クエスト受注
「す…すごいです!」
先程居た宿から受付の女性が来た。
「あの、上位悪魔の淫魔を退けることをした為か、人が集まって来ているので、一旦宿に戻って来て下さい。勇者さん」
と、言い残すと、足早に去っていった。
彼女に言われた通りに宿に戻ると、クエストボードというものが有った
「クエストかぁ」
声を漏らしてのは雫だ。確かに、ゲームと言ったら、クエストの報酬がメインの資金だからな。
「お待たせしました。」
戸の奥からあの受付の女性が来た。
「クエスト受けていきませんか?」
急に訊ねてきた。そこで今まで空気だった、出雲がやっと口を開いた。
「討伐クエとかなら、魔法の使い方とか出来るから良いと思うよ、お兄ちゃん。」
確かに、雫もやりたがっていたし、良いのではないかと、思ったと、同時に雫が返事をした。
「あ、忘れてた。ねーねー、おねーさん。討伐クエ何かある?」
受付の女性は、こちらへ、と、役所のある部屋に連れていった。そこは、クエストを受け付け、受注するところだった。
「大型のモンスター討伐は、初めてですよね?でしたらこちらの昂灼馬が良いですよ。」 出された紙を見ると、大きさと特徴が書いてあった。それを見る限りは、確かに、倒せそうだった。
「これにします。雫、今回のメインはおまえだ。頑張れよ。」
そう言い雫の頭を撫でた。雫は照れくさかったのか何も言わなかった。
「…はい。分かりました。では、頑張って行ってください。剣と回復薬と地図はこちらで支給しますのでご安心ください。そちらのゲートから行ってください。」
指差した所は謎のゲートだった。白く輝く囲に薄い桃色のゲートがあった。
「では、お気を付けて下さい。ご健闘を祈ります。」
それと同時にゲートへ入った。
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「ほぅ。あの二人が天使の使者か。」
独り、大きな広間の椅子に鎮座して、威厳のある、しかし、反面禍々しさもある、者が、鏡を見て笑っていた。人はそれを【魔王】と、例えるのが自然だろう。黒衣に身を包み、大きな角を持つ者。顔がみえず、どんな顔立ちかさえも予想が付かないほどだ。そして、その者から発せられる声、また誰も居ない広間に声が響く
「あの者達は私を楽しまれてくれそうだな」
声は波のように強く広まった。
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