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5.最美で最高で最速の剣技

 パイクと結婚して十五年。水晶婚式だし、水晶の製品が目に止まってしまう。

 一年目の紙、二年目の藁、三年目の革、そこから花、木、鉄、銅、護謨、陶器、錫、鋼鉄、絹、線帯、象牙、それぞれの製品をくれた。


 しかし、最近パイクに剣の腕が悪い云々言ってしまった。怒らせてしまったかもしれないし、私から渡して仲直りを。

 そんなことを考えていると、前からラントが歩いてきた。


「セイバーじゃん。そんな悩んでどうしたの?」

「じ、実は」


 包み隠さずすべてを話すと、笑われるかと思ったが、そんなことはなかった。


「渡せばいいんじゃない? パイクだったら許してくれるって」

「そ、そうよね。深く悩みすぎてしまっていたわ」


 パイクの髪の色である燃えるような赤い色の水晶を購入する。

 ラントと家に帰ると、仕事を終えたパイクがいた。


「「あ、あの」」


 声が重なる。

 次には二人同時に贈り物の箱を取り出す。


 ラントは笑いを必死にこらえているのが分かるが、今は無視する。

 箱を開けると、そこにはセイバーの髪の色と同じ刈安色の水晶球。

 ラントが腹を抱えて大笑する。


 もう無視できない。


 恥ずかしさに顔を上気させながら、照れ隠しに細剣を抜き、ラントの周りの空気を裂く。

 その剣技はあまりにも美しく、過去最高の出来であった。公式記録を遥かに凌駕する速度であったのは誰も気付けなかった。

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