聖女の証と護り人
思い付きで書いてしまいました。
誤字脱字、あるかもですm(._.)m
私は本が好き。
だって、本の中では何にでもなれるから。
お姫様にだって、魔法使いにだって、聖女様、勇者、冒険者、ドラゴンにだってなれる。
でも現実の私は勉強もできないし、友だちもいない。
両親だって出来の悪い私より、何でもできて可愛い妹の方が好きなんだ。
「ちょっとお姉ちゃん、そこ邪魔なんですけどー。
本当にグズなんだから」
「真綾またこんな点数取って!少しは彩綾を見習ったらどうなの?」
「ねぇねぇ彩綾ちゃん、高橋先輩に告白されたって聞いたよ!どうしたの?やっぱり付き合うの?」
「ヤッベ、あれ結城彩綾だろ?マジで可愛いなぁ。
うわっ!なんだよあの後ろの!さ◯こかよ!」
こんなのいつもの事。私と彩綾は双子の姉妹。でも見かけも性格も正反対。彩綾は茶髪のフワフワした肩までの髪で、目もクリクリしていてとっても可愛い。私は真っ黒でストレート。いつも下を向いて長い髪で顔を隠すの。だって彩綾みたいに可愛くないから。
それに私の目は右が青で左が金色なの。この目を見たら皆んな気持ち悪いって、こっち来んなって言うんだ。小学校の頃はいつもそれで虐められてた。だからいつの頃からか下を向いてなるべく顔を隠すようになった。
こんな世界、もう嫌だ。
そんなこと思っても死ぬこともできないし反論する勇気もない私は弱虫だ
私の家は小高い丘の上にある可愛らしいログハウス。おじいちゃんが定年後に、おばあちゃんの為に少しずつ自分で建てたんだって聞いたことがある。
家族も学校も嫌いな私だけど、この家は好き。おじいちゃんのおばあちゃんに対する大きな愛情を感じることができるから。
そんなおじいちゃんとおばあちゃんは家族の中で私の目を綺麗だって、よく似合ってるねって言ってくれてた。彩綾と私を比べることなく同じくらい可愛がってくれてた。
でもそんな2人はもういない。
どうせなら私も一緒に逝きたかったのに。
そんなある日の学校帰り。
1人で家に向かって歩いていた。彩綾と一緒に帰ることなんて一回もない。彩綾は女友達も男友達もたくさんいるし、彼氏だって途切れることなくいる。だから学校帰りに遊び歩くこともしょっちゅう。
なのにその日に限って彩綾が私を追い掛けてきた。
「待ちなさいよ!
今日はパパもママもいないって。ご飯は自分達で作って食べろってさ!だったら寿司くらい出前とっとけって言いたいわ!
あ〜あ、しかも今日に限って高橋先輩は家族で食事に行くからデートは無理だって言うし。ざ〜んねん。
だからあんた晩御飯作んなさいよ!
不味かったら承知しないからね」
そんな話をしていた時だ。急に足下が光りだした。
「は?何よこれ!
ちょっとあんたどうにかしなさいよね!」
いや、普通に考えてどうにかできるもんでもないでしょ、とは言わない。絶対倍になって文句が帰ってくるから。
そんなことを考えているうちに眩しくて目が開けていられない程になった。
ーあぁ、これが小説なら異世界トリップとか起こるんだろうなぁ。
なんて現実逃避していたら
急に辺りから人の話し声がした。
ー?私達の周りって誰もいなかったよね?
そっと目を開けてみたら白くて裾の長い服を着た人達が10人くらい、私達を取り囲んでいた。
そしてその人達の後ろにはやたらと偉そうな金髪碧眼のイケメンさんと、その人を取り囲むようにまた違ったタイプのイケメンさんが4人いた。
ー真ん中の人、いかにも王子様っぽいけどまさかね?
そして私達を見て
「おい!どういうことだ!聖女は1人のはずだろう。なんで2人もいるんだ!」
と、偉そうな金髪が言った。
そのセリフに食いついたのは彩綾だ。
「あ、あの!」
声を出したことで皆んなの目がこっちを向いた。
人の目が自分に向くことが苦手な私はその視線に怯んだけど、よく見ると皆んな彩綾を見ていてちょっぴりホッとした。
「ここはどこですか?
