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歓迎会の、その後3


「大河、お前も来ていたのか?今日はお前のチームとの試合じゃなかったはずだが……。」


「剛力さんが仕事でトラブルがあったらしくて、俺は急遽助っ人で駆り出されてきたんだよ。久々に何もない休日だったから寝てたのに、電話で叩き起こされてさ。ったく、人使い荒いよな〜あの人。」


「そうか。剛力さんも大変だな。」


「そ・れ・よ・り!!お前、なんでゆめちゃんと一緒なの?やっぱり2人とも付き合ってんだ?シレッとした顔して、神風やるねぇ〜。」


「ちげーよ。ちょっと事情があってゆめちゃんと一緒にいただけだ。」


「……ふーん?ゆめちゃん、昨日と服が一緒だけど?

あー、やだやだ。これだからムッツリ君は。」


「誤解だよ。迷惑だから余計な詮索はするな。」


「へいへ〜い。そーゆー事にしといてやるよ。……あ!ゆめちゃん、練習試合観に来たんでしょ?グラウンドのベンチ、あっちにあるから座って観たら?」


「大河、ゆめちゃんはこれから帰るところだから観戦はしない。僕の用事に付き合ってもらってここに来ただけだ。」


「あ?そーなの??予定があるならしゃーないけど、もし何もないなら観戦してきゃいーじゃん。神風がチビ達相手に熱血指導してるところも見れるぜ?」


「……お前は、余計な事を。」


「私の予定はありませんが……。神風さんの迷惑になってしまいませんか?」


「神風の心配するなんて優しいねぇ。コイツなら問題ないっしょ。オーディエンスがいた方が気合い入るんじゃね?じゃー、俺は先にグラウンド出てるから。ゆめちゃんも一緒においでよ。」


「わわっ!」


大河は豪快に夢姫の肩を抱いて歩き出した。


「ちっ。大河のやつ、勝手なことを……。」



ーーーーーーーーーー



休憩室を出て、グラウンドに出てきた大河と夢姫。久々に見るサッカーコートに夢姫は思わず声を上げた。


「わぁ!!やっぱりサッカーコートは広いですね!」


「ははっ!そりゃあ、フットサルのコートより断然でかいよ。そーいや、俺がちっさい頃もサッカーコートって、すっげー広く感じたな。でも、大人になったら意外とそうでもねぇなって思ったもんだよ。」


「大人と子供じゃ、目線の高さが違いますもんね。」


「そそ。それにプレイヤー側から見るコートと、コーチの立場からみたコートの広さもまた違って見えるんだ。不思議なもんだよな。」


「実際にプレーする側だと、また違った印象があるんですね。分かる気がします。」


「……ねぇ、突っ込んだこと聞いてもいい?」


(……う、やっぱり神風さんとのこと聞かれるかな?)


夢姫は思わず身構えた。


「何でしょうか?」


「あーいや、そんなに硬くならないでよ。別に根掘り葉掘り聞こうとしている訳じゃないんだ。ただ、神風がグラウンドに女連れで来るなんて今までなかったからさ。」


「そうなんですか?」


「あいつ、パッと見イケメンじゃん?だから色んな娘が寄ってくるんだけど、まー色々あってね。それからは女と無縁の生活をしていたはずなのに、ゆめちゃんだけは付きっきりで指導したり、グラウンドに連れてきたりしてるから、ちょっと興味があって。」


「そう……なんですか。」


「アイツと、付き合ってるわけじゃないの?……もしかして、セフレ?」


「へ!?セ、セフレ!?ち、違いますよ!」


「あれ?違うの??」


「神風さんとは本当に何もないんです。昨晩、私が酔って駅のホームで熟睡して起きなかったから、神風さんが自宅に泊めてくれただけなんです。」


「なーんだ。やっぱり、そーゆーことねぇ。」


「いやいやいや!泊めてもらっただけで本当に何もないですよ!」


「ゆめちゃん、鏡見てきた?首筋んとこ。そんなん見せ付けられちゃ、こっちも色々ツッコミたくなっちゃうよねぇ。」


大河はニヤニヤしながら自分の首筋を指差して、キスマークを指摘してきた。


(……はっ!!確かに今朝鏡を見た時、首筋が赤くなっているなぁとは思っていたけど。キスマーク!?そんなはずない!!……でも、昨晩の記憶もない。)


「えっ!?こ、これは!……違う、と思います……。」


「ふーん?ま、そーゆーことにしておくわ。」


しばらく雑談をしていると、子供達がやってきた。


「あ、チビ達だ。わりー、ちょっと席外すわ。」


そう言い残し、大河は徐に立ち上がり、子供達の元へと歩き出した。


(なんか大河さんに誤解されたままになっちゃったな。

それにしても、首筋の赤いアザ……。あれは本当にキスマークなのかな……?)


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[一言] お、これは匂うぞ......!
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