依頼110『場所』
「どうしてこの森を迷わず進めるの? 知ってる場所なの?」
私は迷わずあの小屋に案内した。
そこには私がイナミを探す為に作られた小屋があった。
地下がある。
そこをアジトにすればきっとバレない。
そしてこいつの趣味もバレることもないだろう。
こいつの趣味は人の絶望の顔面を集めることだ。
そんな悪夢の様な常軌を逸した事が本気で喜びになっている。
ならばそれを提供すればいい。
デマフォスいわくそろそろ置く場所に困っているらしい。
誤魔化しもなかなか難しいらしいだからこそだ。
「そうね、私はこの場所は良く知ってるわよ」
「ここの地下を使えば大丈夫だ、そして、この広さなら問題はない」
アジトの地下に案内して彼女は
「この部屋はどうやって準備したの?」
「この部屋は王族がもう使わなくなったいわば隠れ家だ」
「だったら王族が使うんじゃ」
「もうこれを使う者はいない、王族が交代したのは知らないのか?」
「知らない」
「そうか、でも今の王族はこの隠れ家を知らない、だからこの場所は誰からも知られることはもう出来ないんだ」
「だったらどうしてアメナガスはここの事を知ってるの?」
「情報係が優秀って言ったろ?」
イナミを探す為なんだ、王族は私と妹しか知らない。
だから今の王族、大臣も知らない。
だから私はここを選んだ。
とても大切な場所である。
「これからまた仲間を勧誘する、そいつの力を使えばもっといい場所が手に入るだろうしお前とも仲良くできるかもな」
「そうなの?」
「そうそう、……もう飾るのか?」
「昨日の人の表情も飾りたいから」
ロメイトは嬉しそうに顔面を飾っていた。
次のターゲットはハイネウス。
その子の能力を使えば彼女の趣味はとても都合が良い。
水に入って逃げれば何も問題はない。
顔面も袋に入れて空気の時間と顔面の時間を止めれば問題解決だ。
すると
「アメナガス、首切り女を勧誘……出来たみたいだな」
ナリアが帰って来た。
「ナリアか、ノリアは?」
「上で待ってる、他の勧誘も見つけたか?」
「今日犯行が上がる」
「そうか」
ナリアは頭を掻きながら嗤っていた。
「私と同じ殺人鬼?」
「そうだ」
ロメイトの質問に即答した。