46/53
15.圧勝男の覗き見
あー、なんてことだ。雪が積もっているじゃないか。足跡が残んないといいんだけど。
そんなことより、あと二日で新年か。今年は初めて戦争のなくなった年だから、過ごし方が分からなかった。もう少し模索してみるか。
さて、アイツの家の近くまで来たが、……いたいた。やはり外は寒いからな、家に籠っていたか。
……。
あいつ、何、手をプルプルさせているんだ? まさか!? 襲うつもりか!? どうする、助けに行くか? いや、あの娘何か持っているな。何だ。本? ちょっと古そうな本だな。
……。
あ、胡坐したアイツの上に座った。僕もしてほしいなぁ、羨ましいなぁ、くそ。本を読み耽ってないで、構ってやれよ。ほら、ちょっかい出されてる。
あ、読むの止めた。そうだよ、それでいいんだよ。構ってやればいいんだよ。
あ、放り投げ……た……!?
危ない。出ていくところだった。
お、雪合戦を始めた。
…………そろそろ帰るか。
「もう、一年が終わるな」
トラウンスの呟きは再び降り始めた雪と混ざり融けていく。




