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9 友達以上恋人未満 欲張りな心

 私には子供の頃からの大の仲良しがいる。いつもずっと一緒にいた。

 そう、雨の日も風の日も晴れた日も曇りの日も。春も夏も秋も当然冬も。

 そしてそれが当り前のことだと思っていた。

 これから先もずっと変わらず続いていくものと、信じて疑わなかった。



 幼馴染みのしゅんと私は、いわば友達以上恋人未満の関係。

 今まではその微妙な距離感が心地良くもあり、安心感でもあった。


 でも、その距離感にヒビが入って初めて気づいた。

 微妙な関係だったってことに今更ながら気づいた。


 そしてホントはもっともっと近づきたかったって。

 もっと一緒にいたくて、ただ傍にいたかったって。



 それを俊に伝えたい気持ちが溢れてきた。

 アイツは私のことどう思っているのだろうか。


 やっぱただの幼馴染みかな?

 それとも少しくらいは好き?



 相手の気持ちが計り知れないっていうのは、なんとも不安で。

 どうしても確かめてみたくって。自分の気持ちを伝えたくって。


 でも自分からは言いだせなくて。ただ時間だけが通り過ぎて。




 

 あれから1週間。ただなんとなく過ごすうちにまたいつの間にか元どおりのようになって。

 あれは一体なんだったのだろう。お互いその事には一切触れずにいる。


 いくら前のように普通に話せるようになったっていっても、このもやもやだけは心から離れない。

 いや、むしろ心の大半を占めている。


 片想いってこんなにも辛くて苦しいものなのか、と初めて知った。

 だって、いつも俊が隣にいて当り前の状態だったから、他の人に目が向かなかったのだもの。


 幼馴染みと言いながらも、私はいつの間にか俊に恋をしていた。


 もう、ただの幼馴染みじゃいられない。

 もっと近い存在になりたい。そんな欲が芽生えてきた。


 告白?


 ムリだ。もし断られたら?

 今までのような関係にさえ戻れなくなってしまうかも。


 自分から告白するなんて絶対にできない。

 でもずっと今のままなんかでいられない。


 欲張りな私の心が弾けだした。



 『恋人になりたい!』



 俊はどうなんだろう。


 確かめてみたい。どうしても知りたくなって。

 たとえ今の関係が壊れてしまおうと、このままもやもやして人生を無駄にはしたくない。



 スマホを取り出して私は俊に電話をかけた。


「もしもし、俊?」



お読み下さりありがとうございました。


【友達以上恋人未満の幼馴染みと『恋人になろうよ♪』】も、

残すところあと2話となりました。


最終話までお付き合い下さると嬉しいです♪


次話「『恋人になりたい!』」もよろしくお願いします!


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