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戦場立志伝  作者: 居眠り
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第一次サウスエンド=オン=シー大会戦

第四十話です。

 チャールズ軍は惑星サウスエンド=オン=シー沖の小惑星帯に布陣した。

中央に第十艦隊(マギー中将)、右翼に第十二艦隊(マッケンジー少将)、左翼に第十一艦隊(キャボット中将)、後衛に第一親衛艦隊(チャールズ皇子&オズワルド大将)という構えだ。

対して帝国軍は最前線に第十五水雷艦隊(バイロン中将)、少し離れて中央に第一親衛艦隊(アーサー・ウェールズ大佐)、その斜め左右に第四空母艦隊(サウサンプトン中将)、第五空母艦隊(ニューカッスル中将)が布陣するというチャールズ軍の提督達からしたら変な陣だった。

だがアーサーは大真面目だった。

相手に空戦能力が大きく欠如しているのだからそこを突くというだけの話だ。

それにこちらには新兵器もある。

勝ちを確信した顔は先帝ジェームズ九世に酷似していた。


「なんなんだあの布陣は…?」

中央に位置する第十艦隊司令官マギー中将は妙な布陣をする敵の心理を考えていた。

「我が軍に空戦能力はほぼない…。だからこそ密集隊形にしたのだ。いくら空戦隊が強力でも厚い弾幕には勝てん…。おい、敵艦隊の主力と第十五水雷艦隊の距離は?空戦隊の速度と艦隊速度を調べろ。時間的距離で報告せよ」

「了解しました!」

オペレーターが二、三分ほどコンピューターと数字のやり取りをし、距離を報告した。

「空戦隊は三十分、艦隊なら一時間程度です!」

そうか、と答えながらなおも考えた。

空戦隊の到着まで第十五水雷艦隊で耐えきるつもりか?しかし亜空間潜宙艦は十分ほどしか亜空間にはいられない…。敵の意図はなんだ?

「第十五水雷艦隊接近!!」

「対潜宙戦よーい!」

「対潜宙戦よーい良し!」

「ファイヤー!!」

オペレーターの報告。マギー中将と砲雷長との会話。流れるような連携から攻撃が開始された。

「亜空間へ潜航せよ!」

亜空間潜宙艦を率いるバイロン中将は一斉潜航を命じた。

亜空間へ潜航していく潜宙艦達に遅れてビームが潜宙艦が元いた場所をすり抜けていく。

「レイトン粒子発生装置を発射せよ!」

バイロン中将が狭苦しく、赤暗い指揮所の指揮席から立ち上がり指示を飛ばした。

旗艦R-1をはじめとした潜宙艦の魚雷発射管から円筒状の筒らしき物が発射された。

「亜空間より多数の射出物あり!スピードからして魚雷でもミサイルでもありません!」

「亜空間より浮上してきたその瞬間を狙え!」

迎撃が始まりレイトン粒子発生装置を破壊していく。

亜空間には潜宙艦といえども時間制限がある。

亜空間シールドを搭載してやっと十分だ。

魚雷やレイトン粒子発生装置なども同様で数十秒しか持たない。

なので近距離に浮上させて防ぎきれない攻撃を行うには割と接近しなくてはならないが潜宙艦も無敵ではない。

レーダーで常に位置は把握され、搭載数は少ないが各艦爆雷を装備している。

したがって遠距離から魚雷攻撃するしかないのだが真の能力は別にある。

そう、レイトン粒子発生装置だ。これは国家機密だった為チャールズやチャールズ軍の提督達は知らない。今回が初の実戦投入だ。

レイトン粒子の効果は”無制限レーダー阻害”。

レイトン粒子は発生装置を壊されても効力を発揮する。

効力は一時間しかないが一時間もあれば目がない艦隊など瞬殺される。だが無制限にレーダー阻害を行う為、帝国軍は距離を置いたのだ。

案の定チャールズ軍のレーダーが阻害され始めた。

「マギー司令官!レーダーが、レーダーが阻害されています!」

「なんだと!?」

急いでレーダー席に駆け寄り、レーダー板を覗き込んだがノイズのようなものしか映さなかった。

「どうゆうことだ…!?」

その言葉の直後突如旗艦マウントジョイが大きく震えた。

「状況報告!何がどうなっている!?」

オペレーターが蒼白な顔でエンジンが破壊されたと伝えた。

「何の攻撃だ!?魚雷か?」

「違います!空戦隊です!」

窓から外を確認した副官が応答する。

「馬鹿な!?」

実は帝国軍空戦隊は大回りし小惑星帯に紛れ左右から一斉に攻撃を開始したのだ。

勿論潜宙艦も空戦隊のレーダーも使い物にならないがビーコンで空母の位置は把握している。

第十五水雷艦隊はレーダー阻害を受けない位置まで退避し、遠距離攻撃を続行している。

それにたとえレーダーが使えなくとも自機の何十倍もの大きさの戦艦や重巡洋艦は目視はどこにいるかわかる。

「対空戦闘ー!!」

「敵機がどこにいるかわかりません!」

しかし戦闘機のような高速で移動する小型機は目視で追うのすら辛い。

オートから切り替えて手動で動かすことも可能だが前述の通り人間の反射速度では到底無理だ。

機銃手や対空砲手たちからの怒号が無線で艦橋内を駆け回る。

「とにかく艦隊をより密集させろ!弾幕の壁を築け!それとチャールズ殿下にもお伝えするのだ!」

ことの顛末と状況を知ったチャールズ皇子とオズワルド大将は狼狽しロクな反撃指示すら出せず、空戦隊の餌食になっていた。

しかし、第十艦隊、第十一艦隊、第十二艦隊の司令官は違った。

彼らに与えられた二つ名は”帝国のサーベラス”。

サーベラスとはケルベロスの英語読みです(・∀・)

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