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歴史学の問題点

 筆者幸田は幼少期より歴史好き、歴史マニアでしたが、大人になるにつれ次第にその世界から離れてしまいました。

 ですがここ数年、改めて歴史の世界に首を突っ込むようになりました。そして、現代日本の歴史学には大変な問題があると確信するに至りました。


 私達は中学だか高校だかの世界史の授業で、「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」という言葉を教わりましたよね。

「時の権力者は往々にして、自分達にとって都合の悪い歴史を抹消する事がある。例えば古代中国においては、あらゆる歴史書を集めて焼き、また学者を集めて穴に落とし埋めてしまった」

 ――これが即ち焚書坑儒、です。歴史の隠蔽(いんぺい)と改変です。

 実は現代日本においても、75年前の敗戦直後、まさにその焚書坑儒が行われたのです。


 その一端を、学校の歴史教科書からも読み取る事が出来ます。

 今、幸田の手元に、ちょっと古いのですが「高校日本史B」(2016年度版)の教科書があります。受験生御用達の山川出版社です。

 ちょっと眺めてみると、邪馬台国に関する記述は21~22頁にあります。

 そして大和朝廷(近年は「ヤマト王権」などという表記に変わっている)に関する記述が、その後(23頁~)に位置しているのです。


 おや?……と思いませんか。


 これは幸田も、既に小学校時代に変だと感じました。

 何故なら幸田は小学校3年生だか4年生の時、既に「古事記」の児童書を読んでいたからです。初代天皇は紀元前の、神武天皇だという知識がありました。

 一方、卑弥呼邪馬台国は3世紀前半から中盤なのです。ですので明らかに、教科書の記述は順番がおかしいのです。


 もう少し教科書を読み進めると、不思議なことだらけです。神武天皇はもとより、上古の天皇名が1人も出てこないのです。

 辛うじて古墳の解説として、「大仙陵古墳(仁徳天皇陵古墳)」「誉田御廟山古墳(応神天皇陵古墳)」という記述が登場します。

 それから本文外に天皇の系図が掲載されているのですが、なぜか先頭が第15代応神天皇なのです。ただし本文中では「大王(おおきみ)」と表記しています。あくまで歴史記述として本文に天皇名が登場するのは、何と「倭王武」こと第21代雄略天皇以降なのです。


 妙ですよね。

 世界中どこの国でも、歴史の授業において、自国の始期をハッキリと教えます。何年もしくは何年頃、誰によって建国されたと教えます。歴史が長くてその辺が曖昧な場合でも、なるべくそれを明確に教えようという努力がなされます。

 しかし我が国の歴史授業では、そうではないのです。


 長らく我が国の正史とされた「日本書紀」、及びそれに準ずる扱いであった「古事記」に、建国の主は神武天皇と明記されているのです。

 またその時期は、その解釈こそ諸説あるものの、紀元前である事は疑いようがありません。しかしそれらが教科書に全く書かれていないのです。あたかも、敢えて無視しているかのようです。


 何とな~く卑弥呼邪馬台国のような、諸豪族による連合が出来、その後何とな~くヤマト王権という連合体が形成され、徐々に中央集権的な国家に成長した……的な、アバウトな歴史観を展開。

 で、その説明の過程でどうしても無視できない巨大古墳の被葬者や、大陸の歴史書に登場する我が国の人名たる天皇名だけ(・・)が、仕方なく……といった感じで記述されている状況。

 かつそれも、「天皇」ではなく大陸の人々が使用した「大王(おおきみ)」という呼称の方を採用する。さらには千年以上も使用されてきた「朝廷」という呼称を、わざわざカタカナ表記で「ヤマト王権」と変更。……


 どういう事でしょうか。


 結論を言いますと、これこそが前述の、敗戦後に行われた焚書坑儒の影響なのです。

 大東亜戦争(これを太平洋戦争と呼称するのもまた、焚書坑儒)に敗けた日本に、聯合国(同左。国際連合はインチキ誤訳)の占領軍GHQ(同左。進駐軍ではない)がやって来ました。

 彼らは、

「日本を再び白人先進諸国に歯向かわないよう、徹底的に破壊する。我々が大戦以前に有していた東南アジア植民地諸国以下のレベルに貶める」

 という使命を帯びていました。


 GHQは驚異的な日本の強さ、日本人の強さを徹底分析し、その理由の一つを、

「長く栄えある歴史に裏打ちされた民族的矜持、また長い歴史に育まれた社会思想やモラルにある」

 と分析しました。なのでそこを砕くべく、まず教育システムの破壊に乗り出しました。


 その片棒を担いだのが、敗戦後改めて大学教員や学校教師として雇用された連中なのです。

 彼らはマルクス主義史観という、日本人の歴史観や価値観とは全然関係ない「ものさし」を採用し、それでもって我が国の歴史をとことん毀損したのです。

 その結果が前述の、矛盾だらけで意味不明の歴史教科書記述なのです。自国の成り立ちすら教えないという異常な歴史教科書が存在するのです。


 詳しくは後々順次説明しますが、大学教員や学校教師は、長く栄えある我が国の歴史を毀損すべく、まず神武天皇以来の上古天皇の歴史を、

「存在の確証がない。おそらく単なる神話だ」

 とことごとく否定しました。


 他にも例を挙げればキリがありません。また本文の主旨からズレるため、ここでは取り上げません。

 ですが、要するに私達が日本史を紐解こうと思えば、まずそういった事情を知り、それを念頭に置いた上で教科書や解説本を読む必要がある……と知って下さい。


 というわけで、例えば邪馬台国謎解きに関して言えば、

「邪馬台国時代には、既に大和朝廷が存在した」

 と認識した上で、

「邪馬台国は大和朝廷の歴史の一部なのか。それとも大和朝廷と並立した別政権なのか」

 といった、政治力学的な視点を加味する必要があります。


 教科書通り、

「まず卑弥呼邪馬台国時代があり、その後大和朝廷が何とな~く興った」

 という時系列(これが間違いである事は、後々の章にて詳述します)で理解していては、当然ながら邪馬台国謎解きは不可能なのです。学者の解説本は、まさに政治力学という視点が欠けています。

 そういった辺りも、後々詳しく述べたいと思います。


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