私、学校帰りにいきなり足下が光って、ビックリして目を閉じてたらここに来てたんです」
「ふむ。
まずここはエレクトリーナという国の王宮だ。この部屋は王宮の中でも聖女召喚の儀の為に使われる部屋だ。
それから、あなたの話を聞くと光ったのはあなたの足下なんだな?
まぁ聖女がこんなブスなわけないからわかりきったことだけどな」
なんか最後小声で言ったつもりだろうけど聞こえてるからね。しかも人を見下したような目。私の嫌いな目だ。
「はい。あのこっちの人はよく知らないんです。あ、いえ、全く知らないわけではないんですが、ただのクラスメイトって言うか。
でも確かに私の足下が光ってました!
いい?そう言うことにしておくのよ!無駄口たたいたら私にいつも意地悪する女だって言いつけてやるから!」
うん。脅しをかけて来た。そんなに聖女?になりたいのかな?まぁ別に私はなんでもいいんだけど。どっちの足下が光ったかなんてわかんないし。
それに、ここはいろんな髪の色や目の色があるから、ここなら私の目について言ってくる人いないんじゃないかな?
でも、聖女じゃないって事になったらどうなるのかな?まさかいきなり追い出したりしないよね?
「ふむ。どうやらあなたが聖女で間違いないようだ」
ーは?何あっさり決めつけてるの?
「おい!そこの女!
お前はここには必要ない!どうせ無理やり魔法陣の中に入ったんだろう。あさましいやつだ。
だが聖女でもない女をもてなす義理は我々にはない!よって今すぐここから立ち去れ!」
え?嘘っ!!
こんな何も知らない場所で、何も持ってないのに放り出されて生きてなんかいけないよ!
「さ、彩綾、私……」
「ふふふっ。
あんたみたいな出来損ない、ここでも用無しですってよ!
あ、悪いけどあんたのことなんて助けないからね。自分でどうにかして生きるなり死ぬなりしなさいよ」
「…っ!!」
酷いっ、確かに仲は良くなかったけど、こんなどこともわからない場所で見捨てるなんてっ。
涙が溢れて来た。でも彩綾にだけは涙を見せたくなくてどうにか我慢した。
そうしているうちにあの偉そうな金髪(どうやら本当に王子様だったようだ)が彩綾をエスコートして周りの人達と一緒に出て行った。
残された白い服の人達は気の毒そうに見る人、見下したように見る人、関心のない人と色々だったけど助けてくれる人はいなくて、どこを通ったのかわからないけど気付いたらお城の外に連れ出されていた。
「私達がこちらの世界に呼んだのに申し訳ない。
助けてやりたいのだが殿下の言葉は絶対なのだよ。これ、少しだけど持って行きなさい」
ここまで案内してくれたのはおじいさん?と言ってもいい年齢の優しそうな人だった。その目には申し訳なさが表れていた。
そうして渡してくれたのは袋に入ったお金?と小さめのナイフ、カーキ色のマントだった。
「この世界にそんな服はないからそのままだと目立ってしまう。羽織って行きなさい」
この人に文句を言ってもいいのかもしれない。来たくて来たわけじゃないのに。そっちが勝手に呼んだくせにって。
それでも全てを決めたのはこの人ではないと思うし、私のことを少しは気にして、こうしてお金?やマントなんかをくれただけでもありがたいのだ。
私はその人に一礼するととりあえず門の外に見える道をまっすぐ進んでみることにした。
この世界に何があるのかわからない。小説にあるように怖い魔物がいるかもしれない。
街の人だってさっきの人のように優しい人ばかりではなく、私を襲おうとする人だっているかもしれない。
だけど、あっちの世界だって私には優しい世界ではなかった。
どこにいても私を必要としてくれる人はいないのかもしれない。
それでも、さっき見ただけでも色んな髪色があったし目の色も皆んなそれぞれ違った。この世界ならひょっとしたら私の目を見て怖がったり気味悪がる人はいないか、いても少ないかもしれない。
だから、
怖いけど、不安だけど、とりあえず進んでみよう。
少し進むと森があった。お城は丘の上にあってその周りを森が囲っていた。そしてその先にどうやら街があるようだった。
森に入って少し歩いた時、
「待て」
グッとマントのフードを引っ張られた。
ー誰?
