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依頼17『勇者の力』

啓示はランチェルと共に馬車にてラベルを迎えに行った。

馬車だと数分で着く


「全く、ラベルの奴……ちょっとは緊張感を持てよ、魔王の襲撃でレイミーが殺されてるんだからさあ」


とランチェルはぼやいていた。

啓示は少し俯きながら


「ラベル……あいつも無事だと良いけど……」


と心配そうにしていた。

ランチェルは気まずそうにしながら


「だっ大丈夫だよ! お前もまだ時間がとま……」

「そうだね……え?」


ランチェルの言葉が止まった。

その事を不審に思いすぐに辺りを見渡す。

すると時間が止まっている。

時間停止が起こっていたのであった。

そんな異常事態を再び目にした啓示は


「糞!! まだ詰所に着いていないのに!!」


慌てながら馬車から降りようとしたが


「らっランチェル!!! 糞!! どうすれば!! 俺がここを後にすればランチェルが一人に!! だがこのままだとラベルが!!」


どちらも見捨てることが出来ない啓示はパニックを起こしていた。

そんな時だった。


『啓示……啓示』


とどこからか声がする。

啓示はその声に気付いて


「誰だ!! どこにいる!!」


周りを見回しながら叫んだが


『啓示の頭の中に直接……話し掛けている……私は聖剣に眠る光の精霊です』

「!!! あの時の……」

『ハイ、私は昔子の剣を聖剣にする為に自らの魂を昔に使った者です』

「それって!」


啓示はその精霊が自らを生贄にして剣にさらなる力を与えた事を理解した。

聖霊は


『昔の事です、気にしないで……私も覚悟の上で魔王を倒す為に立ち上がった一人なのです、それより今のこの状況をどうにかしましょう』


と話を進める。

啓示は聖剣の中にいる精霊の言葉に耳を傾けた。


「分かった、どうして今出てきたのかとか色々聞きたいが……今は皆を守ることを考えるよ」



と言って自分自身でも納得させた。

すると聖霊は


『ありがとう、心配してくれて、それでは私の力を使って貰います、神から与えられし魔を打ち破る力を……』


そして、啓示は聖剣を鞘から抜いた。

そして、


『聖なる力でまずはランチェルを復活させます、剣をランチェルの方へ向けてください』

「分かった、やってみる」


そのままランチェルに聖剣を向けると刃が光出してその光はランチェルに向かって放出された。


「……る訳じゃ……啓示……!! これは!」


光を浴びたランチェルはすぐに動き出して、そして状況を理解した。


「俺は……どうして動ける」

『それは私の力です、魔の力を一旦解除できます』

「それってだが今から向かってラベルが助けられるか……」


と啓示は慌てていた。

すると聖霊は


『大丈夫です、まだ間に合います、私の力を使えば仲間の元へと迎えます、しかし今は貴方自身と繋がっている北島舞へ聖なる力を送って他の仲間達にも使って動けるようにしておきたいです、なので今度は貴方自身へ剣を向けてください!』


と再び指示を送る。

啓示は疑いもせず


「分かった!」


と言って自分に剣を向けると

光は自分に向かって放出されて自身が輝きだす。


『これは! 何だこれは!! 私が光って! 光が止まった皆を!』


と驚く声が頭に響く。

啓示はその声に聞き覚えがあった。


「舞か!」

『啓示!! まさか啓示がしたのか!! 皆動き出した! ラベルは! ランチェルは無事か!』


と仲間の安全を確認するが啓示は


「ラベルはまだ会っていない、移動の途中だ……まさかこのタイミングで」

『いや……寧ろ狙ってたんだろうな……今はとにかくラベルを助けてやれ!』


と舞は啓示に伝える。

すると聖霊は


『私もそのつもりです、そして、私の力を使えば皆彼の元へと向かえます、時間がありません説明はまた今度致します!!』

『貴方は……いや今はいい! 頼む!』


状況を理解した舞は聖霊の指示に従った。

ランチェルは


「おい! 本当に大丈夫かよ!」


と心配そうにするが啓示は


「もう時間がない!! とにかく言われた通りにしよう!」


そして、聖霊は


「では移動します!」


そして、


ピカアアアアアアアアアアアアア!!


と啓示とランチェルの周りが光二人は消えた。


--------------------------------------------------------


ラベルの近くへと来たロメイトは


「ふふふはっはははあ……」


と声を抑えて笑っていた。

ラベルは間抜けな顔でイライラしながら医務室のベッドに座っていた。

時を止めれば啓示が一人で来るのにも後三分掛る。

さすがに芸術を作るには時間が足りないが殺すだけならまだいける。

そして、


(こいつを殺せば奴等は絶望する! その絶望は取れないけど!! 見れる!! あの時の様に見れる!! ああ!! 最高!!)


そんな事を考えながら涎を垂らしていた。

そして、


「じゃあ行くよ、デビルズタイム発動するね……」

『ああ、よろしくな』


そして


ズウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!


ロメイトの背後に髑髏の時計が現れてチェーンがグルグルに巻き付いていった。

そして、ラベルはピクリとも動かなくなった。


「ウハハハハハハハハアハハハハハアハッハハアハハハハハハハハハアアアアアアヒヒヒイイイイイイイイイイイ!! イイイヒヒヒヒヒヒヒ!!!」


ケタケタと嗤いながらリュックを漁り始める。


「もう!! 最高だよハハハハハハ!! 楽しみだなあ!! 奴等がまた仲間を助けられなかったときの絶望を見る時!! どうしようもない現実に再びする絶望に!! ああ!! ワクワクワクワク!! どの剣にしよう!! どの剣で斬ろうかなあ!! 寧ろ斬りにくい剣でズタズタに首を見せてやろおかああああああ!!」


そして、リュックの中を探りながら


「決めた!! 約束の為にこの剣を使おう!! 殺してやるよおおおお!! 糞盗賊うううううう!!」


そのままリュックから自分で作った一番切れ味のある剣を取り出してローブを被り一気に走って、ラベルの首を取りに行った。


刃はまっすぐラベルの首へと向かった。

アメナガスの言いつけ通りただただ真っ直ぐ向かった。

そして、そのままラベルの首を斬り取る


キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!


