依頼10『魔王退治準備』
パーティーが終わり勇者一行は王の間へと集まった。
そこにベクレール王は嬉しそうにしながら
「勇者様! 良く会お集まりいただきました! そして、ここまで本当にご苦労様です! こちらで魔王を倒すための情報を伝えて、勇者様以外の者には新しい武器を新調したいと思います!」
と言って従者が資料を持ってきた。
そしてベクレール王は
「では、まずは魔王を倒すために情報ですが魔王は四天王に対して特別な魔法を使用しており四天王を全て倒してその後、聖剣を使うことによって魔王を滅ぼすことが出来ます!」
と暗殺者達が伝えた情報をあたかも自分が見つけた情報のように伝えた。
それを聞いて舞は
「その情報はどうやって見つけることが出来たのですか? 簡単ではないと思うのですが?」
と不審に思い確認するとベクレール王は
「こちらで四天王の1人を倒そうと挑みました……しかし、こちらのダメージも相当な物でした、多くの兵士を失いましたが何とかレジャイアと呼ばれる魔法使いを倒すことが出来ました」
と裏付けの為の偽装もきっちり報告した。
「そっそうなんですか! それはありがとうございます! こちらこそ遅くの到着で申し訳ございません!!」
と啓示は申し訳なさそうに頭を下げる。
それに対してベクレール王は
「いえいえ、こちらが勝手に行った事です、それにこれは勇者様が召喚される前に行った事ですのでお気になさらず」
と笑っていた。
「そして、その者に自白魔法を掛けて魔王の倒し方を聞きだしたのです、するとそのようなことを情報を手に入れることが出来たのです! 出来るだけ勇者様一行のお役に立ちたくて皆覚悟を決めたのです!」
と真剣な表情で訴えかける。
それを聞いて啓示は
「そこまでのことを……我々の為にありがとうございます!」
と深くお礼を言った。
他の者達も揃って頭を下げる。
少し舞は何かを気にしているようだが
ベクレール王は
「どうかされましたか? 勇者舞様?」
と舞の様子を伺った。
「いえ何でもありません、王様」
と言って誤魔化した。
そして、ベクレール王は
「しかし、他の四天王はまだ倒せていません……その為、他の四天王を倒さないと魔王と戦っても滅ぼすことが出来ません、力及ばず申し訳ございません」
と謝罪する、それを聞いた舞は
「四天王を1人倒しただけでもかなりの功績なのに、どうして謝罪をするのですか? 寧ろ1人を倒してくれただけでも嬉しい限りです」
と感謝の意を伝える。
だがべクレール王は
「いえ、もしかしたらすでに四天王を補充しているかもしれません、その場合、我々は情報だけしか手に入れることが出来ておりません、勇者様に負担が増えているかもしれません」
と疑念を持っていた。
そして、ベクレール王は
「なので、武器の新調はこちらで負担したいと思います! そして、素晴らしい武器や防具を作るいい鍛冶師もいるんです! その者のいる鍛冶屋へと案内もさせます! おい、案内を!」
と言って近くにいた従者二人に言った。
その2人は
「「了解しました!」」
と言って敬礼をした。
そして、従者二人は勇者一行に
「それでは勇者様! 案内の方をします! ついてきてください!」
と言って王の間から出て行った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして勇者一行はある鍛冶屋へと着いた。
そこの店はロメイトの鍛冶屋と書かれていた。
「ロメイト? 聞いたことある、ある鍛冶屋の家系で天才と呼ばれた鍛冶職人の女の人がいるって! 見た目は少し少女っぽいけど凄い評判が良いって聞くよ! 目利きも凄くてお客さんに合った武器や防具を選ぶ才能にも恵まれてるらしいの!」
とレイミーが目を輝かせる。
その言葉を聞いてレジリアは
「へえ、レイミーがいうならば信用は出来るな、さっそく中へと入ってみよう!」
少しドキドキしながら店に入ろうとした。
するとレイミーは
「あの? 私ちょっとアイテム補充したいから他の店に行っていいかな? ロメイトさんなら適当な武器や防具は売らないと思うから! それにお金も国が負担してくれるってことだし私がいても意味ないかなって」
それを聞いて啓示も
「構わないよ、レイミーのお墨付きだと安心だ、もし違和感があればレイミーにも意見を聞けばいいしね」
と言って別行動を許可した。
レイミーは嬉しそうにしながら
「ありがとう! それじゃあ行ってくるね! じゃあそこの鍛冶屋の近くで待っててね!」
と言って一人別の店へと走り出す。
従者の一人が
「あの! それなら案内を!」
と申し出たがレイミーは
「大丈夫! 昨日移動の途中で大体分かってるから!!」
と言ってそのまま行ってしまう。
従者の1人は
「大丈夫でしょうか?」
と不安そうにしていたが
「大丈夫ですよ、彼女一人でも、ああ見えて強いですし」
とレジリアの言葉を聞いて従者はホッとした
「分かりました、それでは店に入りましょう」
と言って勇者一行と店の扉を開けて入って行った。
「いらっしゃいませー」
と金髪セミロングの碧い瞳をした女性が椅子に座って覇気のない声で言った。
従者はそのやる気のなさそうな店員を睨みながら
「ここの店主のロメイトの会いに来た! 直ぐに呼んでくれ!」
と大きい声で命令する。
すると
「すみません、ロメイトさんは今日忙しいと言っていたもので会えません、お引き取り下さい」
と女性は面倒そうに言った。
従者はイラっとしながら
「貴様!! 舐めているのか!! 名を名乗れ!!」
怒鳴りながら店員の座っていた机を
ドン!
と叩きつける。
店員はハアっと溜息を吐いて
「ここの受付のアメナガスですが何か?」
と鬱陶しそうに自己紹介をする。
その態度を見て従者は
「貴様!! この者達は勇者様だと知っての無礼か!」
と怒鳴るが、それを聞いた舞は
「まあまあ、私達は気にしてませんから」
と慌てて止めた。
するとアメナガスは
「知りませんが? とにかくロメイトさんには会えませんので今日はお引き取り下さい」
と事務的な対応で言った。
すると従者の一人は持っていた剣を向けて
「お前、これ以上無礼を働くと斬るぞ」
と冷たく言い放った。
それを聞いて啓示は
「ちょ!! 何を言ってるんですか!! それを仕舞ってください!」
と言って止めたが
「ダメです、これは魔王退治という大切なことなのです!! 国民全員がそれを望んでいることなのに協力しないということはもはや反逆罪なのです! いいか!! もう一度だけ言う! ロメイトに会わせろ!」
と怒鳴るように言った。
アメナガスは
「はあ、分かりましたよ、じゃあご案内しますので着いてきてください」
面倒臭そうに立ち上がり、仕方なさそうに中へと案内を始めた。
勇者一行と従者も慌ててついて行った。
そんな中ダベダルドは
「ったく、ワシん所のドワーフの国でも客にはもう少しマシな対応だったぞ」
と呆れながら言った。
アメナガスにも聞こえていただろうが全く無視していた。
そして、
カアアアアアアアアアン カアアアアアアアアアアアアアアン
と鉄を叩く音が近付いてきた。
その音を聞いてダベダルドは驚いて様に
「ほう、いい音ではないか……確かに噂通り腕のいい鍛冶屋のようだな、これほどの腕を持つ鍛冶屋はドワーフの中でもなかなかいないぞ、人間でこれほどの者が生まれるとは……」
と感心していた。
それを聞いてレジリアは
「へえ、こいつからこの言葉を聞くとは……期待は出来るな」
と言って少し感心していた。
そして
カアアアアアアアアアアアアアン カアアアアアアアアアアアン
と音がだんだんと近づいてきて
そして、中には一人の少女のような子が作業服でゴーグルを掛けながら作業をしていた。