振り向くと背が190位ありそうで、腰まであるサラサラの銀髪に
青と金のオッドアイの綺麗な男の人が立っていた。
ーーーーーえ?
っ!!
彼も私を見てビックリしていた。
どうやら振り向いた時に髪がはねて私の目が見えたようだ。
ーこんなところで私と同じ目の人に会えるなんて!
嬉しかった。
「君はひょっとして…」
男の人の言葉が突然途切れ、驚いて見開いていた目が急に鋭く、辺りを窺い始めた。
「あ、あのっ」
どうしたのか聞こうとしたけど強く腕を引かれ男の人の背に庇われたことで言葉が途切れた。
ガサッ
っ!!!!
音がした草むらを見るとそこから真っ黒くて口からは尖った鋭い歯が見え、ダラダラとヨダレを垂らした馬くらいのサイズの狼もどき?がいた。
ーナニコレナニコレナニコレ!
パニックになる私を背に庇ったまま手をかざした。
狼?が狙いを定めて飛び掛った瞬間、男の人の手から真っ青な炎が出てきてその狼を覆った。
狼はもがいて暴れていたけど、暫くしたら動かなくなってしまった。
何が起こったかよく分からないけど、兎に角怖くてガタガタ震えながらへたり込んでしまった。
狼が絶命したのを確認した後振り向いた私と同じ色をしたその人の目は、優しく気遣うような色をまとっていた。
「もう大丈夫だ」
一言そう言った後は、私の前にしゃがんでポンポンと頭を撫でてくれた。ぶっきら棒だけどこちらを心配するような一言と、優しく気遣うような眼差しとに何故か涙が溢れて止まらなくなった。
どのくらいたったのか。しゃくりあげながらもどうにか涙が止まった私を見た彼は
「マーヤ、俺のとこにおいで」
何故名前を知っていたのか、
何故そんなに優しくしてくれるのか、
分からないことは沢山あったけど、その人の目を見るとそんなことはどうでもよくなって、気が付いたら頷いていた。
その後どうやったのか分からないけど、足下が光ったと思ったらどこかの家の中にいた。
その家はどこかおじいちゃんの建てたログハウスに似ていた。
「マーヤ、色々と聞きたいことがあるだろうが今は寝るんだ。起きたら説明する」
そう言ってそっと掌を私の目の上に当てた後は意識が闇の中に落ちていった。
ペロッペロペロッ
「おい娘っ子!いつまでも寝ておらず早よ起きんか」
ガバッ
と起き上がれば、目の前に浮かぶ真っ白のドラゴン!?
っ!!!!
「キャーッ」
ガタガタッ
ガチャッ
「マーヤ、大丈夫か!?
って、ガロ、何勝手にマーヤの部屋に入ってるんだ!」
「ふんっ。
昨日、聖女の気配を感じたので来てみたら、朝だというのにグースカ寝ておったからの。我が起こしてやったんだ」
ドヤッ
っと吹き出しが付きそうな表情で彼を見る白いチビドラゴン。
表情なんか分からないと思うんだけど、何故かそうかなって思っちゃう。
「はぁ〜。
いいか?マーヤは昨日この世界に召喚されて来たばかりだ。しかも何故か城の外の森を1人で歩いていた。その上、早速森の中でキングコボルトに襲われかけた。なかなか起きれなくても仕方ないだろう」
「うむ。早速聖女の気配を感じ取ったか。
それにしても何故召喚された聖女がフラフラ森を歩いておったのだ?人間どもは何をしておる」
若干イラついてるのか短い腕を組んで、空中に浮かびながら尻尾をフリフリ。そして青と金の目は鋭く眇められていた。
ー青と金の目!?
