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妄想★マテリアライゼーション!  作者: 0024
第一部 妄想癖と幻想具現化
2/48

女魔法使い

「……という夢だったのさ、って事にはなんない?」

「なる訳ないでしょう反省しなさいこのドスケベ異世界転生者!!」


 夢だと思ったんだからしょうがねえだろ、と思いつつ俺は目の前にいる女魔法使いに謝る。

 あと俺は死んでねえ。トラックに轢かれたりしてねえ。まあ、眠ったまま死んだ可能性もなくはないだろうけどさ。


「ごめん。で、俺は一体なんでこんな……アニメみてーな世界にいる訳?君が召喚したってさっき言ってたけど、なんか俺が呼ばれるキッカケでもあったの?」


 俺は一息に尋ねる。


「な……何よアンタ、異世界から来た割に理解早いわね……そうよ、あたしがアンタを呼び寄せたの。そこにある召喚の魔法陣でね」

「ふーん」


 俺は召喚の魔法陣とやらを観る。

 ん?そこに、見覚えのある文字列がある。


 #tenseisitai


 ……俺が『さえずったー』に投稿した転職タグ……の、誤タイプしたタグだ。

 tenseisitai、てんせいしたい、転生したい………………………………


「マジで!!?」


 じゃあ俺、マジで異世界転生者としてこの世界に呼ばれたの!?

 ていうか、現実世界のSNSのハッシュタグが異世界転生の扉を開くなんてパターン、初耳だぞ!!


「マジよ。アンタはその魔法文字によってこの世界と共鳴し、その『能力』を見込まれてアタシに呼び出されたって訳」


 女魔法使いは俺の理解の早さに最初こそ戸惑っていたが、それならば都合が良いと思い直したか、一気に説明した。


「えーと……俺の『能力』って……?」


 異世界転生……いや、正確には転移であって元の世界の俺は死んだ訳じゃないはずだが……ともかく、転生者によくある神様からのチート能力譲渡とか、そういう儀式もイベントもなかったと思うのだが……。

 今も、別に俺の身体に不思議な力が溢れているとか、魔法が使えそう!とか、そんな気はまるでしない。

 元の世界にいた頃と何も変わらない、一般人の身体のままだ、と俺の感覚では感じられた。


 すると女魔法使いは端的に言った。


「妄想力よ」


 は?

 俺は声に出して言ってしまった。


「だ・か・ら。アンタのその、類稀なる妄想力こそ、あたしが欲していた能力なの」


「何を言ってんだか分からねえ」


 俺は説明を求める。

 すると女魔法使いは語り始めた。


「あたしはね、異世界からの召喚術なんて本当は専門外なの。あくまでも、『ある術』に特化した魔法使い……人の心の中に潜む願望、欲望、夢想……即ち、『妄想』をこの世に呼び出し、具現化する魔法を得意としているのよ」

「なるほど……」


 少しずつ話が見えてきた気がする。

 つまり、この女魔法使いはどうやら、俺の妄想を具現化する事で、さっき言っていた『国の危機』とやらをどうにかしたい、と言いたいらしい。


「アンタ、ほんとに話の飲み込みが早くて助かるわ」

「そういう感じのアニメや小説はいっぱい知ってる……」


 ベッタベタの展開だな、と俺は思いながらも、俺自身の能力がムチャクチャ強くなる訳じゃない辺りは、前例に思い当たるものがなくどう対処すべきか悩みどころだ。


「じゃあ、早速試させてくんない?アンタの妄想力の程をね」

「いや、ちょっと待て」


 俺はストップをかけた。


「何よ」


 女魔法使いは訝る。だが俺はまだ、彼女に訊くべき事が一つある事に気付いたので、流される前に訊いておこう。


「君の名前は?」


 女魔法使いは一瞬、キョトン、となり……そして笑った。


「そういや、自己紹介もまだだったわね。あたしはマゴリア。アンタは?」


「俺は王留守(おうるす)。王留守……雄臣(おすおみ)だ。よろしくな、マゴリア」


 俺はマゴリアと握手をし、ようやく地に足がついたような心地になった。


妄想★マテリアライゼーション!2話をお読みいただきありがとうございます。

状況説明の回です。メタ発言多めに入れるのは僕の趣味です。


少しでも本作を応援したいと思っていただけたなら、

ブックマークや評価をしていただけると嬉しいです。


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