後編
あけましておめでとうございます。新しい年に明るい笑いを!
「おぉ、人間共はこのようにして暮らしているのか?なかなか楽しい物だぞ」
とある異世界の人間界の街を歩きながらそう面白そうにサタンは告げた。
あれから異世界にたどり着いた。彼は時空が落ち着くまでは元に戻れないというので、しばらく
この世界で過ごすことにした。そこで街に向かう道(でこぼこな岩山がある)で、苦労性勇者はとんでもない物を見せられることなる。岩山には緑色の翼をもった怪物が座ってこちらをにらみ続けていた。
「おぉ、あいつうまそうだな!勇者よ!元の世界に戻る為に力をつけるためにアイツを狩って食べようぞ!」
嬉しそうに顔をほころんだ。だが勇者は愕然する。あの馬鹿…。どういう嗜好をそれよりも
「あんなの喰えるか!このアホたれ変態魔王!よーく。あいつの腹辺りを見ろ。」
と腹を指差して突っ込んだ。
よく見れば腹辺りには白い球体の物が見え隠れしている。つまり、卵を温めている母親がこちらを警戒するのも当然なことで…。
怪物は翼を広げて威嚇してきた。
サタンは「ムム!母親だったのか!ならば手加減しないといかんな。」となんでもないようにように呟くと、戦う体勢になる。その姿から不動のオーラが噴出した。
勇者も剣を構えそして出方を伺った。双方にらみ合って五分後…。
「矢張り、ここは逃げるか?」と何でもないように呟くと回れ右して走り去る。
「おい!敵に背を向けるのは危険では?」
とあわてて追いかける。
「あの怪物は卵を1人で温めている。私達が攻撃仕掛けないかぎり、襲ってこないはずだ。なにせ卵から離れた途端に、卵に何か合ってはダメだからな。ここは逃げるが得策だ。あいつの子供にとっても」
と走りながら答えた。
「そこまで考えて…。あんたって一体…。」
走りながら勇者は目を見張る。
お前は本当に残虐溢れる魔王なのか?
いつだってあいつはオレを殺そうと思えば殺せたはずなのにしなかった。このように普通に旅していた。ちょっと抜けているところあるけど、あいつの判断力はたいしたものだ。
短い時間に状況を見極め、誰もが傷つかない方法を選んだ。
「伊達に魔物達を統率する立場にいないからな。あの程度のことを出来なければ、人を越える存在としてあり得ぬ物だ」
と追ってこないことを確認して彼は勇者の考えを読みとったように答えた。
(人を越える存在…。)
勇者はその言葉に深く考える。
人を越える存在…。それは神しか思い付かない。超然とした存在が彼だというのは実感する。血に飢えた魔王ではなく、誰にも並ばず世界を統べるにふさわしい神のような…。それでいて人間くさい。
(不思議な存在だ)
と勇者は思った。
「おぉ。どこか知らんが街に着いたようだぞ。」と人里らしき地帯がみえてきたので見えた。
サタンはお金(魔力で出したものだろう。多分)で初めて買い物をして嬉しそうであった。
「ふふっ、どこの世界も対価を払わねばもらえないものだな!」
「へいへい」
と脱力しながら付き合う勇者。まるで大きな子供を相手しているようだ。
周りの好奇の目線を感じ辟易している。
この世界に来てからサタンは人間の姿で人の中で全く遜色なく混じっている。
これが異世界に恐れられている魔王だと誰も考える者はいないだろう。
魔王らしくなく魔王らしからぬ存在~「サタン」~
こうして魔王と勇者の滅多にない珍道中が幕を下ろすのであった。
元の世界に戻った後…。
「サタン!貴様!またこんな辺鄙な草原に置き去りにして。やはり殺す!」
と勇者は唸った。
「うるさいな。まだまだ時空の修復が完全ではないのだ。お前が来ると録ではない」
どこからか響くサタンの声。どこか楽しそうで困惑したような…。
異世界に戻った時、またサタンは勇者を置いて消え去ったらしい。
今回サタンの一面を見いだせたかな?見いだせてない!(怒)
初めて自分の作品を完結させました!
なんだかとてもへんてこ漫才させてしまいました。