「その辺りの話を起きてからゆっくり聞こうと思っていたのに、ガロが勝手に入って起こすからこんなことになったんだろう」
「う、うむ。それは我が悪かった。では早速話を聞こう」
「えっと、あのこちらのドラゴンさん?は一体…」
とりあえず状況が全く読めないから色々説明して欲しいな。
「とりあえずマーヤはこっちの服に着替えて、部屋を出て左に進むと洗面所があるからそこで顔を洗えばいい。この部屋の正面の扉を開けると部屋があるからそこで朝食にしよう」
せっかくなのでお言葉に甘えて着替えと顔を洗って朝ごはんを頂こう。知らない人に迷惑かけるのもどうかと思うんだけど、なんだか色んなこと知ってそうだし、何よりお腹空いた。
それに、不思議とあの人の側は居心地がいい。
そうして全てのことが終わってテーブルとは別に置いてあるソファに移動し話をすることになった。
まずは自己紹介。
この銀髪の美形さんはトワさん。なんと聖女の護り人だそうだ。護り人とはこの世界に聖女が現れた時、常に側にいて聖女を護る役割を持つとか。その為強大な魔力を持っているらしい。
そしてこのドラゴンさんはガロさん。トワもガロもどちらも真名はまた違うらしい。
真名とは真実の名という意味で、真名を知られることによってその相手に色々と縛られてしまうらしい。説明してもらったけどバカな私には今ひとつ理解できなかった。
そしてガロもまた聖女の護り人(人ではないけど)らしい。
ちなみにトワにしてもガロにしても年齢は秘密らしい。とんでもない年寄りだとも言っていた。
2人のことは呼び捨てで構わない、敬語なども必要ないと言われた。
さて、この世界には魔物というものがいるそうな。そして100年に一度大規模な瘴気の噴出がある。その瘴気の噴出によって魔物が活発化する。
魔物は剣や魔法を使って退治できるが、大規模な瘴気の噴出があると強くなってなかなか倒すことができなくなってしまう。
その瘴気の噴出を抑え活発化した魔物を浄化するために聖女が祈りを捧げなければならない。聖女の祈り以外ではどうにもならないそうだ。
そして聖女とは本来ならこの世界の人なんだそうな。しかし普通の人とは違い、女神の血を継いでいる要は女神の娘らしい。
そして、聖女は生まれてから成人するまではこの世界では生きていけない。成人前の聖女は要は剥き出しの神経みたいなものらしい。人の悪意や負の感情をダイレクトに受け止めてしまい、それによって命を落としてしまう。どんなに人が気を付けても心の中から悪意や負の感情は決してゼロにはならないものだ。その為、生まれる前の魂を違う世界の人間の胎内に女神の力で送る。そしてその瘴気の噴出が始まるちょうど100年目にあたる年に聖女は成人を迎える。そしてこちらの世界に召喚の儀で呼び寄せるのだ。上手いこと回っているものだ。
ちなみに聖女は女神と同じ瞳を持っている。全ての瘴気を消し去り、滅する青い瞳。そして全てを浄化する金の瞳だ。
そう。私のオッドアイは女神の力を持った聖女の証だったのだ。
「わ た しが聖 女」
「なんだ、娘っ子は自分が聖女だと知らなかったのか?だが、召喚の儀を執り行った者達がきちんと説明したはずだがどういう事だ?」
フヨフヨと浮きながら首をかしげるドラゴンは何とも可愛らしい。
「えっと、実は」
私はこの世界に来た経緯を説明した。勿論彩綾の事も。なんだか悪口になるかなってちょっと迷ったんだけど、その迷いを見透かすように
「全て正直に話せ。ここでは誰にも遠慮などする必要はない」
ぶっきら棒だけど優しい言葉に、ついつい生まれてからこの世界に来た時のことまで全て話してしまっていた。
ーなんだろ?この人の纏う空気かな?優しそうな眼差しのおかげかな?今まで誰にも喋ったことのないこれまでの辛い気持ちとかまで喋っちゃったなぁ
「ふんっ。人間も愚かだな。聖女の特徴などきちんと伝えてあるはずなのだがなぁ。
あぁ、そう言えば今の王太子は愚か者だったな。王がその場にいなかったということは恐らく勝手に召喚の儀を執り行ったのだろう。だから聖女の事を知らなかった。
知らなかったでは済まない事だろうにな。さて、どうしてくれようか。
しかしそのサーヤとか言ったか?その女もどうにも性根が腐っとるのぉ。今の王太子となかなかにいい勝負なのではないか?」
「どちらにせよその女は聖女ではないのだから力は使えない。しかも王の耳に話が入った時点で聖女ではないことは皆の知るところとなる。そうなるとマーヤを探し始めるだろう」
「私を探し始める?
え、それってまたあのお城に戻らないとダメなの?」
イヤだ!トワとガロと一緒がいい!
