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サークル活動は、波乱の予感?2


Aチームには神風とマーサ、Bチームには大河とルリと夢姫が振り分けられた。レフリー役は剛力だ。


「振り分けが終わったので、これから練習試合をします。AチームとBチームはこの場に残ってください。

CチームとDチームは一旦コートから出て待機していてください。それじゃ、移動をお願いしまーす!」


メンバーの振り分けが終わったため、剛力は声をかけて移動を促した。


(結局大河さんには神風さんのこと誤解されたままだし、なんとなく気まずいな。でも、今回はルリさんも一緒のチームだし、とりあえず他のメンバーにも声掛けしとこ。)


「みなさん、よろしくお願いします!」


「ゆめちゃん、よろしくね。」

「よろしくお願いしまーす。」

「はい、よろしく〜。」


皆で軽く挨拶した後、ルリが大河に話しかけた。


「大河君、今日のポジションはどうする?ゆめちゃんはまだ初心者だし、ピヴォがいいんじゃない?」


「あ〜、そうだなぁ。じゃ、ゆめちゃんはピヴォで。

ルリさんはゆめちゃんと仲がいいみたいだし、アラでフォローしてやってよ。残りはどーすっかなぁ。」


チームメンバーの男性二人が話に加わった。

ちなみに二人ともフットサル経験者であり中級チームに所属している。


「あ、俺、ゴレイロでいいよ。」

「じゃーフィクソで。」


「じゃあ、残ったアラは俺な。」


用語が分からない夢姫は、申し訳なさそうにルリに話しかけた。


「……あの、すいません。ピヴォってどの位置ですか……?」


「あぁ、ごめんね!前回試合した時と同じ、相手のゴール前にいてもらえる?ちなみに、ピヴォはサッカーに置き換えるとFWの位置ね。私と大河君のアラはMF、フィクソはDFで、ゴレイロはGKよ。」


「そうなんですね。わかりました!」


「なるべく私がパスを回したりフォローはするけど、取れそうなボールは積極的に取ってみてね。」


「はい、頑張ります!」


剛力がコート内のメンバーに向けて声を掛けた。


「先攻後攻決めるから、誰でも良いので一人づつこっちに来てねー!」



ーーーーーーーーーー



コイントスの結果、先攻はAチームとなった。

Aチームのメンバーを見た大河がボソリと呟いた。


「今日の敵陣には神風とマーサさんがいるよ。おー、こえ〜。」


メンバーが散らばる前だったため、大河の呟きがしっかりマーサにも聞こえていた。


「ちょっと大河くん、こっちにも聞こえてるわよ。」


「あ、やべ。マーサさん♡今日もご機嫌麗しゅう♡」


「あんたね、試合前にそーやっておちょくるのやめなさいよ!ほんとムカつく奴!後で覚えときなさいよ!」


(……あーあー、またこの2人始まったよ……。)


ゲンナリした様子で二人を見ていた夢姫だが、ふとマーサの後方にいた神風と目が合った。


(わわっ!目が合った!)


お泊り事件やキスマーク疑惑から、なんとなく気まずい思いをしていた夢姫は思わず視線を逸らしてしまった。

そんな二人を、まるで品定めでもするかのような鋭い眼差しで観察するアノ人物に、夢姫はまだ気付いていなかった。



ーーーーーーーーーー



ピッ!

試合開始のホイッスルが響く。

先攻はAチーム。ボールを持った味方がマーサへパスを回す。マーサは敵のガードを一気に突破しようとダッシュをした。しかし、大河がそれを阻み、あっけなくボールを奪われた。


「……あっ!」


大河はマーサからボールを奪った後、ゴールに向かって駆け出した。


「っしゃあ!このまま得点ゲット!」


大河がシュートを決めようとゴールまで一気に距離を詰めてきたが、神風がそれを阻止してきた。


「ちっ、邪魔者の登場か。」


大河はフェイントをかけて神風のガードを抜けようとする。


「ボールは貰うぞ。」


大河のフェイントを見抜いた神風は、無駄のない足捌きで的確にボールを奪った。


「……くそっ、下がれ下がれー!」


ボールを奪った神風は颯爽とグラウンドを駆け抜ける。大河達のプレーに油断していたBチームのメンバーは出だしが一歩出遅れた。

神風は油断してガードがガラ空きになっていた場所を瞬時に見付けると、そこから一気にシュートを放った。

ザシュ!!

そのままゴールが決まり、得点が入った。


「……先越されたか。」


一部始終を見ていたルリが神風に声を掛けた。


「大河君、ドンマイ。次狙ってこ。」


試合は大河のキックインから再スタートを切る。

大河からルリへとパスは回り、ルリはドリブルしながら敵陣へ突っ込む。夢姫はルリに並走する形で、必死に食らい付く。


(ルリさんに付いていけばパスが回ってくるかも……!

前回は散々だったけど、今度はシュートを決めて見せる!)


「……ゆめちゃん!」


「はいっ!」


ルリからパスを回された夢姫は、なんとかボールを受け止めた。


(よし!今度こそ!)


夢姫は渾身の力を込めてボールを蹴り上げた。


「ふんっ!」


前回神風が指摘してくれたとおり、積極的にボールに向かうよう意識した夢姫は、うまくボールとの距離が縮まり、足がしっかりボールに当たった。

ガシャッ!!!

ネットにボールが当たる音が響く。


(……や、や、やったぁ!入ったあぁぁ!!)


「は、入りましたっ!」


「ゆめちゃん、凄いじゃない!ナイシュー!!」


ルリが夢姫に駆け寄り、すかさず労いの言葉をかけた。他のメンバーも寄ってきて称賛の声をかける。


「ゆめちゃん、ナイシュー!」

「ナイシュー!いい蹴りだったよ。」


大河も夢姫に声をかけてきた。


「ゆめちゃん、やっるぅー!前回よりボールとの距離が上手く縮まるようになってんじゃん。さっすが、神風先生との、マンツーマンレッスン♡の成果だねぇ。」


(……げげっ!よりによってみんなの前で何言ってんのコイツ!!)


「ちょっ!大河さん!」


それを聞いたルリが反応した。


「え?ゆめちゃん、神風君と二人で何か練習でもしてたの?」


「へっ!?いや、あの、その……。そ、そう!神風さんが前回試合後に個別にアドバイスをくれたんです!それのことですよ!あは、あははは……。」


「そうだったんだ。確かに神風君って周りをよく見ているし、アドバイスも的確だよね。」


「そ、そうなんです〜!だから以前より上手くなったのかも〜!」


(……ほっ、何とか切り抜けられた。それより、大河さん!後で覚えてろよ!)


大河はニヤニヤしながら二人のやり取りを眺めていた。



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