ママだって誰か他の男の人になびいちゃうかもよー?
「だからね、パパはもうちょっとママに対してエッチな意味以外で積極的になるべきだと思うの」
「エッチな意味で積極的になれたこともないよ!?」
マリルが俺に滔々と諭すという事が先日の収穫祭デート後に増えてきた。
今日もまだ収穫祭は続いていて、3人で仲良く家族デート的な過ごし方をして幸せに浸っていると、マリルはそんな風に首を突っ込んできた。
マゴリアは周りの店や芸人に夢中で気付いていないっぽいが。
「ほんとに~?初対面でママの……お胸を揉んだ、って聞いてるけど」
「それはだから、夢だと思ってたんだって……」
くそう、ファースト・インパクトが悪すぎだよな。
俺、あれ以来マジでマゴリアに対して直接スケベな事してないんだぞ。
エッチな視線を向けたことは何度もあったけど、例の『妄想消失事件』にともなう俺の泣きつきという情けない姿を見せてからと言うもの……実は俺、一度もマゴリアに性的な視線を向けていない。
夜のオカズには……ごめん、それはしてるけど、とにかく直接的にマゴリアにそういうアプローチはしていないのだ。
「まぁここはパパの言い分を信じてあげましょう」
「マリルほんと最近俺に遠慮なく言うようになったね……嬉しいやら悲しいやらだよ」
マリルも例のお風呂覗き事件(だからアレは事故なんだけどな!)からズケズケと言うようになってきて、なんつーか、俺達の関係、距離感が凄く縮まっている感じはある。
でも。
「パパ、正直なところママに対してはどういう感情なの?結婚したいとかなの?もう実質、してるようなものだとは思うけど……」
「グイグイ突っ込んでくるね……まぁ、そうだよ。正直言うと、ちゃんとした夫婦になりたいけど」
俺がそう言うとマリルは肩を竦めて呆れた。
「それ、言っちゃえばママ、多分すぐにコロッと行くと思うけどなあ」
「お前の目から見てもそうなの……?マゴリアそこまでチョロくないと思うけど……」
「お前の目から見ても?」
失言。
『マゴリアはチョロい』というのは、シェリルさんの言葉だった。
と、俺達がそんな風にいつまでも内緒話をしていてもマゴリアに不審がられそうなので打ち切る。
「まぁ、おいおいマゴリアには告白して、ちゃんと結婚を申し込むよ」
俺はそう言ってマリルの話を終わらせようとしたが、マリルは言う。
「そんな風になあなあで過ごしていったら、ママだって誰か他の男の人になびいちゃうかもよー?」
ぎくり、と俺は胸を突き刺されたような気持ちになる。
……そりゃあ、そうだ。
マリルの言うことも尤もである。
マゴリアだって、別に俺だけが世界で唯一の男、って訳じゃない。
まして今の関係は、俺の妄想がマゴリアの魔法にピッタリハマっている、ってだけで成り立ってるようなもんだ。
故に、いくら同棲してて家族ごっこ、まるで夫婦、というような関係に見えても……
『ちゃんとした男女関係』に発展していない以上、逆転劇はあり得る。
そんな男の影は、マゴリアからは聞いたこともないが……。
「う……肝に銘じておく」
俺はマリルの言葉をしっかりと胸に刻んで忘れないようにしようと心に誓いつつ、マゴリアに声をかけて家族ぐるみの収穫祭デートの続きを再開するのだった。
◇
収穫祭デート2日目を終えた夜。
涼しげな秋の夜風に頭を冷やされながら、俺は自室で独りぼやいていた。
「デートに誘っただけでも十分積極的になったつもりなんだけどなぁ……」
そう、俺としては(キスも何もなかったけど)十分これで進展したつもりだった。
しかしマリルの裁定としては『全然甘い』みたいな感じだった。
厳しい、と思いつつ、とはいえマリルの意見は確かに一考に値するものだった。
特に、
『そんな風になあなあで過ごしていったら、ママだって誰か他の男の人になびいちゃうかもよー?』
という部分である。
「他の男なぁ……マゴリア、そういえば誰か意中の相手なんかいるのか?全然そういう雰囲気感じなかったけど」
考え出すと嫉妬にかられてしまいそうなので、なるべく具体的な妄想はしないでおく。
楽しくない妄想はしない主義なのだ。
「考えてもしゃーねーな。訊いてみるか」
俺は明日マゴリアに訊いてみよう、と思い、今日の所は寝るのだった。
妄想★マテリアライゼーション33話!
収穫祭編、その2です。
家族デート……というか、マリルが雄臣の煮え切らない態度に苦言を呈する回。
マリルはこの様子だとヒロインレースには参加しないっすね。
うん、まぁ、パパママ言い出した辺りからそういう倫理に触れそうな展開は(僕の妄想の中以外では)しないことに決めたんで、しゃあないっすね。
せっかくの金髪巨乳エルフ設定が殆ど活きてないなぁ!ビジュアル化すれば大分違うのかもだけど!




