表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想★マテリアライゼーション!  作者: 0024
第二部 幸せライフと偽(にせ)ワイフ
40/48

アンタは良くやってると思うわ

「は?そこまでマゴリアに言われて何もせずにいるのかい?君、本物の馬鹿なのかい?」


「え、パパ、それもう実質的にオッケーって言われてるんじゃないの……?大丈夫?」


 マゴリアに俺の恋心を気付かれたっぽい事、俺からの告白を恐らくは『待ってる』と言われた事をシェリルさんとマリルにポロッと漏らした結果、お前マジかよみたいな反応をされた。

 因みに言われたタイミングは別々である。わざわざ二人をひと所に集めて相談なんてアホな事はしていない。

 まあ、この話を漏らしてる時点でアホだと言われればぐうの音も出ないが。


 それから二人に言われたことは似たり寄ったりで、はよ告白しろ、という感じであった。


「んな事言われてもなあ……」


 当のマゴリアが急かさないし、俺は決定的な関係の変化を今もたらす必要性を感じていなかった。

 甘い、と言われるかも知れないが。


「あのねえオスオミ君……そんなの、レトリックに決まっているだろうが。マゴリアは口ではそう言いつつ君の告白をいち早く聞きたいからこそ、わざわざ気付いた事を目の前で言ったんだろ?いい加減にしたまえよ、まったく」


「パパ、本気でママがいつまでも待っててくれるなんて思ってたら、お爺ちゃんになっちゃうよ?私は別に良いけど、ママがホントにそれで良いと思ってるとは、流石のパパも思わないよね?」


 俺がなおも告白する勇気を持てずにいると、外野(というには相談し過ぎたが……)である二人からはボロクソに言われた。


 うう、言うべきなのか?

 マゴリアが慌てなくて良いって言ってくれてるように感じるのは俺の勝手な思い込みなんだろうか。

 悶々としながら俺はベッドでゴロゴロと寝返りをうちまくる。


「……せめてキッカケが欲しい……俺が自信を持ってマゴリアに言えるだけの、強いキッカケが……」


 そうだ、魔法の習得。


 俺は思い当たる。

 最近マリルから少しずつ教わって、やっと全身を巡る魔力をしっかり自覚できるようになってきた所だ。

 そろそろ、超自然系魔法(いわゆる、炎を出したり氷を出したりするやつだ)の習得に向けてテキストを読み始めて、実践修業を始めようか、という段階にまで来ている。


 でも、そんな初歩的な魔法の習得でマゴリアと対等になれたと言えるだろうか?

 そんな俺の不安は、ひとつの言葉を思い出す事で少し和らぐ。


『へえ、ちゃんと段階踏んでキッチリ上達してるのね』


 俺がマリルから料理の勉強を教えて貰って、少しずつではあるが上達を見せた時にマゴリアが食卓で言った一言だ。

 マゴリアは、自分自身がそうであった事も関係しているのか、努力がすぐに実を結ばなくても、失敗しても、確実に一歩ずつ研鑽を積み重ねていく事、改善を続けていくスタンスを是としているようだった。

 それはすぐに結果を求められがちだった俺の日本での人生に較べて、あまりにもゆっくりで辿々しいものだとは思う。

 むしろ、この異世界においても割と異端気味な所があるかもと思えるくらい、マゴリアの堅実な性格は『焦らない』事に拘っているように思う。


「……とにかく一つでもいい、何か魔法を習得して、自信につなげよう……。それが出来たら、俺は……」



 マゴリアに、告白しよう。



 そう心に決め、今日のところはゆっくりと休もうと誓うのだった。


 ◇


「4本目の精製はできてるから、また2週間後に精製試して、そのタイミングで納品ね。このペースで継続できれば、1年間で20本の納品はカタいと思う」


 マゴリアはそう言って今後の精製計画を立てる。


「烈風の剣以外も作りたいよな。ホラ、俺がスランプの時に言ってた水属性の水竜の剣とかさ」

「剣にだけ拘らなくても良いしね。色々試してみましょうか、次辺り」


 俺たちは伝説武器の安定的供給が可能になってきて、こういう話も結構細かくするようになった。

 魔法についてマリルの教えのおかげで断片的な理論を理解し始めたので、マゴリアの話について行けるのが嬉しかった。

 そしてその喜びがもっと魔法の学習を頑張ろうと思えるようになる意欲を生み出すという、良いサイクルが出来上がっているのだった。


「オスオミ、最近は魔法の理論の話もちゃんと聞いてくれるから話しがいがあるわ。マリル先生さまさまね」

「いやーマジでマリルの教え方、上手いからな……」


 下手したらマゴリアより上手いかも。

 マゴリア、時々熱が入り過ぎて難しい用語を連発するタイプだからな……。

 そこへ行くとマリルは、俺が初心者だからという事をキッチリ留意して、俺の理解度に合わせて丁寧にレクチャーしてくれる。


「そろそろ超自然系魔法も扱えるんじゃない?」


 そう。

 俺は連日、自分の魔力で小さな炎を出す呪文の暗記と復唱、そして集中して火を放つ修業をしていた。

 もうそろそろ2週間くらい経過するだろうか、まだ炎は一度も出せていないが、少しずつ魔力のコントロールは上達しているよ!とはマリルの弁である。


「もうちょっとで出せそうなんだけどな。まあ、素人の俺が魔法を扱えるようになるなんて無理だと思ってた頃に比べると、かなり上達はしてきたんだ」


「頑張ってるわねえ。正直言うと、年単位でかかるかもと思ってはいたんだけど」


「マジかよ!?」


 マゴリアはサラッと衝撃的事実を口にした。

 そんなにかかる課題だったのかよ……遊び感覚で、とか最初は言ってたけど、あれ完全に俺を乗せるための軽口だったんだな。


「魔力あっても一生魔法を扱えない人なんてザラだしね。アンタは良くやってると思うわ」


 相変わらず、そんな風に衒いなく褒めてくれるマゴリアの心遣いに俺は嬉しくなり、もっと頑張ろうと思えるのだった。

妄想★マテリアライゼーション、40話!


ここまで続くと思わんかったなあコレ。


いよいよ雄臣君がマゴリアへの告白準備を着々と整えてますよ。


じれったいと思うのは僕自身もそうなので、読者目線と作者目線がシェリルとマリルだと思ってます。


雄臣君やマゴリアは、これでも至って真剣なんだけどね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