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音のない世界で...5

その日結局、零は帰ってこなかった....。

(零...何があったんだ...)

と優也は思った。

そして朝早く、まだ誰も登校していない時間に家を出て学校へ向かった。

タッタッタッ....

まず、学校に着いた時、自分たちのクラスを見に行ったがいなかった...。

(いない...)

と考えながらも零がよく行く場所に順番に回った...。

図書室、保健室、空き教室....。

どこもいない...するとある場所が思い浮かんだ。

(あそこか...)

と思い屋上へ行った。

すると....屋上の床の中央にあったものに目がいった。

「!?」

それは、零のケータイと優也のお母さんが使ったリボンと繋がってた髪の束....。

優也は急いでそれをもって家に戻った。

その頃....

零は海翔と一緒にいた....。

もう使われてない廃倉庫にいた。もう誰も知られない場所でもあった。

零は縄で縛られていた...。

零はこういった。

「私に言うこと聞けっていうのは縛ってここにいろってことだったのかしら?」

と睨んだ顔で海翔に言った。

「あぁ?馬鹿じゃねぇの?そんなことのためにここまで来たんじゃねえよ...」

「そしてその顔よぉ...むかつくんだよ!」

ゲシッ!

と零の顔を足で殴った。

「....っ」

零はそれでもにらんだ。

「お前には代償をもらわなきゃいけねぇんだよ...」

(代償...?)と零は考えた...。

すると...

シャッ...

「代償はぁ....お前のその目だよ...お前には全部見られちまったからなぁ?」

「それと、お前の目がきれいで俺のものにしたいって思ったんだよなぁ...」

「だーかーらー...」

と言ったその瞬間...

グサッ!

「ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”ぁ”---!!!」

と左目にナイフが突き刺された....。

零は叫ぶ...。

その瞬間...

グチュ、ブシュ、ブチっ!!

「________!!!!!」

「あは...アハハハハ!!」

左目の眼球が引きちぎられた...。

零は声にならない叫び声をした....。

「あぁ、そいえばお前補聴器をすれば音は聞こえるんだっけぇ?それならこうしちゃえ!」

と海翔が言った瞬間何かが両耳を刺さった...。

グサッ!

「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”___!!」

(イタイ...イタイイタイ...‼!)

「おーい、聞こえますかぁ?」と狂った笑みで問いかけてるが、全く聞こえない...。

「その様子じゃぁ、聞こえねぇみてぇだな?あはは!」

と海翔は言うが零には聞こえない...。

零は何か縄を切れるものがないか手を探った...

(何か...)

すると切れそうなものが手に当たった。

(これなら...!)

と思い手に持った...。

「あー腹減ったなぁ...なんかそこらへんの店に行くかなぁ」

と言い海翔は倉庫を出て行った。

零はチャンスだと思った。すぐ零の近くに左目を刺したナイフがあった...。

足で必死に自分のところに持ってくる...。

そしてナイフを掴み縄を切る....。

ギチギチ...ブチ!

簡単に切れた...

零は、その場を立ち、クラクラの状態だったが倉庫を出て行った。

ー優也宅ー


優也は家に戻り、優也の両親に話したら、すぐ探そうとなった。

優也のお母さんは警察と零のおばさんに電話で連絡し、みんなで探すことになった。

警察もすぐ、動いてくれた。

優也は心当たりのある場所をあっちこっち探し回った。

だけどやっぱりいない....。

そしてあっちこっち探してる間にもう気づけばPM6:00にもなっていた。

流石にこの時期だとこの時間はもう辺り真っ暗だ...。

優也は急いで家に戻った。

家には、優也の両親、零のおばさんがいた。

すると....

ピンポーン...ピンポーン...

とインターホンが鳴った。

優也のお母さんと優也の二人で玄関の前に立ち、ゆっくりドアを開けるとそこにいたのは....

「「!?」」

血まみれの服で今にも倒れそうな零が立っていた。

「零!」

「零ちゃん!なにがあったの!?」

と零のとこに駆け付ける。

すると目の前にはタクシーの車があった。

車の中にいたタクシーの運転手のおじさんが出てきて話してきた。

「お嬢ちゃん、血まみれで途中で拾ったんだよ。場所は紙で教えてもらってここだって言われてね」

「左目は誰かにやられたみたいで、出血の量もとんでもないからすぐ病院連れてったほうがいいよ」

と言われた。

どうやら零はすぐに見つけたタクシーを捕まえてここまで来たようだ。

「ありがとうございます!すぐ病院連れて行きます!」

「あ、タクシー代いくらですか?」

と聞いたらおじちゃんは「タクシー代なんていらないよ、このお嬢ちゃんの命のほうが大事だからね。」

と言ってくれた。でも零には聞こえない...。

「ありがとうございます!なんてお礼を言えば...」

「優ちゃん!とりあえず零ちゃんを家に入れてちょうだい!」

と言われ優也は「わかった」とうなずいた。

零は優也のとこまで行こうとしたが....

クラッ....

「!?」

と危機一髪体を受け止めることはできたが...