その刃物の交える音が鳴らなければそうなっていたはずだった。


「ふやなべ!!」

「間に合ったぞ!! ラベルを助けれた!!」


啓示の聖剣がロメイトの剣の攻撃を防いでしまった。

剣を探っている間も確かに時間は経過しているのがさすがに二分も経っていない。

精々一分ぐらいであった。

それなのに、しかもとんでもない事に、

いきなり目の前に現れ暗殺を防がれたのであった。

そして、


「貴様がレイミーを殺したのか!!」


舞も突然現れた。


(いや!! それどころか! 何だこれは!! どうして! どうして皆集結しているんだあ!!)


そう考えてからロメイトは行動をすぐに逃げるに切り替えた。


「イヒイイイハアアアアアア!!」

「逃がすか!!」


啓示がそう叫んだ瞬間皆が一斉に駆け出す。

リストアは


「大丈夫! 時間は止められない!!」


と確認をすると聖霊は


『大丈夫です、後一回ずつならば皆の時間を無効にできます!!』

「なるほど、分かった」


敵にバレないように啓示は頷くだけの対応にした。


「では私が結界を張って逃げられないようにします! 少し時間が掛かりますが可能性はあるかと!」


とシャーレ―の提案に啓示は


「お願い!」


とだけ言った。

そして、



「いひいい……アメナガスうう話違うよおお……突然現れたあああああ」

『落ち着け!! 今ならまだ逃げられる!! とにかく時間を止めたまま外に出たら時間を動かせ!! そして人ごみの中に逃げるんだ!!! それならばなんとか逃げれるはずだ! 動いている人間達の中から特定の人間を見つけるのは不可能だ!』


と指示を出してロメイトに撤退の命令を出した。


「ダメだよおおお無理だよおおお」

『無理じゃない!! 行けるから!! 頑張ってくれ!!!』

「違ううんだうおおおおお!!! ハアハア!! 無理い!」

『何が無理なんだあ!! 答えろ! ロメイト!』


すると高揚し、涎をダラダラ垂らしながら剣を舐めて


「我慢……出来ない……出来ないよおおおおアハハハハハハ!! 殺さずにプレイなんてええ!! あああああ!! こんなお預けええ!! ダメだよおお!!! 無理無理無理無理みいいいいい!!」

『はああ!! お前何言ってるんだ! こんな時に! お前趣味優先はダメって言っただろうが!!』

「ああ! もうだめだ!! 殺したい!! 今は隠れてるけど!! ハアハア! むりいいいいい!!」

『お前なア……』


アメナガスはロメイトの制御の出来なさにすっかり失望していた。

ロメイトは


「大丈夫、死んでも皆の事は言わないよおおハアハア……だからああああ、このままだと誰か知らない人を殺しかねないよおお」

『……そうして欲しいが……タイムリミットだ』

「はあ?」

『シャーレ―という女が結界を張ったとの情報をナリアから貰った、もうお前はここから逃げられん、建物に入っているイナミとハイネウスもだが奴等はバレなければ問題ない、しかしお前はもう無理だ、どうせそれは止められないんだろ? ここの誰かを殺したらそれこそ完全に収取が付かない、そのまま勇者共と戦え、死んでも我々の情報だけは漏らすな』


アメナガスはロメイトに冷たく言い放った。

ロメイトは高揚しながら失禁をして


「いいよおおおお……そもそも私が悪いんだしいい……」


と簡単に了承をした。

それを聞いてアメナガスは


『そうか、じゃあなロメイト』


と言って通信を切ろうとすると


「最後に、……ありがとう私の我儘を通してくれて……みんな大好きだよ、楽しかった!」

『はああ……私も楽しかった……お前のコレクションはアジトにある分ぐらいは守ってやるよ』

「うん!」


それを最後にアメナガスはロメイトの通信を切った。

そして


「さてとおおお!! ああ! 私の性は止められないんだあああ!!! 馬鹿だなアあ! ここで我慢すればもっと良いのが入るのに! 目の前にある者を取ろうだなんてええ!! バカだ……」

「出てこい!! 正々堂々勝負しろ!」

「なあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

「!!」


奇声のような声でロメイトは啓示の首を狙った。

しかし、


「させるかよ」


そのまま地面に


バゴオオオオオオオオオオオン!!


と叩きつけられた。


「あがあああばあああ!!」


血を吐きながらそのまま地面にうつ伏せになる。

叩きつけた相手を見るとそれはランチェルであった。

そして、舞は


「フードを取るぞ」


と言ってロメイトのフードを捲ると。


「おまえ!! お前は!」

「鍛冶師の……ロメイト」


ロメイトはニタリと嗤いながら


「イヒヒヒアヤアハハハハハハハ!! ヒャアアハハハハハハハ!! 殺したあああい!! 殺したいよおおおお!!」


イッた目で勇者達を見ながら涎を垂らしている。


「狂ってやがる……この野郎は……」


そんな様子を押さえつけていたランチェルは言い難い君の悪さを感じていた。


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