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戦場立志伝  作者: 居眠り
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決着

アンハルトは沈黙を続けた。

一人の隊員が呻き声を上げた。

「隊長が…隊長がやられた…」

あっという間にその空気は空戦隊全体に広がった。

「落ち着け!新型は一機だ!囲んで仕留めろ!」

ノダ少佐が叫んだ途端、少佐の機体は急旋回した。

「俺を忘れてもらっちゃ困る!」

ウィリアム皇子のエリザベスIIが攻撃を開始した為だ。

「総隊長、この新手は私が!」

そう言ってノダ少佐はウィリアム皇子と一騎討ちを始めた。

「そちらは…任せます…!」

固い決意と激しい怒りを伴侶としてアンハルトはアーサー皇子と光の剣を打ち交わし始めた。

エリザベスIIにはパトリオットと同じビームサーベルが装備されている。近距離で接近する度に火花が散る。

「ほう、なかなかやるな。さっきのと同じく冷静さを欠くがな」

アーサーは距離が離れたところでウィリアムに通信を送った。

「ウィリアム!今何機やった?」

「六機だよ!兄上は?」

「残念、七機だ」

この通信を連合のパイロットたちが聞いていたら震え上がっただろう。

しかしその通信は傍受できず、彼らは果敢に挑戦し、その若い命を散らしていった。

ウィリバルトが帰還の命令を通達する。しかしアンハルトは帰投しようとしなかった。

「総隊長!帰還命令が出ています!退却を!」

「断る!アルベルトの仇だ!」

「総隊長!エネルギーがもう切れるんじゃないですか!?そのまま戦ってやられたら中佐

の仇を取れませんよ!」

ノダ少佐の声は段々と涙声になりつつあった。

決して敵に怯えているわけではなく、自分より若い上官を心配してのことだった。

現に第二空戦隊長の機体も彼自身の近くで四散している。

「……帰投する…」

アンハルトが絞り出した声はとても悲痛だった。一度帰投し、再出撃すればいいと思うがそうはいかない。

アーサー皇子やウィリアム皇子が出てきた途端、連合軍の艦列が乱れ始めたのだ。

彼らに続くエリザベスもあちらこちらでエアハルトを撃ち落としていっている為、もはや

ドーヴァー星域大会戦は帝国の勝利となりつつある。

アンハルトはこの戦いに二度と出撃出来ないであろう。

翌二十一日、帝国艦隊は大攻勢に打ってでた。

若いオブライエン少将を先頭に苛烈なビームの嵐が連合艦隊をなぎ倒していく。

連合軍の先頭部隊を率いていたビスマルク中将は艦橋に響く不吉な軋み音を聞いた途端意識を失った。

帝国艦隊の砲撃により、ビームが艦橋をかすめそこから亀裂が発生し、艦橋の中の人間を吸い出したのだ。

運良くビスマルクはそれには巻き込まれなかったが自身の指揮席がある二階からオペレーター等が座る一階まで落ちてしまったのだ。

連合の艦橋は吹き抜けになっており開放感のある方が良いだろうと連合政府の気配りが、仇となってしまった。

彼はなんとか意識を回復したが、彼の両足は骨折しておりしばらくは前線勤務は無理だと軍医に言われる有り様だった。

またハウクウィッツ少将も手摺に背中を打ちつけ背骨にヒビが入ってしまった。

連合艦隊は崩壊した。

だが後方で待機しつつ艦隊の援護をしていたウィリバルトがなんとか敗残兵をまとめつつ退却の指示を出した。

戦いは終わった。

連合艦隊の惨敗だった。

またしてもドーヴァー星域は不敗の名のもとに君臨することとなった。

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