「うむ。別段城に戻る必要はないな。娘っ子が城がいいというなら話は別だがそうではないのだろう?」
「うん!私はここがいい!」
「ならここにいればいい。俺らがいれば力の使い方などいくらでも教えることができるし、生活するにも何も問題はない。
だが一度城には行った方がいいだろうな。聖女がきちんとこの世界に来ていて、護り人である俺らと合流できている事、浄化もきちんと行う事を伝えておいた方が後で探され追い掛け回されるのも面倒だからな。まぁここが見つかることはまずないんだけどな」
「わかった。じゃいつ行くの?」
「今からで良いのではないか?我も面倒はごめんだからな」
そうして私達は追い出されたお城に向かった。と言ってもさっきの森からこの家に来る時に使った転移魔法なるもので一瞬らしいけどね。
どこ◯もド◯みたいだなって1人で考えて笑ってしまった。
そして着いた場所はお城にある王様の執務室というところらしい。
そこにはこの国の宰相さんもいて私達がいきなり現れたことにまずは警戒し、その後驚いて慌てふためいてドタバタだった。
そして最終的にはあのイケメン王子様について謝罪をしてくれた。
どうやらトワ達が想像したら通り、王子様が勝手に召喚の儀を執り行ったらしい。何よりまだ王様の耳に入ってなかったそうだ。昨日のことだよね?って思ったんだけどどうやら彩綾と王子様、昨日会ったばかりなのにそのまま部屋に篭っていたそうな。で、今日は彩綾のお願いを聞いて王都までお買い物に出かけていてその報告も全くなかったらしい。私達が来たことで慌てて確認をしたら王様に秘密にするよう口止めをしていたらしい。それもご丁寧に脅しをかけて。
召喚の儀を執り行なった魔導師さんたちも当然固く口止め、アンド脅しをかけていたので、そっちからの報告もあがってきていなかったらしい。
とんでもない王子様だなって呆れてしまったのも仕方ないだろう。
そしてその王子様と彩綾が帰ってきたらしくこれから対面する。
今更ながら怖くなってきた。
彩綾は私の持っているものはなんでも欲しがる。そして大のイケメン好きだ。
トワは本当に綺麗だ。イケメンな王子様なんて目じゃないくらい綺麗だ。だから怖い。トワのことも取られるんじゃないかって不安で、怖くて仕方ない。
「マーヤ、何も心配いらない。俺たちはマーヤの為にいる。
マーヤの代わりは誰にもなれない」
そう言ってまた頭をポンポンッてしてくれた。その時扉を叩く音がして許可の後昨日いたイケメン王子様とその周りにいたイケメン集団、そして彩綾が入ってきた。
王子様と彩綾は部屋の中に私を見つけ眦を釣り上げた。
「おいお前!城から出て行くように言っただろう。何故こんなところにいる!即刻立ち去れ!
衛兵、この女は聖女を虐める不届き者だ!つまみ出せ!」
「ラインハルト様ぁ彩綾怖いわぁ。
真綾、私のことが憎いからって今度は何をしに来たの?お願い、もう意地悪しないで!」
意地悪?
していたのは彩綾じゃない。なんで私が彩綾を虐めてたことになってるの?
「黙れ!!」
ビックーンッ
決して大きな声ではないけど、低く威厳のあるトワの一言にこの場の誰もが口を噛んだ。
そして彩綾の目がトワを見つけ、少し驚いたような表情をした後ニッコリと微笑んだ。
ーあぁ、今度はトワを欲しがるのね。
でもトワは、トワとガロはあげない!
「あの、初めまして。私、異世界から来た聖女の彩綾です。よろしくお願いします」
あの笑顔にたくさんの人が騙されていた。誰もその本性に気付かない。でもトワは…
「黙れと言ったのが聞こえなかったのか?」
ますます声が低くなった。それに
「あぁ、聖女を騙る不届き者か。マーヤと双子だと聞いておったが、なんとも醜い女だのぉ」
トワの影に隠れて見えなかったガロがフヨフヨと浮かんで、彩綾を見据えて言った。
「なっ、わ、私が醜いですって!それに私が聖女よ!間違いないわ!」
「あぁ、醜いのぉ。それに愚かじゃ。まだ気づいておらんのか?
