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ひとりの少女のモノローグ

作者: 相沢ちはや

単なる私の妄想ですが、誰しも一度は抱いたことのある感情なのでは。

思春期には、感受性も豊かで、可能性も豊か。それ故に悩みも多く、解決しないものばかり。それでも考えてしまう、そんな人間臭い少女のある日の夜の考え事を書きました。

「ああ、いやだ」長く短い人生の中でこんな気持ちになることはそう少なくはない。今もそんな気持ちになっている。高校生の頃に表彰されていたクラスメエトの読書感想文を読んだ。女性差別がどうだとか、嘘がどうだとかなんとか書いてあったが、今もそれ思ってますか?と問いたくなる。素直に賞賛する心が自分にあればとも思うが、本心ではやはり、表彰されるために媚びた文章を書いてるんじゃないかと、特に女の生徒には思う。そもそも、読書感想文なんて評価の対象にしないでほしい。「感想を評価」ってなんなのかしら。誰かの感想を見本にしろと?そう言いたいんでしょうか先生たちは。みんな必死で書いてんのにさあ、いやになるよ。枕でも投げてやりたい。まったく。

明日もまた外へ出なきゃならない。学校で授業を受けなきゃならない。世間は厭なニュースで溢れているのに、私はそんなの気にかけずに明日も一日を過ごすのだ。習慣とやらをつけい、などと言われるが、あんなもの作ったところで一つ狂えばみな狂う、いかにも融通の効かぬ代物だ。やめてしまいたい。世間で言われる賢い人たちは本当どんな気持ちでいるんだろうと、つくづく思う。私もそうなりたい。でもなれない。これも、厭だ。

中学の頃、少し付き合った男の子を思い出した。私に夢中になっていることはすぐに気がついたし、それからは少し私も意識した。それから毎日、その子は楽しそうだった。何を思っているかも見え見え。私が少し話しかけると輝いた目になる。その目が私には羨ましかった。その頃の私にはすでになかった。二人のお兄ちゃんとお父さんお母さんの話し合いから現実はおよそ見えていた。今の社会じゃ勉強がすべて。学歴さえ手に入れば、女だって生きていける。だから私には目の輝きなぞなかった。その子とはお正月にお付き合いをはじめた。まったくお互い根性もなかったのか、初めはあんまり直接話さなかった。メールのもたらす厄介なコミュニケエション能力の低下を嘆いたような嘆かなかったような。ある日のはじめてのデートで、私はその人の阿保を見てしまった。電車の駅もわからず、コピーしてきた地図らしきものも理解できないらしかった。今思えば仕方ないのかなあ。とにかくそれで私は厭になった。付き合いはじめは、結構好きだったのに、もうそれでさよならを決めた。いつ切り出すかを渋っていると、友達が一人イジメにあった。私はイジメ側に加担するとイメージが、悪いのでその友達を助けることにした。その時その男の子は、「今は俺のことなんか気にせんで、その子助けてやりいよ」と、私を気遣った風でいた。いやいや、助けるとかないんでしょうか?私一人で戦えと...?あんた何もしないの?って、はてなマークばっかり浮かんだ。中学生の男の子ってほんとダメって思った。その2週間後だったか、お別れした。今はちょっとはマシな人になっただろうか。とは言っても、会いたくはないけど。

一日一日、あれこれあって、時間は過ぎる。世間のことを考えることもあれば、自分のことを考えることもある、家族のことを考えることもあるし、厭世主義に陥ることもある。私はこれからどうなるのだろう。こんなにひねくれていて。お嫁に行きたいと思うほどの男の人は現れてくれるだろうか。どこにいるのだろうか。

昨日も今日も明日も生きる。そろそろうんざりしてきたけど、もう少しで掴めそうなこともあるから続けてしまう。命を絶つことは別に悪いことじゃない。でもどこか気がひけるもの。あの男の子の目のように、キラキラとするついでを、私は待っている。

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