それを見てダベダルドは
「何と!! こんなちっぽけな少女が!」
と驚いていた。
従者以外他の皆も驚いていた。
するとアメナガスは
「ロメイトさん! お客様から武器で脅されて連れて来たんですけど?」
と言ったがロメイトは無視をしているのか作業を止めようとしなかった。
するとアメナガスは
「ロメイトさん! 聞こえてます!」
と聞くが返事はなかった。
アメナガスは
「ということですので今日はお引き取り下さい」
とさらっと言い放つが、それを聞いて従者は鬼の形相でアメナガスを押し退けて
「おいロメイト!! 聞こえていないならもう一度言う!! 勇者様の武器や防具を揃えるのだ!! 命令が聞けないなら反逆罪とみなすぞ!!」
怒鳴りながらロメイトを指差して剣を向ける。
それを聞いて啓示は
「ちょっと!! そんな事しなくても!!」
とロメイトを庇う。
ダベダルドも
「職人は気難しいものだ、また別の機会にでもすれば」
と提案をするも、従者はムキになったのか
「ダメです! 魔王退治を職人の気分で長引かせるわけにはいかないのです! これ以上罪のない人間が死なない為にも必要なことなんですよ!!」
そして、従者はロメイトに大きい声で
「おい!! もう一度聞け!! そして勇者様の武器や防具を揃えるのだ!! おい! 聞いてるのか!!」
と言って近づいて行く。
それを見たアメナガスは
「危ないですよー」
と素っ気なく注意した。
しかし、無視をして近づいて肩を掴み
「おい!! 聞けえ!!」
肩を引っ張る。
すると、ロメイトは振り返り
ドシャ!!
と従者の口が抉れた。
「ふぇ?」
そして、何本かの歯が飛び散り、頬は焼き爛れていた。
よく見ると先ほどまで熱していた鉄を叩いていたハンマーは振り抜かれていて、叩く部分には血が付いていた。
そこでようやく従者は自分がハンマーで頬を殴られたことに気づき
「ふぇ、ふぇ、ひっっでえええええええええええええええええええええええええええ!!」
と激痛に悲鳴を上げた。
それを見てもう一人の従者は
「うわあああああ!!!」
と尻餅をついて転んだ。
勇者一行は真っ青になり
舞は
「なっなんてことを……」
と言いダベダルドは
「商売道具で人を殴るとは……」
と引いていた。
そして、ロメイトは何事もなかったようにゴーグルを外して
「何? 私忙しいんだけど?」
とキョトンとして聞いた。
アメナガスも何事もなかったように
「剣で脅されてお客さんを連れてきました」
と自分の現状のみをロメイトに報告する。
ロメイトはアメナガスの指を指す方を見て
「何? 私今忙しいんだけど?」
と勇者達に冷たく言い放った。
ロメイトもアメナガスもまるでその状況が当然の様な顔で話していた。
そんな異常な状態を見て啓示は
「ロッロッロメイトさん……だっけ……いったい何を……」
とさすがに恐怖していた。
戦いならいざ知らずこんなただの鍛冶屋の工房で人がハンマーで殴られ口が抉られるとは思ってもみなかったようだ。
そして、アメナガスは
「そりゃ作品作ってる時に邪魔されたならそうなりますよ?」
と呆れたように言った。
ダベダルドは
「ば! バカか! 貴様!! こんな……エグイことが……普通は起こらんぞ!」
と怒鳴るがロメイトは
「ああああああ!! 作ってたのが!! もおおお!! もおおおおおお!! 台無しだよ!! いらないや」
と言って先程まで叩いていた鉄を水の入れている場所に捨てた。
「で? 何? 私の作品を台無しにして話したい事って? 早くしてくれない?」
とイライラしたように言った。
従者は真っ青になりながらも
「お前……自分が何をしたのか……わか」
と言い終わる前に殴られて呻いていた男は
「いい! 今そんなことは……いい!」
と言って抉れていた頬は元に戻っていた。
するとシャーレ―は
「治癒魔法を掛けました……これで大丈夫かと……」
