第1話 ブレインロット
えーと、時間がなかったので誤字は後日直します
誤字というか、ルビがそとにでちゃってます
あー。
スマホ、1ヶ月ぶりか。
溜まりきった通知を、ぼんやりとスクロールし、画面の動きを楽しむ。
読む気はない。
カーテンを開くと、夜。
正直、めんどくさいが、久しぶりに外に出るのも、いい気分転換になるだろう。
inゼリーの箱が溢れてるゴミ袋を足で退ける。
そして部屋着のまま外に出そうになって、日本では外に出る時は着替えなきゃいけないことを思い出した。
俺の世界の郵便受けにはいっぱいの紙が詰まっていた。
適当に掘り返すと5枚の赤い紙が目に止まった。
別に真面目に読む気もないので勝手に要約すると、
『現実と地続きの電動架空世界を世界政府が創った。全人類がこの架空世界に、3ヶ月以内にログインする必要がある』だ。
俺が一向にログインしないから、5枚も督促状が来てるんだろう。
最後に来たらしい赤紙には、
『このままログインしないなら、1週間後に家を訪問する』
という旨の内容があった。
Brain Rot
訪問は、困るか困らないかでいえば困るため、ここは大人しく従うアンガーマネジメントべきだと思った。
訪問すると書いてなかったら、行かなかったかもしれない。
アパートのドアを開けたら、夜道には人が居るはずだった。ここは東京都心だから。
だが、誰も居ない。
ひんやりとした空気が俺を迎える。
雨があがったばかりなのか、空気は湿り、地面は濡れている。
遠くのビルの濡れた壁が月の光を反射していた。
────誰も、居ない?
見える景色の中で光っているものは街灯や信号くらいで、ビルは真っ暗、家に温かい光はついていない。
普通の人なら、戸惑う光景だろうが、俺は違った。
「イイな……」
呟いて、階段を降り、赤紙の裏に書いてあった、最寄りの門ゲートへの地図を眺めながら、道を抜ける。
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東京駅が遠くに見える道を通り、見えたのは、『J-1』と、筆で大きく書かれた絵馬掛け絵馬掛け。それと、神社のような建物と、鳥居を模したアーチ。
どちらも、普通の神社ではありえないほど巨大だ。
特に、鳥居アーチは、有り得なかった。
まず、普通は鳥居をくぐって社やしろに近づけるが、ここは逆。社の奥に、鳥居がある配置なのだ。
社の奥から、巨大な鳥居が顔を出している。
俺は社に近づいた。
社には、窓口のようなものが沢山あった。
全ての窓口に、誰か……というより何かがいた。
恐らく、狐の形をした、機械だろうと思った。
7番窓口に近づく。
白と赤の、神社カラーのキツネが、窓から身を乗り出した。 キツネが口を開く。キバが覗き、歯と歯の間には銀色の糸が引く。
「こんばんは!では、手を差し出してください!」
手を?
「どうしてだ」
「すいません!もしかして、初めてですか?」
「あぁ」
キツネはニコリと笑った。
「なるほど、では、我が『Brain Root社ブレインルートしゃ』より、『Brain Rotブレインロット』の説明をさせていただきます!」
ブレインロット。
────価値が低いとみなされるネットコンテンツを見続けることで、頭がバグったような状態や、そのコンテンツ自体を指すネットスラングだ。
「『Brain Rot』は、現在、全人類が最も力を入れている、エンターテインメントコンテンツであり、仕事であり、"人生"です!」
キツネはパソコンのキーボードの上をカタカタと走り回り、エンターキーを右前足で踏み、表示されたサイトを俺に見せた。
「世界各地に、『Brain Portalブレインポータル』が設置され、『Brain Portal』をくぐることで、人間は『Brain Rot』を体験できる仕組みです!後ろの鳥居は、日本版『Brain Portal』なんです」
「よく分かんないな」
キツネはつぶらな瞳で俺を見上げた。
「まぁ、そうですよね!話を聞くより、体験してみた方が早いのでは無いでしょうか。お名前を聞いても?」
「波櫂はかい葉太郎ようたろう」
「波櫂さん!では写真を撮らせていただきます!」
パシャ。
「鳥居をくぐれば、また説明があるので、大丈夫ですよ!
あぁ、あと……」
「スポンサーは、"世界政府"です」
俺は7番窓口を後に、社の横を通り、鳥居に向かった。
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巨大だ。あまりにも。
家でも通れそうなほど大きい鳥居は、先の景色が見えない。
鳥居の内側は、光っているのだ。
太陽の光が鳥居を通して差し込んでいるような。
俺はその中に足を踏み入れた。
……Brain Rot。
俺はその言葉を反芻した。
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気がつくと俺は雲の上にいた。上の星空が綺麗だ。
白い煙のような椅子に腰掛けている。
……?なんだ、ここは?
俺が気がつくと同時に、空中に巨大な半透明の画面が表示される。
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【ステータス:ダイナ・ストレンター】
ランク:6492658167/6492658167位
(64億9265万8167位中64億9265万8167位)
レイヤー:Z
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「ダイナ・ストレンター」
俺が呟くと、
「この世界での貴方の名前です」と声が帰ってきた。
横から、女が歩いてくる。
「こんにちは。波櫂葉太郎様。これからよろしくお願いいたします。専用アシスタントの『アン』と申します。改名、変声、容姿の変更、種族の変更、性別の変更は、あなたのランクによって、できる範囲が決まっております。」
白い全身服を着て、青い瞳をしている。
どこか浮世離れしてるほどの美しさ。
「まず、あなたのステータスを診断します。ステータスは現実世界での地位、実力、功績が影響します」
軽い受け答えと、事実確認があった。
俺が生まれた時の話から、通った学校、俺のアパートをとった時の日付。
────全部、知られていた。
俺は現代はずっとずっと科学の進歩が進んでるんだなと思った。
「あなたのステータスを生成します」
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【ステータス:ダイナ・ストレンター】
レベル:1
魔力:1
力:1
身体強度:1
俊敏:1
知力:1
運:1
精神力:1
才能:–
ランク:6492658167/6492658167位
(64億9265万8167位中64億9265万8167位)
レイヤー:Z
▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁▁
……まぁ、ニートの俺には正確なステータスかもしれないが、ここまで数値化されて言われるとちょっと……いやなかなか傷つく。
「はぁー……」
俺がため息つくと、アンは意外に、慰めてきた。
「落ち込まずとも、大丈夫です。この世界では逆転が容易に起こりえますから。何せ、正しく努力すれば必ず報われる世界です。」
アンは目の前に座った。
そこにさっきまで煙の椅子はなかったが、いつの間にかそこにあった。
「あなたの"才能"を抽選します」
この世界にログインするということは、第2の生を始めるということで、生まれるということは名前を与えられ、才能を授かることだと言われる。
「あなたの才能は────。
────『娯楽』
です」
……なるほど。




