表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JKなのに乙女ゲーの皇子様に転生しました  作者: 涼瑚
第一章、転生先の環境改善
7/20

7、屑はどこまでも屑である

更新が遅くなり勝ちですみません。

ブックマークや評価、ありがとうございます!

「ミカエラ妃が、母上の代理をなさるのは不可能なのでしょうか?周囲から反対されていたとはいえ、アレクシスもいる訳ですし、7年前に比べれば礼儀作法もある程度身に付いているでしょうに。」

 もしかして、皇妃の立場というのは私の想像以上に低いのだろうか。


「制度上は、可能でした。」

 あ、可能なんだ。でなんで過去形?

「しかし、ミカエラ様は既に亡くなっていらっしゃいますゆえ、それは不可能なのです。」

 何ですと?!え、ミカエラさん死んでんの?まさか謀殺されたとか?

「まさか、ミカエラ妃を快く思わない誰かが…」

「いいえ、ミカエラ様の死因は病死でございます。アレクシス殿下を出産後、産後の肥立ちががよろしくなかったことが原因と言われております。」

 ここはテンプレ通りではないようだ。

「元々お身体が弱くていらっしゃったと、聞いております。妊娠なさっても無事な出産は難しい、母子のうちのどちらか、またはどちらもが、命を落とされると。」

「…そこまでして、どうして。」

 いくら愛しい人との子供が欲しいからって、無事に産まれてくるかも分からない、もしかしたら命を奪うことになってしまうかもしれない子供を身籠りたいと思うだろうか。自分自身の命の危険もあるというのに。やっと最愛の恋人(くずおやじ)と結婚できたのに?


「皇帝陛下が、ミカエラ様との子供が欲しい、もしもミカエラ様が皇后陛下よりも先に皇子を出産なされば、『正妃』にしてやれるから、とおっしゃったそうです。」

 まーたーかーよーくーずーおーやーじいいぃぃぃぃぃ!母上への嫌がらせのためにそこまでするか?恋人の命を危険にさらしてまで?ふざけんなよ人の命をなんだと思ってるんだあの野郎!だいたい「やれるから」ってなんだよその言い方ミカエラさんが頑張って子供産んでその上で「正妃」になれるってだけでしょ?ミカエラさんの努力あってのことでしょ?あんた自身は特に苦労とかしないんでしょ?なのになんなのその上から目線!本っ当許せないッ!

 いけないいけない、感情的になっては判断能力が著しく低下してしまう。冷静にならねば。まずは話を変えよう。屑親父の話になるとついつい激昂してしまう。よし、話を変えよう。


「ところで、アレクシスは今どこに?」

 ゲームでのアレクシス含め四人の攻略対象の初登場時の年齢は全員10歳だ。


 ゲームの最初の場面では、まずオープニング映像が流れ、次にエイレンの声での自己紹介と一通りの「ジュエリー帝国」についての説明がなされる。そしてその後、最初のイベントとしてアレクシスの誕生十周年記念パーティに行く、という話になる。そのパーティで誤って主人公がアレクシスとぶつかってしまうところから、「ジュエリーラブ」の本編(ストーリー)が始まるのだ。

 だがこれ、考えればかなり不自然である。先ほどのシルビアさんの説明のように、アレクシスとクラウス(わたし)は数ヶ月しか誕生日が違わない。それに、第二皇子の誕生日を皇太子のそれよりも盛大に行う事はないだろうから、間違いなくエイレンはクラウスの誕生日にも呼ばれている。なのに何故、イベントがあるのはクラウスではなくアレクシスの誕生パーティなのか?

 …謎である。


「アレクシス殿下は、現在ガーネット家に御滞在なさっております。」

「それはまたどうして。」

「皇帝陛下のご意向です。何でもミカエラ様の御遺言で、皇族のしきたり等で殿下を縛らないで欲しい、と。」

「なるほど。まあおかしくはない理由ですね。」

 今度そっちの様子を見に行ってみるかな。


 だが、まず始めにするべき事は母上の様子を詳しく知ることだろう。百聞は一見にしかず。ついでに善は急げだ。

「では、まず私を離宮に連れて行って下さい。母上の状態を確認したいんです。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