と震えながら言った。
啓示は緊張が解けないまま
「あ……ありがとう、シャーレ―……君がいてくれて本当に良かった……」
と震えながらシャーレ―にお礼を言った。
「いっいいえ! これぐらい当然です!」
と照れながらシャーレ―は言葉を返す。
殴られた従者も
「ありがとうございます……姫君……助かりました」
と言ってお礼を言った。
ロメイトは
「ねえ! 早くしてくれない!!」
と怒りながらハンマーをブンブン振り回す。
従者は怯えながらも
「では、どこか座れる場所で話しましょう」
ロメイトは仕方なさそうに
「はあ、分かったよ、アメナガス……お茶用意しておいて」
と指示をするが、アメナガスは
「すみません、そうしたいのは山々なんですが今日はもう定時で……」
解きたく準備をしていた。
ロメイトは頭を掻きながら
「そっか、それじゃあ仕方ないね、そこの君! お茶用意!!」
そして、近くで作業していた男に言い放つ
「し! 師匠!! 私は今作業を!」
と慌てている様子だったがロメイトは冷たく
「君のそれは置いておいても価値なんて変わらないでしょ?」
呆れながら剣を見て鼻で嗤った。
男は悔しそうにしながら
「分かりました……」
と言って立ち上がった。
それを見て舞は
「おい、ロメイトさんだっけか? それはあまりにも酷いんじゃ……あれ?」
と声を掛けようとしたがロメイトはもうそこにはおらず
「ではこっちですよおー」
と言って無視して行ってしまった。
「おい!!」
と声を掛けても反応せずにそのまま進んで行く。
そして、ロメイトを追いかけるように居間へと勇者一行と従者は向かった。
そして
「で? 何の用?」
とロメイトはイライラしながら胡坐を搔きながら聞いた。
少し納得いかなさそうに舞はしていたが、口を殴られた従者は少し不機嫌そうに
「あなたに勇者一行の武器を新調して欲しいのです、急ぎで……報酬はいくらでも払いますので……」
金を用意して注文をする。
するとロメイトは
「忙しいので無理です」
キッパリと言った。
それを聞いて従者はイライラしながら
「魔王を退治するためです、貴方にも関係のないことではないかと?」
と武器を作る様に催促するが
「魔王が生きていようが死んでいようが私には関係はないかと?」
と不思議そうに言った。
だが従者も負けじと
「知ってるんですよ? あなたの親は全てオークに殺されたことを……それらは全て魔王が操っている軍であることも、親御さんの敵をあなたの武器で取りたいと思いませんか?」
とロメイトの過去を伝えながら魔王退治の重要性を伝える。
それを聞いて勇者一行は驚いた顔をしていた。
ロメイトはキョトンとしながら
「はあ、まあそうですが……で? 親が死んだことを魔王の繋がりは分かりましたがそれでどうして私が敵討ちをしないといけない道理になるのですか?」
と不思議そうに聞いてきた。
それを聞いて従者は
「はあ!! あなたは悔しくないのですか!! 自分の親が魔王の軍に惨殺されたんですよ!! しかもあなたの母親は死んだあと辱めを受けたことぐらいあなただって知っているはずです!! あなたはそんな相手を許せるのですか!!」
と感情的になって言った。
それを聞いてロメイトは
「ハハハハハハハハ!! 私が辱められたわけでもないのに!! どうして悔しがる必要があるの!! 関係ないと思うよ!! それに鍛冶屋は受け継いでいるわけだし別に親は後悔なんてないと思うよ!! 自分の技術を残せているならもう別にいいでしょ!!」
と笑いながら言った。
それを聞いてレジリアは
「お前は……自分の親の事何とも……思っていないのか……」
真剣な表情で聞くが、それを聞いたロメイトは
「何とも……うーん……まあ家族とは思っているけど? それがどうしたの?」
と質問に答える程度の反応であった。
それを聞いて啓示は
