まえもってのことわり
今回、小説を書くにあたって、「R-15指定」で「異世界転移用語」を表示することにした。
なぜそうしたか、説明しろと言われているわけではないが、説明するのが人情で、説明しないとおっ母さんが泣くだろう。以下、説明。
まず、R-15指定の理由だが、これは、「ぼくも学ぶから」というのがいちばん実情にあっているだろう。そもそもJiCFuSのプレスリーリスによれば、粘菌すらも学ぶのだという。粘菌、といえば、字面からして麹カビとアメーバの中間みたいな感じである。第二次大戦中のえらい人の話はしないが、人間の鉢のなかにだってニューロオオアメムシがいっぱい詰まっている。はい、ぼくが話をするといつもこんな感じです。とても15歳以下には見せられません。これでわかるでしょ。わかるでしょ。わかれ!
つぎに異世界転移だが、プラトン『国家』という哲学作品がある。ナグ=ハマディ文書(「裏死海文書」)にも引用されていることでなにかと有名だが、プラトンは世界最古の小説家みたいな人で、ナラティブの力をよく知っていた(プラトンは「ミュトス」といった)。『国家』でも、いくつか小説みたいなサブストーリーが読ませてくれるのだが、なかでも「線分の比喩」と「洞窟の比喩」が超有名だ。
ここで話をするのは、「洞窟の比喩」について。簡単にいうと「洞窟のなかにある国でずっと暮らしてきた青年が、ある日外に出て、太陽の光を知って、また洞窟に帰ったときに、故郷の人に光と太陽の存在を納得させることができるか。ちなみに洞窟の中は現実世界」という話。
洞窟の外のほうがバーチャル・リアリティだったのではないかとか、いろいろツッコミどころはあるのだが、「外の世界」(じつはプラトンによればこっちのほうが閉鎖空間)が異世界でない、という保証はないので、べつにぼくは日本人を外の世界に導いてやろうとか善導的な意図はないのだが、いったんそんなような外聞が立つと言い逃れができないので、あらかじめ言っておくと、異世界転移用語です。
というわけでノリ次長の最新作「ワープサイバー」はR-15指定で異世界転移用語です。
お楽しみなく!