七話 余計な事を言われました
七話 余計な事を言われました
ライトハンドとレフトハンドはまったりしていたが、サイズは働かされていた。お粥の器を洗うためだ。キッチンではなく風呂場のカランでやったそうだ。滝のように落ちてくる水に苦戦しながらやり遂げたらしい。
見ていたの黒星だけだから、スミス姉妹は詳しく知らないのだ。その代わり洗い終わって濡れているサイズの身体を付け人のように甲斐甲斐しく拭いてあげたそうだ。
「風邪ひかれたら責任問題だしね」
「着替えはなんか血だらけのやつ着てたよ」
昨日エスパーダが貸したパジャマから例の飛行服に戻したらしい。
「姉御の逆バニーとかには手を出さなかった」
「後、Tバックも」
エスパーダの顔が一気に赤くなる。Tバックなんて初耳だ。
「切る!」
要の視線に気付いたエスパーダは電話を切ってしまった。
「エスパーダ」
「見せないからね」
「まさか……」
「履いてない! 電話かけないと」
エスパーダは再びライトハンドに電話をかけた。
「姉御、ひどいよ」
「電話を勝手に切るなんて」
「あんた等が変な事言うからでしょ」
「まあ、そういう事にしておくよ」
「それで僕等はゲームをやろうとしたんだ」
「そしたらクモが現れたんだ」
「僕等はパニックになったんだ」
「クモ……」
エスパーダは急に辺りを見回した。現場はこの部屋だったし、一頭とは限らない。敵はGだけではないのだ。
「そのクモはどこにいるの? まだ生きているんじゃないでしょうね」
悲鳴に似た声をあげた。スナイパーライフルは手元になく、不安なのだろう。クモは種類によってはGよりデカいものもいるので、要も警戒する。
「それは大丈夫さ」
「黒星が倒したんだ」
スミス姉妹は黒星のクモ退治を語った。