ところでそこのバカ王子、我らのことを知らなんだか?
いつまで頭を上げておるか!」
ガロを呆然と見ていた王子様やイケメン集団がガロの恫喝に慌てて跪いた。
でも彩綾だけは醜いと言われたことに怒りにブルブルと震え、ガロのことを睨みつけていた。
それより、今の状況を見ると皆んなガロ達のことを知ってるってこと?
「お前達は国王の許可も得ず、勝手に召喚の儀を執り行なった。しかも2人現れたことでどちらが聖女か迷った。
本来なら聖女の証を知る国王が立ち会うことで、仮に2人現れてもまず間違うことはあり得ない。しかし、国王が立ち会っていないことで、現れた者の言い分だけであっさりと決めつけ、本物の聖女を城から追い出した。
なんとも愚かとしか言いようがないな。
本物の聖女はマーヤだ」
トワが宣言したことでガバッと顔をあげ、私を見た。
私はここに来る前に前髪をトワに切ってもらった。トワとガロとお揃いの目を隠したくなかったから。だから今王子様には私の目がハッキリと見えているはず。
「なっ!!ほ、本当ですか?
何故その女の方が聖女だと言うのですか?一体聖女の証とは何ですか?」
はぁ〜っ。
なんともガロから大きな溜息が聞こえた。
「我らとマーヤとを見てもまだわからぬか?それともわざと気付かぬふりをしておるのか?」
じーっとこっちを見ていた王子様やイケメン集団がハッとしたように気付いた。
「目が………っ!」
「な、何よ!
この女の目は右と左が違って気持ち悪いのよ!そんな目の女が聖女なわけないじゃない!」
これには周りの人達皆んなが焦った。
「バカなことを!
よく見るんだ!あそこにおられるのは聖女の護り人であるガロ様とトワ様だ!そのお二方の目を見るんだ!」
「何よ、目がどうかしたの………っ!!
どういうこと………?!」
そこで、国王から護り人と聖女の関係と目の色を説明された。でもそこで納得しないのが彩綾だ。
国王相手だろうがごねまくった。
自分より劣っていると思っていた私の方が聖女で、しかもガロとトワという護り人までも一緒だ。彩綾からしたら認められるものではないのだろう。だけど、こればっかりはどうにもならない。
そもそも、浄化の力を持たない彩綾が行ったところで何も解決しない上に、恐らく死んでしまうだろう。
そこまで説明され、やっとしぶしぶ引き下がったものの、私のことを憎しみの眼差しでずっと睨んでいた。
そして、今回の話はこれで終わりではない。国王に秘密にし勝手に召喚の儀を行ない、更に彩綾に騙された形になったとはいえ、聖女を城から追い出したのだ。この件に関しては王位継承権の剥奪という割と重い処罰がくだった。王太子には第2王子がなり、元王太子は彩綾共々離宮に押し込められる形となった。また、周りにいたイケメン集団はそれぞれ国の中枢を担う方々の嫡男だったらしく、本来なら間違ったことをした時など諌める役割にあったにもかかわらず、一緒になって国王を欺いた形となった為廃嫡され、それぞれ領地に戻り家のお手伝いを一からする事になったらしい。
今私達は瘴気を浄化する為に聖女の力を使う練習をしている。練習と言っても祈りの力なので特別な事はないらしい。兎に角一生懸命お祈りをすればいいのだとか。
そして、明日、トワとガロと瘴気を浄化しに出かけることになった。
自分にそんな力があるのが未だに不思議だけど、それでもトワとガロと会えた事は私の一生の宝だし、2人のいる世界を守る為、どんなことでもできる気がする。
これまでの私の人生は辛く苦しいことばかりで、この目を持って生まれた事を恨んでいた。
でも今はトワとガロと同じこの目に生まれて、誰よりも幸せだと思えている。
この世界の女神であり私の本当のお母さん、この世界に戻ってこれて、そしてトワとガロに会わせてくれて本当にありがとう。
いかがでしたか?
プロットも何もあったもんじゃなく、ただ思いつくままに書いたので支離滅裂な部分も多かったのではないでしょうか?
おかしな箇所や誤字脱字あればまたご指摘いただければと思います( ̄^ ̄)ゞ
また思いつけば続編や他視点の話も書けたらいいかなぁと思っています。