「何なんだ……この子は……」
と真っ青になっていた。
するとロメイトは
「じゃあ、私忙しいからもう行くね、断ったんだからもういいでしょ?」
と言って出て行こうとしたが従者は
「このまま! ……受けなければ反逆罪になるぞ……その場合死刑だってあり得る話だが……」
と怯えながらロメイトを脅した。
するとロメイトは
「良いよ! 殺せば? でもさあ? これから兵士さん達の武器や防具はどうするつもり? そのほとんどが私が請け負ってるねえ? まあいいんだけどね!! 君達の武器や防具が劣化しても私には関係のないことだしいい!! じゃ!! バイバ――――――イ」
と言って部屋から出て行く。
従者はその言葉を聞いて震えながら
「クッ糞……申し訳ございません……」
と勇者一行に頭を下げた謝罪をした。
それを見て啓示は
「あ! あなたが悪いわけではありません!! 気難しい方だとは考えてなかった僕が悪いのです!! もしここにレイミーがいれば少しは何とかなったのかと思うし……僕の判断ミスです! だから気にしないでください!!」
と言って従者に伝える。
従者は
「そっそう言って頂けると助かります……」
と言って悔しそうにしていた。
もう一人の従者は
「だがどうすれば……このままでは武器を新調せずに魔王に立ち向かうことになる……」
と言って悔しそうに言っていた。
すると舞は
「別の鍛冶屋ではダメなのですか? 他にも鍛冶屋の方はいるでしょうし……」
だが従者は首を振って
「ダメです……確かに昔はこの国にもたくさんの鍛冶屋がありましたが、あのロメイトがあまりにもいい作品を作るからほとんどの鍛冶屋が潰されました……客が他の鍛冶屋から離れてしまい経営困難となりほとんどの者がロメイトの弟子になるしか鍛冶屋の仕事をすることが出来ない状態になっています……しかし、そんな鍛冶屋は……」
と従者の言葉を聞いてダベダルドは
「そりゃおらんわな……そんなの長年やって来た鍛冶屋のプライドが許さんだろう……もしなるとしても新米の鍛冶職人ぐらいだ……」
と腕を組みながら納得する。
それを聞いてリストアは
「だったらさっきいた人に頼めば!」
と聞くとお茶を持ってきた男が
「え! ドっどういうことですか!!」
と戸惑ったように言った。
舞は真剣な表情で
「確かに……君はさっき剣を作っていたみたいだが君も彼女の弟子ならある程度の技術があるのでは?」
話をするが、それを聞いた男は俯きながら
「教えて貰ってませんよ……あんな人から……何も……」
と物凄く辛そうにしていた。
それを聞いて従者は
「なっ何故! 弟子になったなら普通自分の技術を伝えようとするはずでは!」
と言ったが男は悔しそうに
「あの女にとって鍛冶職人の仕事なんて空気を吸うことと同じなんです!! だから私が聞いてもどうしてこんな簡単なことも出来ないのかとしか言われるだけで何も教えてもらえません!! 挙句に見れば分かるだろとか呆れたように言われるんです!! そんな奴なんです!!」
と言って心の底から苦しそうに言った。
それを聞いてダベダルドは
「なるほど……鍛冶職としては優れていても師としては優れてはいないのか……」
と言って頭を抱えていた。
だが啓示は
「ここには武器は売っているんだろ? だったらレイミーが買い物が終わってから一緒に買うことにすればいいさ! それなら何も問題はないだろ!」
提案をすると、従者は
「なあ! 君! 武器が置かれている場所ってどこだ!」
と先程の男に武器のある場所を尋ねた。
「えっと……受付のアメナガスが管理していて……あの女も私にも場所は教えてくれていません……」
と申し訳なさそうにする。
それを聞いてレジリアは
「これは……もう明日にするしかないな……アメナガスさんは定時だとか言って帰ってしまったし……」
と言ってその日は諦めることになった。