21.実は初めての戦闘
「よぉ」
サヴィチが声を掛けてるのはペルソナ。
「お前、強いらしいな。パピティアが言ってたし、一年前もあの莫迦倒すのに参加してたし、左腕折ってたし」
「……つまり」
「戦おうぜ」
「……(・□・;)」
「試合で良い。試し合いで」
言っている顔は楽しそうであり、おそらく早くやりたいのだろう。
不意打ちで剣を見舞ってやる。その剣身はサヴィチの肌を斬り、肉を断ち、内臓を割くことが――――、
「っ!?」
――――できなかった。
剣身は肌を斬ることはおろか、肌を傷つけることさえ許されなかった。
「拳闘士の體、舐めんな」
言葉と共に右手刀が飛ぶ。
咄嗟に後ろへ下がるが、その指先は喉元に突き刺さる。呼吸が止まり、動きが止まり、思考が止まる。その一瞬は決着をつけるのに充分であった。
惰性で下がる体に追いつくなど造作もないこと。サヴィチは連打を繰り出す。
肩、肚、鳩尾、胸、臂、膕、臑、顙、盆の窪。外され、砕かれ、割られていった。
意識などとうの昔に飛んでいる。
最後にサヴィチは顎を殴り上げ、決着。
「粘れよ、少しは」
そんな二人の前に姿を現したのはパームとアレイ、アベイト。
パームはにこやかな笑顔を見せている。アレイとアベイトは誰が見ても、同じことを言うだろう。あ、激怒しているな、と。
サヴィチが叱られたのは言うまでもない。




