7.両想いの片割れ少女は夢をかなえたい
セイバー達は分かっていても何も言わないでいてくれているようだ。有難い。
手に持っている斧は少し使い込まれており、綺麗に磨いても刃毀れが気になってしまう程だ。
シュドの右手を飛ばしたこの手斧は両思いであったトマホークの形見である。
鋼に映る自分の顔はどこか悲しげである。
「トマホーク? 私はどうしたらいい? お前の敵討ちを果たした、でも、自殺する勇気もない」
もう一度不安を口にする。
「どうすればいい?」
「生ければいいんじゃない?」
「ほぇあ!?」
跳び上がり、声の主を見ると、そこにセイバーがいた。
「せ、セセセ、セイバー!?」
「そんなに驚かないでよ」
セイバーは柳眉を不満気に曲げる。
「叩いてよ」
「叩いたわよ?」
ラントは頬を膨らませる。
「生きろって?」
「えぇ。自殺なんて、トマホークだって望まないでしょ? あと私の夢見が悪くなる」
「そう、かな」
「トマホークは悲しそうな貴方より、嬉しそうに笑う貴方の方が好きだったじゃない」
「そう、だよね」
ラントの笑顔が鋼に映る。
トマホークはラントの笑顔を望み、ラントはトマホークの望みを叶えることを望んだ。




