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戦場立志伝  作者: 居眠り
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遠征帝ジェームズ九世

帝国十六代皇帝ジェームズ九世は椅子に座り外の風景を眺めていた。ただその椅子は宇宙空間に浮かぶ巨大戦艦の指揮席だった。

彼の目の前には連合軍遠征艦隊がその姿を、見せ始めていた。

全宇宙の統治を目指す彼は不敵に笑った。


八月二十日連合遠征艦隊はドーヴァー星域にワープアウトした。そして敵艦隊を発見した。

「全艦ワープアウト、敵艦隊正面にあり。数は七百隻前後です」

シュタルクの艦橋で静かにそして緊張した空気の中行われる各艦との情報の交換作業中、各司令官が予想していた情報が旗艦に飛び込んだ。

「総司令官閣下!敵艦隊の中央部に巨大戦艦が一隻確認でき、艦型は"エドワード一世"です!!」

「やはりか…」

ビスマルク中将は独語した。

ジェームズ九世は歴代の皇帝の中でも最も好戦的で最も戦果を上げた皇帝だ。

その彼はさすがに廷臣等に止められて遠征はしないが今回のような防衛戦には嬉々として最前線に赴いてくる。

なので連合軍各司令官はこのことをある程度予想していたのだ。

ともかく敵軍の総帥がわざわざ最前線まで出向いてくれたならそれ相応の対応をするだけのこと。気分が高揚してきたビスマルクは部下達に伝達した。

「お前たち、今回もわざわざ敵国の皇帝陛下が最前線まで赴いてくれたぞ。ちゃんと歓迎パーティーの準備は出来てるだろうな?」

たいして上手くない冗談がこの時はある程度の数の部下にうけた。

それから真面目な顔になって、ビスマルクは

全艦隊に総力戦用意を命じた。

互いの陣形は連合が魚鱗、帝国が鶴翼を敷いている。互いに数の差を理解した陣だ。

連合の前部はビスマルク中将、左翼はハウクウィッツ少将、右翼はブレーメン少将、そして中央部はウィリバルトの航宙艦隊が配置された。

対して帝国は前部にマンチェスター大将、左翼にはオブライエン少将、右翼は第四空母艦隊を指揮するサウサンプトン中将、中央部はジェームズ九世の第一親衛艦隊、そして後方にニューカッスル中将率いる第五空母艦隊という陣容となっている。

サウサンプトン中将は黒人の巨漢で歳は四十。身長は二メートル二センチもある。

彼の正面には立ちたくないというのが兵士達の本音である。

ただその見た目に反して性格はとても穏和で優しい人だ。

なるべく敵には降伏を呼びかけ、助けられる命は敵兵であっても助けるというのが彼のモットーだった。

第五空母艦隊艦隊司令官のニューカッスル中将は三十五歳の青年でサウサンプトン中将と真逆の性格をしており、しばしば彼と作戦の意見対立が目立つ。

そんな彼らを統率する能力がジェームズ九世にはあった。彼はこの大会戦が帝国の勝利となることを疑っていなかった。

そして今ドーヴァー星域大会戦の火蓋が切って落とされた。

「アプシーセン!!」

「ファイアー!!」

両軍の総司令官の怒号に各艦の砲手は応えた。帝国はビーム、連合はミサイルの壁を互いに押し付けあった。

やはり威力とスピードに勝るビームがミサイルをへし折りつつ接近するが連合軍各艦のシールドに当たって閃光を撒き散らして消えていく。

対して次弾装填がビームより速く済むミサイルは数で帝国艦隊のシールドを噛みちぎろうとするが巧みな操艦で避けられることもしばしばあった。

戦闘開始から二時間、戦局は両軍の空戦隊の出撃で大きく動いた。


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