表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想★マテリアライゼーション!  作者: 0024
第一部 妄想癖と幻想具現化
20/48

お帰りパパ、ママ。お仕事、大成功だったのね

「お帰りマゴリア、どうだった?」

「すっごく喜んでもらえたわ!ただ、その、ね」


 俺たちが精製に成功した中〜上級の伝説武器『烈風の剣』を王宮へ上納して検分して貰ったところ、あちらでも反応は上々、これからも継続して武器の生成に励んで貰いたい、との言葉を貰ったらしい。

 しかしマゴリアの表情は少し浮かなかった。


「なんで?マテリアルも新たに貰えて、何も言う事ないじゃないか」


 俺は不思議に思って尋ねてみた。


「その、使用回数の制限とかはないのか?って訊かれて。……ええと、それは分からないです、って言っちゃった。迂闊よね」


 ああ……それは確かに検証してなかったな。


「一応ね、王宮にもあたしが使ってるのと同じ魔力計測具があったから、試し斬りで減ってないか魔力を見たの。多分減っていない、って言えるレベルで誤差の範囲の目減りだったんだけど、あたし精製成功に興奮しちゃって、うっかり剣だけ持って行って、こっちで計測した記録を持っていくのも忘れたでしょ?だから心証悪かったかなーって」


 意外と心配症な所を見せるマゴリア。魔道士としては優秀、なんだっけな。こういううっかりした事を反省できるのは彼女の美点だろう。

 俺は彼女を励ますように言った。


「些細な事だろ。伝説級の魔法具を上納した功績の方が大きいと思うけどなあ」

「王宮の仕事なんだからそうは行かないわよ……ま、多少査定には響くと思うけど、手付金でこれだけ貰えてるし上等よね」


 軽く落ち込む様子を見せたものの、マゴリアは気を取り直す。そして、ジャラリと重々しい音を響かせ、マゴリアは俺に手付金の入った皮袋を開いて見せてくれた。なんとそこには、今まで見たことのない量の金貨が入っており、燦然と煌めいていた。


「すご……これ日本で換金したら、暫く遊んで暮らせそう」

「させないわよ?」

「冗談だよ。でもホント、手付金でこれなら大成功だな」

「そうよね!マテリアルもこんなに貰えてたし、次も頑張りましょう!」


 マゴリアはいつもの元気を取り戻し、俺に言うのだった。

 俺も頷き、改めて気合いを入れ直す。


 マゴリアのためにも、もっともっと妄想レベルに磨きをかけなきゃな……!


 ◇


「お帰りパパ、ママ。お仕事、大成功だったのね」


 マリルは俺たちの様子を見て察したようだ。


「ただいまマリル!そうなの!ママの作った剣がね、すっごく評価してもらえて!ちょっと報告は失敗したけど、ほら、こんなに!」

「わ、凄い!今夜はご馳走にするね」

「マリルのご馳走、楽しみだな」


 最近ますます料理の腕が上がり、本家であるマゴリアを超え始めているマリルは、すっかり俺たちの胃袋の管理人となっていた。

 それから俺は食材の買い出しにマリルと共に向かい、マゴリアは研究成果のレポートを改めてまとめていた。

 帰宅してマリルの料理が出来上がる間、俺はマゴリアの手伝いをして過ごした。

 やがて夕餉の時間になり。


「パパ、ママ、ご飯できたよ〜。今日は張り切りすぎちゃった!」

「すっごいわね。あたし、多分こんなに美味しそうな料理、作れないわ」

「マリルの成長には驚きだよな。いただきます!」

「あ、こら!フライング!」

「もう、急がなくてもご飯は逃げないよ、パパ」


 俺たちは仕事成功のお祝いとしてマリルのご馳走を家族3人で食べ、至福の時間を過ごすのだった。

妄想★マテリアライゼーション!20話をお読みいただきありがとうございます。

烈風の剣、上納の巻。

回数の制限とかはどうしようかなと思ったんすけど、まあほぼ無制限の設定で良いかなと。

でも思いついちゃったからマゴリアの台詞に入れただけで、目減りしたからこの仕事はダメねー、とかは無しにしました。そうするほどの意味はないというか、そこは主題じゃないんで。


少しでも本作を応援したいと思っていただけたなら、

ブックマークや評価をしていただけると嬉しいです。


評価は画面下の「☆☆☆☆☆」から入れることができます。


「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしてくれたらすごく嬉しいです!


皆様からいただける応援が、執筆する上での大きな力になっています!


何卒、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