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三話 黒星に頼み事をしました

三話 黒星に頼み事をしました



 エスパーダも不快そうな顔で押し入れから出てきた。例のやつをやられたらしい。


「何なの。六時じゃん」


「サイズを預かるためにやってきたんだよ」

「感謝しても良いけど文句は禁止ね」


 エスパーダは一度サイズに向けて口を開きかけたが、やめて要を睨んでいる。


「出勤するからしょうがない」


「私は朝はギリギリまで寝てるタイプなの。後一時間は寝られた」


 いつも朝が遅いのはそのせいだったのか。


「だから要さんは朝から呼んだんだね」

「僕等なんとなく分かっちゃった」


「何よ」


「お前は作らない。要は作れない」


「黒星。なんでいるの?」


「俺は作れる。だからいる」


 黒星は鍋を誇示する。


「お粥か」


「懐かしいだろ」


油条(ヤウティウ)は?」


「作って来たさ」


「うん。ありがと」


 なんか二人は通じ合っている感を出され、要は不機嫌になった。


 油条は細長い揚げパンで味付けはされていない。お粥に浸して食べる物だ。


「ここは任せて、支度すると良い」


「はい。エスパーダ行こう」


「私、ちょっと黒星に話があるから」


 エスパーダに断られ、要はサイズを連れて洗面所へ。


「あの人、エスパーダの何?」


 サイズは興味津々だ。


 要はサイズに歯磨きをさせて、自分の知ってる黒星の情報を伝えた。


「元カレ? エスパーダってモテるんだ。アックスも好きだったし」


「でも俺と婚約してるんだ」


「そんなの弱いよ。婚約なんて破棄できるし。元鞘って言葉あるし」


 サイズは歯ブラシを口に入れたまま笑う。


「どこでそんな言葉を覚えてくるんだ」


「研究所で兎に教わった」


「あ、そう」


「胃袋をつかむってやっぱデカいよね。私も要のご飯好きだし」


「今のエスパーダの胃袋だってつかんでいるはずさ」


「良いなあ。エスパーダモテて」


「大事な一人に好かれてるほうが良いと思うよ。サイズは就君かな?」


「私は子供だから。だからここに預けられてるんだ」


 サイズは沈んだ表情になる。


 要は首を横に振った。


「実家にはコバンっていう猫がいる。エスパーダがそいつに襲われた事があってね。その事を能も知ってるから、就君は連れて行かなかったと思う。そして一人にしていくのは心配だからここに預けた」


「私は一人じゃ無理って事?」


「今はね。黒星師匠は料理が作れるし、ライトハンドとレフトハンドは武器のメンテナンスが出来る。エスパーダは……武器とか使える。サイズもそうなれば良いと思うよ」


 エスパーダの得意な事が一瞬思い付かなかったが、うまくごまかせた。サイズの表情に希望が現れる。


「うん。私も得意な事見つける」


 要は満足げに頷いた。



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