十話 銃をねだっていたようです
十話 銃をねだっていたようです
すぐに六発を打ち尽くし、サイズはつまらなそうな顔をしていたという。
「もっと撃ちたい」
「危険な思想だ。銃は使わないに越した事はない。お前は剣ってタイプじゃないから使わせただけだ」
「確かに剣は無理かな」
「手応えがあるもんね。Gとか」
それを聞いてサイズは身体を震わせた。
「練習するだけならモデルガンを勧めるよ」
「武器は誰かが傷付くしね」
二人は目でサイズがあけた穴を指し示す。
「銃はどうやって手に入れるの? 密輸?」
「どこでそんな知識を手に入れたんだい?」
「それは人間の話だよ」
「小人の武器は小人が作る。そいつ等も作れるぞ」
サイズは目を輝かせて二人を見たそうだ。だから二人はこう言った。
「タダでは作らないよ」
「お金あるの? お金」
サイズは泣きそうな顔をしていた。
それを聞いていて要は引っかかる事があった。
「今、銃作ってるんだよね?」
「うん、まあね」
「実は後から来た人間さんが払うって言ったんだ」
二人が名前で呼ばないという事は能ではなく、就だろう。
「まさかローン組むなんてね」
「しかも二丁拳銃だから倍だし」
詳しい事を聞こうとしたが、銃製作の仕事を盾にして電話を切られた。就か能から話を聞いたほうが良さそうだ。




