03
一体、何が起きたのかわからない。
目の前には、舌を出し、ピクリとも動かないオオカミ。おそらく死んでいる。
「僕がやったのか?」
わからない。でも、それ以外考えられない。
喉が痛み、右手は熱を持っている。
右手を見つめる。
なぜ光ったのか。その瞬間のことを思い出せない。
ただ、一つだけ、思ったことがある。
ーーここはどこなんだ?
現実とは思えない出来事に、頭の中は混乱している。
「落ち着け」
そう自分に言い聞かせ、息を整え、冷静に考える。
最初は、寝ている間に、家族が無理やり森へ連れてきたのだと思った。
だが、よく考えてみる。
そんな事をするだろうか?
出来損ないと言っても、子は子だ。
じゃあ、なぜ森の中にいる?
色々な考えが頭を巡る。
ひとつの言葉が思い浮かび、鼓動が大きく跳ねあがる。
ーー異世界?
わからない、本当にそうなのか。
だが、そう思ってもおかしくないだろう。
今までの出来事は、あまりに非現実的すぎる。
だが、本当にそうなら、なぜ異世界に?
色んな考えが思い浮かぶ。
僕が異世界に来たことに、意味はあるのだろうか?
「神様も、こんな出来損ないを転生させるって物好きだな」
僕は皮肉っぽく笑った。
こっちの世界では出来損ないじゃなく、普通に生きていけるかもしれない。
淡い期待が溢れる。
大きなため息を吐く。
「やれるとこまで、やってみるか」
決意を固め。そっと立ち上がり、これからどうするか考える。
「まずは、この森を抜けないと」
この森を出られない限り、普通の暮らしは無理だろう。
木々の間を見ても、出口らしきものは見当たらない。
「本当に出られるのか?」
おそらく、この森は広い。もしかしたら、ここから出られないかもしれない。
それに、問題は森だけじゃない。
あのオオカミみたいなヤツがまた出てくるかもしれない。
なんとなく、右手を握りしめる。
僕にはどんな能力があるのだろうか。
「チート能力?……なわけないよな」
僕はフッと笑い、森へと歩き出した。
メリークリスマス!みなさん良いクリスマスをお過ごしください。
第4話は今日投稿します。




