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依頼25『暗闇の中の真実は』

リストアは暗殺者の話を思い出した。

顔だけが見つからない人間の死体

街中で溺死した人間の死体

突然知り合いによる殺害

小さな外傷を残して死んでいる人間

その目立った事件に証拠が残っていない事

一体誰がやったのか全く突き止められていない事

そして、不審な暗殺者の噂

昔からではない、魔王復活後数年が経った後に噂が立ち始めた。

皆が魔王に恐れているにも関わらず、暗殺者達は当然の様に現れた。

この国では魔王復活による人間の死よりも殺人事件の方が圧倒的に多かった。

暗殺者が現れる前は顔がなくなる殺人

その後から溺死事件が増えていった。

そして、暗殺者達の噂が流れ始めた頃に、もう一つの事件、知り合いによる突然の殺害が起きた。

そして、人死にも圧倒的に増えた。

そんな不審な国に舞は


「どうにも引っ掛かる、この暗殺者達がどうして我々を狙うのか……もしかしたら何かきっかけがあるのかもしれない」

「それが王の依頼の破棄」

「ああ、憶測上ではそれが引き金の可能性がある」


リストアは王に聞いた。


「ねえ! 教えて! 王様は何か隠している! 舞も言ってた! 四天王を倒した時何か様子が変だったって!」

「!!」


王は驚いて目を逸らす。

その表情をランチェルは見ていた。


「王様、どうして今目を逸らしたんですか?」


王は明らかな動揺を見せ始める。

すると近くにいた従者が


「王よ、もう話さないといけないかもしれないです」


その言葉に俯きつつべクレール王は


「そうだな……話した方が良さそうだ」


と決意した。

そして


「勇者が召喚されるとは思ってもみなかったんだ……だから何とかしようと思って……その異形の暗殺者達に依頼した」

「!! まさか……本当にいたんですか」


その言葉に啓示は怒りを見せる。

レジリアは


「つまり、その暗殺者に任せて魔王を暗殺する予定だったと?」

「ああ、その通りだ」


べクレール王は未だ真実を語っていた。

そして、


「四天王までは倒して貰った、しかし途中で勇者が召喚されたと聞いてな……」

「それで暗殺者の依頼は破棄したという事ですか?」


とリストアは真剣な表情で確認をする。

べクレール王は


「だが報酬も払ったし説明もした! そしたら奴等は怒り狂ったように大切は我が兵達を惨殺し始めたんだ! そして、リーダーと思われる人物はこう言ったんだ! これで許してやると! それなのに! あんなことまでされて処刑も考えた、しかし奴等の異形の力はとても恐ろしいものだ……この国を人質に取られる可能性もあった! だから私は……私はあああ」


そう言いながら涙を流した。

それを聞いて啓示は唖然とした。


「まさか……そんな……そんなことをしてるくせに……そんな外道な事をしたくせに……報酬も貰って説明もされたのに……そんな酷いことを」


と暗殺者達への怒りが沸き上がった。

ランチェルは


「それで……俺達が邪魔だと思って欲を満たす為だけにそんなことを……舞を……」


レジリアは


「いや、寧ろ魔王に寝返ったからこそ我々を狙うのかもしれない」


その言葉にべクレール王は


「まさか、……奴等そんなことを……」


ダべダルドは


「確かに、あの殺し方やロメイトと呼ばれる奴のあの邪悪さ……魔王と繋がっている可能性もあるだろうな」

「つまりその暗殺者達が今度は私達を狙ってくるってことですか」


シャーレ―は怯えながら杖を握り締める。

啓示は


「させない! そんな事はもう二度と!」


と決意したように言った。

リストアは


「王様……可哀そう」


と申し訳なさそうにした。

べクレール王は優しい表情で


「すまない、黙っていた私が悪いんだ……リストア君は悪くないよ、だがこれが漏れればこの国の信用を落とす、もしそうなればこの国は終わりだ、それだけは防ぎたかっただから君達もこのことはあまり他言しないで欲しいんだ」


と頭を下げながら言った。

それを聞いて啓示は


「大丈夫です! 絶対に言いません!」


と決意したように言った。

そして、べクレール王は嬉しそうにしながら


「そうか! それは良かった! 安心した」


と胸を撫で下ろした。

そして、


「だがこれで分かったように暗殺者達は魔王の命令で君達を狙っているかもしれない……だからこそ君達には我が国の優秀な騎士を二人着けようと思う」


そして、王は従者にサインを送り


「お待たせしました、勇者様、私はライベルザルトと申します」

「わっ私はベルマズサです! よろしくお願いします!」


と冷静そうな男と緊張したような騎士が二人現れた。

冷静そうな男は青髪に黄色い瞳でほっそりとした高身長であった。

緊張した男は背の低い黄色い長い髪の童顔の男であった。

べクレール王は


「二人はオークの拠点をたった二人で潰した英雄だ、確か10年前であったな」

「ええ、まだ魔王が復活はしていませんが邪悪なオークはいました、だから私とベルマズサとで退治しました」

「はい! あの時は苦戦しましたが何とか勝てました!」


と照れながら言った。

啓示は


「そんな二人が仲間になるだなんて! 心強いです!」


と嬉しそうに言った。

そして


「では我々はまずその暗殺者の対策をしたいと思います!」


と啓示はべクレール王に伝えると


「そうか! ではさすがにここではもう場所がバレているかもしれない、少し離れた場所に移動して奴等が分からない場所で作戦会議をしてくれるか! また殺されてしまっては元も子もない」


そして、従者達は


「では勇者一行様、こちらへ」


と言って案内した。

べクレール王は


「やれやれ、奴等の様なゴミがまさか魔王と組んでいる可能性が出るとは」

「全く卑しいですね、我々から報酬を貰えなかったのがそんなに不満なのか……汚らわしくて小汚い犯罪者集団め、生きているだけでもありがたいと思えど恨むなど身の程を弁えろ」


と従者も毒づく。


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「勇者が移動した」


アメナガスはナリアとノリアに言った。

二人は


「へえ、どこに?」

「そうだねエ、確かに移動とは……まあ場所を変更するのは当然か、城だと割れてるしねえ」


とニヤリと笑いながら話す。

アメナガスは


「馬車を一つ先に走らせて勇者を乗せたように見せ掛けているのはあるが、その後に勇者達が乗っている、それで我々の追跡を防げると思っているらしい」


と笑っている。

ナリアとノリアは


「情報や様様だな」

「そうそう! 情報係の追跡は最強だよ!」


と言って嬉しそうにしていた。

そして、


「では行ってきてくれ」

「はいはい」

「了解!」


そして、二人は追跡を始めた。


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啓示達は


「まずはロメイトの鍛冶屋に向かって貰っていいですか?」


と荷馬車の男に言った。

それを聞いて


「え、どうして?」


と聞くと啓示は


「ロメイトと呼ばれた奴は顔を集めていると聞いた、芸術だとも、そこにもしかしたらレイミーの……」

「!!」


そして、他の仲間達も


「お願いします!」

「俺達の仲間を!」


とランチェルとラベルが頭を下げる。

そして、


「分かりました、向かいましょう」


そう言って勇者一行はロメイトの鍛冶屋に向かった。


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