表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦場立志伝  作者: 居眠り
10/63

ベルファスト大会戦

オブライエンは戦慄した。若いが歴戦の提督である彼は宙雷艇が大部分を占めるとはいえ、千隻の艦隊と戦ったことなどなかったのだ。

しかしその心配は杞憂だった。それを証明したのはオペレーターだった。

「司令官閣下!あれは敵の艦隊等ではありません、友軍です!マンチェスター侯爵率いる第三親衛艦隊です!!」

「なんだと!?」

急いで通信回線を開かせ、新たな出現者達の代表と面会することができた。

「軍務大臣閣下、援軍に来て頂き有難う御座います。しかし援軍に来られることは小官は伺っておりませんが…」

「この宙域は遠距離同士の通信が通りにくくてな、あまりこの場所に来たことのない卿に教えるのを忘れておった。済まんな」

ロバート・マンチェスター侯爵は四十二歳の

人で階級は大将。旗艦は戦艦エジンバラ。

そして彼には帝国軍人としてとても名誉ある二つ名が与えられている。

その名は"名将"

今回のように少しばかりうかつな所もあるが

彼に敵う帝国軍人はいないと言われている。

ただ、彼にはそれ以外の欠点があった。

左目のある部分に縦の傷のラインが走っている。

そう、彼は戦傷で左目を失ってしまったのである。

「さあ、細かいことは後で話す。まずは目の前のうるさい小蝿共を蹴散らすとしようか」

第三親衛艦隊は通常の艦隊の約二倍の艦艇を有しており、さらにそれらを指揮するのはかのマンチェスター侯爵なので、第十三艦隊の士気は回復しつつあった。

そしてマンチェスター侯爵が全艦隊に向け発令した。

「第三親衛艦隊と第十三艦隊の両艦隊の指揮はこの私が執る。第三親衛艦隊が前面に出る。第十三艦隊は後方より援護に徹するように。以上だ。」

アビスの艦隊は数的有利を生かして上下左右から襲い掛かってくる。

さらにアビスの後方に援軍と見られる新たな艦隊がワープアウトしてくる。その数およそ三百隻。これで兵力は約千隻となった。

これに対して帝国軍は

第十三艦隊百七十二隻の内三十三隻は撃沈されているので残り百三十九隻。

そして援軍に来た第三親衛艦隊三百二十二隻を足して四百六十一隻となった。

約半数だがスピードと小回り、そして接近しての魚雷しか取り柄のない宙雷艇ではなかなか厳しい状況になった。

その好機を有能な大将が逃すはずがなかった。

「ファイヤー!!」

新たな、だがしかし同じ命令が第三、第十三両艦隊の部下たちに伝えられると彼らは一斉に主砲の発射スイッチを押した。

最初の砲撃より約四倍となったエネルギーの塊がアビスの前衛艦隊をなぎ倒した。

直撃した船は後に何も残さず消え去り、直撃を回避することができた宙雷艇たちは果敢に接近を試みた。

第三艦隊旗艦エジンバラに六本の魚雷を発射した宙雷艇は旗艦を守る戦艦に撃ち抜かれ撃沈した。六本の魚雷もエジンバラの対空砲火に撃ち落とされた。

数が増え、対空砲火の密度が増した帝国艦隊にたじろいだのかアビスは後退を試みたが、

それを阻止したのがオブライエン少将の指令だった。

「空戦隊を出せ!奴らを逃すな!」

勇躍して出撃していった空戦隊は速い宙雷艇に急接近し、機関砲を叩き込んだ。

第三、第十三両艦隊を攻撃すべく突出していた宙雷艇は空戦隊と艦砲によって全滅し

残ったアビスは負けを悟ったのか次々とワープインしていった。

こうして第三次アビス討伐戦ことベルファスト大会戦は帝国軍がアビスの艦艇三百五十三隻を撃沈せしめ、第三、第十三両艦隊の内 四十四隻の艦艇を失って集結した。


この大会戦は必ずしもアビスの活動が少なくなることを意味するわけではなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