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マッドサイエンティスト、助手を実験台にする。しかし発想が小学生

作者: しいたけ
掲載日:2021/12/03

 地下の実験室で、一人の男が柱に縛られていた。


「我が英知の結晶とも言える最高傑作が……ついに!」


 白衣を着た女マッドサイエンティストが、怪しげなボトルに入った茶色の液体を掲げ、高らかに笑い声をあげている。


「おい! 今後は何をする気だ⁉」

「我が英知の礎になれる事を誇りに思うがいいぞ、助手クン?」

「おい! 中身はなんだそれ!」


 笑いながら、女がボトルを振った。


「雑草と落ちてた木の実を潰して泥水に入れたやつ」

「どこが英知の結晶だ!! 小学生がやるやつだろ⁉ それも低学年が!」

「ちゃーんと、猫じゃらしも入ってるぞ?」

「だから低学年だってば!」

「セミの抜け殻も三つ入れてやった。完璧だな」

「完璧に小学生だよ!」


 ボトルの蓋を開け、女が静かに匂いを嗅いだ。


「くっせ!! マジくっせ!! 終わってんな!!」

「だからリアクションが小学生だってば! それも中学年の!」

「やっべ!! 渋柿入れようぜ!」

「しれっと謎素材を追加するな!!」


 ボトルを近くのテーブルに置くと、女はプラスチックの細い棒を取り出した。


「なんだそれは?」

「アサガオの鉢植えの支柱」

「小学生!! それも一年生の!!」

「必ず帰り道でチャンバラするよな」

「やったけどさ! けどさ……!!」


 ──と、時計の針が十二時を過ぎた。


「…………」

「うん? 諦めたか? ヘビの抜け殻も入ってるから安心しろ」

「……今日さ、誕生日だよな?」

「お? おお。そう言えばそうだな」


 カレンダーを見て、女は嬉しそうに笑った。


「……プレゼントがあるんだ」

「ほうほう。助手クンにしては気がきいてるな」

「俺のバッグの中。袋が入ってるから開けてみ?」


 柱の傍に置いてあったバッグから、可愛らしい猫が描かれたビニール袋を取り出した。

 軽く、そして形的にもすぐにそれが本だと分かった。


「ふむ。何の本かな?」


 ビニール袋を開ける。女は中身を取り出すと、言葉を失った。


「ウチにあった昔の漫画の四巻だ」


 古ぼけた、中古ショップでも買い取ってくれなさそうな、名前の入った漫画が一冊。


「小学校でやったお楽しみ会のプレゼント交換か!!!!」


 女が声を荒げた。


「三十五歳、誕生日……おめでとう。」

「ありがとう!!!!」


 ボトルを掴み、女は強く本体を押した。

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 助手が悪いw [一言] 最後の一押しを押したのは助手!
[一言] 逃げ出してヒーローになった暁にはハンドルの間にプラスチック製の光ったり音がなったりするパーツの付いた補助輪付きのマシンをカッ飛ばして欲しいです。
2021/12/03 23:45 退会済み
管理
[良い点] おい!牛乳ふいた雑巾の汁も入れようぜ! 的なやつですね。よくわかります笑 最後! それ自分にかかるやつ!
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