零は意識が薄れてきていた...。

「母さん!早く病院に行かないと零が!」

と言い、すぐ病院へ向かった。

ー総合病院ー

零はすぐ止血のために手術室にいった...。

終わったのか、先生が来た。

「零さんの知り合いの方ですね?」

と言われ優也のお母さんは

「はい!零ちゃんは...?」

とどうなったか聞いた。

「無事、命は取り遂げました...。しかし、左目の眼球は引きちぎられていて左目は見えない状態です...。両耳も零さんは元々聴覚障害者で補聴器をつければ聞こえると聞いてましたが...補聴器をつけても聞こえない状態で両耳の鼓膜が何かで破壊されています...。」

と言われショックだった...。

「今は、安定していますので病室に案内しますね」

といわれ病室に案内された。

「何かあったら呼んでください」

と言い病室の前に連れてこられ、先生と看護師は出て行った。

-病室ー


病室のベットにいた零は左目は眼帯をした状態で、右腕には輸血中の点滴をしてた。

零は優也たちのいるほうを向いて、とても申し訳なさそうな顔をしてた。

優也のお母さんは「零ちゃん、紙で会話する?」

というと「はい」とうなずいた。

そして紙での会話が始まった。

「零ちゃん...こんなになるまでどこにいたの?」

と優也のお母さんが言った。

零は「優也のお母さん、優也....ごめんなさい...自分勝手な行動してしまって..。優也君たちに何かあったらいやだと思って...本当にごめんなさい..」

と書いた。本当に申し訳ないような顔をした。

優也のお母さんは「零ちゃん、おばさんたちが何かあったらより、零ちゃんに何かあったらみんな心配するのよ?自分の体を大事にしなきゃ...それだけは覚えてね?」

と悲しげな顔で伝えてきた。

優也は「零、俺はお前がいなくなったら困るんだよ!みんな心配したんだからな?」

「せっかく...髪綺麗だったのに...」

と言われ..。

零は自分の髪を触って残念そうな顔をして「せっかく...優也がほめてくれたのに台無しだね...」と悲しげに言ってきた。

すると優也のお母さんが「そうだ!零ちゃん、明日美容室一緒に行きましょ?変な風に切れちゃったから整えてもらいましょ?」と言われた。

一応、先生には今日一日輸血を2回やったあとは退院してもよいと言われていた。

零は「迷惑じゃないのであれば...」と書いて見せた。

「大丈夫よ!じゃぁ明日一緒に行きましょ!」と言ってくれた。

零は笑顔に戻り「はい」とうなずいた。

そして、次の日...

昨日、先生の案で義眼の手術を昨日の夜やった。

元々、零の瞳の色は青だったが、左目はそれとは逆に赤色の瞳の義眼になっていた。

そして、おばさんが家から持ってきてくれた零の服に着替えて準備ができたとこに、

病室のドアの前にいた優也の肩をたたいて紙で書いておいた「優也、準備できたよ」を見せた。

優也は「わかった、俺の母さんとこ行こう、荷物持つよ」と書き終わると荷物をもって病院を出た。

優也のお母さんと合流し車で優也と一緒に美容室に向かった。


病院から車で10分くらいで美容室に着いた。

美容室に入ると優也のお母さんと店員さんが仲良さそうに喋ってる。

零は、優也に「優也、優也のお母さんってここによく来るの?」と質問した。

すると優也は「あぁ、母さんは元々ここの店長だったんだよ。」と言われびっくりした。

「え!優也のお母さん美容室の店長さんだったの!?」と突っ込みを入れてしまった。

すると喋り終わったのか、優也のお母さんが「零ちゃんここに座って」と書いた文字を見せ椅子に座った。

店員さんはハサミをもって髪を切り始めた。

そして数分後...。

「かんせーい!」と店員が言うと「かわいい!」と優也のお母さんは言ったが零は鼓膜が破壊されたため声が聞こえなくなってしまった...。

優也のお母さんが「零ちゃん、終わったよ!短いのも似合う!」

と言われもう一度鏡を見るとあんなに長かった髪がセミロング気味のふわっとした髪型になっていた。

零は「優也、この髪型にあってる..?」と質問した。

すると、優也は口を手でふさぎ顔を赤くしてコクリとうなずいた。

私は「?」と首を傾げた。

((照れてる...))と店員さんと優也のお母さんはニヤニヤしながら同じことを考えた。

「あ、零ちゃんケータイ壊れちゃったのよね。耳が聞こえなくても文字なら話せるわよね?ケータイ屋にも行くわよ!」と書かれた。

零は「そんな、ケータイまで...」と言いかけると

「いいのよ、零ちゃんはもうおばちゃんたちの家族そのものなんだから」と書いた後笑顔で見せてきた。

私は嬉しくなって「ありがとうございます」と書いてぺこりとお辞儀をした。

そして、そのままケータイ屋まで行って優也の家に戻ってきた。

ケータイの契約が済んだ後にすぐ必要なアプリなどを入れた。

ケータイの機種はなぜか優也のケータイと色違いを選ばされてしまった。

そしてご飯を食べて零と優也は寝ました。

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