く前には間に合わせるぞ!」


そう言って他の皆はその準備をするためにアジトを去って言った。

アメナガスは


「さあって、我々の本領が久しぶりに発揮されるような戦いになるだろう……気を引き締めないとな……」


と自身も準備を整え始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