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04

次回、急展開の予感。

どれだけ歩いただろうか。

いくら歩いても終わりが見えない。同じ景色に、少し飽きてきた。

もしかしたら、死ぬまでここを出られないんじゃないか?

一瞬、そんなことがよぎる。

「いつか出られるだろ」

真っ直ぐ歩けば、いつか森から出られるはず。


ガサガサと、草を揺らす音がした。

その音は、僕の歩く音とは別のものだった。

立ち止まって、耳を澄ませる。

ーーガサガサ

草が揺れる音を聞き、僕は直感する。

「魔物だ」

さっきのオオカミか、それとも別の魔物か、その姿は、まだ見えない。

しかし、僕を獲物として狙っていることは、姿が見えずともわかった。

息を飲む、

徐々に音が近づき、影が飛び込んできた。

僕は、間一髪で避ける。

魔物の正体はやはり、さっきのオオカミだった。


間合いができた。

僕は右手を構え、力を入れる。

「あれ?」

しかし、いくら力を入れても、さっきの光は出てこなかった。

オオカミはヨダレを垂らし、唸りながら僕へ向かって、駆け出した。

咄嗟に背を向けて、走り出す。

さっきは恐怖で固まっていた体が、今は動く。

ふたたび飛びかかってくるが、木を盾にして、攻撃を避ける。


オオカミに向かって、右手を構える。

「くそ!」

やはり、何も起こらない。

このまま逃げていても、僕の方が先にやられる。

逃げながら、あたりを見回す。

長い木の枝が、落ちているのが見えた。

オオカミが飛びかかる。

滑り込んで避け、木の枝を掴む。


「ここまで来たら、やるしかない」

異世界に来た以上、魔物と戦うのは当然だ。

覚悟を決め、オオカミを見つめる。

所詮木の枝だ。剣みたいに振っても折れるだろう。

唸りながら、ヨダレを垂らし、僕を睨んでいる。おそらく、頭に来ているんだろう。


1歩ずつ、近づいてくる。

僕はじっと、タイミングを伺った。

なぜだろう。さっきは恐怖で震えてたのに、今は冷静に、ヤツの動きを追える。


「グルァ!」

その声とともに、僕に飛びかかってきた。

その瞬間。僕は木の枝を突き出した。

飛びかかったオオカミは止まれない。

突き出した木の枝は、オオカミの口を貫いていた。

木の枝に刺さり、動かないオオカミを見て、僕は思った。


ーー倒した

オオカミはピクリとも動かない。

僕が倒した。この世界に来て、初めて、自分の手で。

力がふっと抜け、座り込む。

「僕が、倒した」

出来損ないと言われた僕が、初めて何かを成し遂げた。

その喜びは、言葉に出来ないものだった。


ーーでも、なんで。

ふと、ひとつの疑問が浮かびあがる。

なぜ、光が出なかったのか。

右手を見つめる。木の枝の感触は既に無く、力を入れても、何も起こる気配はない。

あの時はなぜ、光が出たのか、何か発動条件があるのか?

考えれば考えるほど、疑問ばかり浮かび上がる。


「誰かが、助けてくれた?」

だが、その可能性は低い。

こんな広大な森で、人と出会うなんて、とんだ豪運の持ち主だ。

考えることをやめ、歩き出す。

拾ったこの命を、無駄にはしない。


「まずはここから出る」

この森から出た後に、助けてくれた人を探しても、遅くは無いだろう。

そう思い、足を早める。

「日が暮れる前に出れるかな」

そんな淡い希望を持ちながら、僕は終わりの見えないこの森を、歩き出した。

主人公すごーい!かっこいい〜!


第5話は今夜投稿します。

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