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音のない世界で...3


「ん....」

ブーブー

(誰...こんな朝早くに...)

携帯のバイブの振動で目が覚めた零。

現在、AM5:45こんな時間にLIMEの通知が来る人物が全然思い浮かばなかった。

すると、通知には「あなたの電話番号で友達が追加されたよ」と書いてある。

すると...

ブー!!

「っ!?」と私はいきなりの通知にびっくりした。

恐る恐る、その通知の内容を見た瞬間、零は鳥肌が立った...。

その内容は...

「笹原、覚えてる?俺、”木村海翔きむらかいと”。中学の頃一緒だったの覚えてるか。」

この文章に嫌な予感がした...。

木村海翔きむらかいと。忘れたことなんてない....零にとってこの人物は嫌いな人物。

すると、LIMEがまた来た...。

「電話番号やっぱ変わってなかったんだな。んで、簡単なことだ。お前、俺が言うこと聞け。聞かなかったらどうなるか...わかってるよな?昔の...な...」

ときた瞬間、零は記憶が蘇った....

「いやっ!?」と携帯を壁に投げ、頭を抱えた。

「いや...いやいやいやいやぁぁぁぁ....!!」と大きな声を上げた。

その声に飛んできたのか一緒に住んでるおばさんが慌てて「どうしたの!?」と駆け寄ってくれた。

だけど...零は体を震えながら頭を抱えたままずっと叫ぶ....。

「いやぁぁぁぁ...!!!!」

泣いては暴れていた....。

ザーッザー....

頭にはノイズが走る...。

まるでそれは映してはならないような記憶のようだった...。

あまりにも落ち着かせることができなく困ったおばさんが睡眠薬を飲ませた。

「大丈夫よ...落ち着いて寝なさい..」

と薬を飲ませたあとに布団に入らせ、零が眠るまで傍にいた...。

そして零がやっと落ち着いて寝た後におばさんは「おやすみなさい」と言い静かに部屋を出た。

翌朝、零は起きていたがまだ何かに怯えたまま部屋から出ない...。


おばさんが「零ちゃん、ごはんは少しでも食べない?学校のみんなも心配するわよ」

と手話で言ってきた。

けど、零はその言葉に横に首を振り「ごめんなさい、出て行って」と返した。

「わかったわ、何かあったら呼んでね」と言っておばさんは部屋から出て行った。

「......。」

零の部屋は、カーテンも開けず真っ暗な部屋だった。

ー学校【特別クラス】―

優也と由奈はもう教室にいたが、零が来てないことに気付く。

「優也くん、おはよう。あれ?零ちゃんは...?いつも先に来てるよね?」

「あ、由奈おはよ。どうしたんだろう...。来てないな..」

「何か連絡とか来てる?」

「いや、何も来てないんだよ。今日休むとも来てないし...」

「あとで私もLIMEで連絡入れてみます。優也くんもLIME入れてみてくれるかな?」

「わかった、俺も入れてみるから。一応お互い携帯確認しとくか」

「そうだね」

キーンコーンカーンコーン....

「あ、じゃぁあとでね」

「おう」

と優也と由奈は手話での会話が終わった。

優也は先生が来る前にLIMEを開き零にメッセを送った。

「零、おはよ。今日どうしたんだ?体調悪くしたのか、気づいたらでいいから返事くれるか?由奈も心配してる、多分由奈のほうからもメッセ来ると思うから」と送信して携帯をしまった。

―零の部屋—

ブー...

零はまた海翔だと思い怖くて携帯を開かないで無視してた...。

「.....っ」

部屋の隅っこに蹲り頭を抱えたまま泣いていた...。

「もう....いや...っ」

ザーッザー....

私の頭にはまたノイズが走った...。

零は、なぜそこまで怯えるのか...。

それは....

”×××××”から...

零の両親はすでに亡くなっている...。

零の両親のことはニュースまでなったことだった...。

それがきっかけで零は地元から離れた、おばさんの家に引っ越した。

携帯のLIMEの通知は鳴り響く...。

―学校【特別クラス】―

キーンコーンカーンコーン

授業も終わり、掃除の時間になった。

優也が黒板を消してたところに由奈が来た。

トントンと優也の肩をたたき由奈は聞いた。

「ねぇ、そっち既読なった?零ちゃん。」

優也はその言葉に首を横に振り

「いや...まったく既読になんないんだ。由奈のほうは既読なった?」

「ううん...私のほうも全く既読つかないの...」

「そっか...」

と優也と由奈が話してるとこに同じクラス子が何か心当たりあるかのように声をかけてきた。

「あの、お二人はまだ笹原さんのこと聞いてないんだっけ...」

という言葉に二人は首を傾げ、

「どういうことだ?」

と優也が聞いた。

すると彼女は言いにくそうにしてたことを言った。

「笹原さんは元々”ここ”の人じゃないの...。笹原さんのことニュースになってたんだよ...」

といい彼女は携帯を取り出し、その記事を二人に見せた。

「「っ!?」」

二人はその記事を見て「嘘だろ」というような顔した。

その記事に書かれてた内容は....

ー××県○○市で殺害事件、少女無事確保ー


と書かれていた。その記事にはその頃の零だと思われる少女が警察に保護された写真が載っていた。

2009年5月24日××県○○市にて殺害事件が起きた。

警察が駆け付けたころには少女の親二人が殺害されていた。

少女が発見されたのは2階のクローゼットの中だった。両腕を縄で縛られ口にはガムテープをされていた。

少女は無事保護されたが、少女は精神的に傷がついたのか警察の言葉、質問にも答えられなかったという。

少女は聴覚障害者だとわかり、落ち着いた状態になるまで時間をかけたという。

上記に書かれていた少女の名前は”笹原零”(12)だということが分かった。

現在、少女は保護することになった。

........。

「笹原さんはこんなことあったの...多分思い出したくなくて黙ってたのかもしれなかったから私もずっと言えなかったの....」

と彼女が記事を見せたあとの二人の顔を見れなかった。

でも優也だけが「なんで....」というような顔していた..。

すると、優也はカバンをもって教室を出て行った。

「優也くん!?」と由奈は言いかけたがそれは聞こえない..。

優也は、ただただ零の家に走っていた。

「ハァ...ハァ..ハァ..ッ!!!」

息切れをしても優也は走り続ける。

そして、零の家に着いた。

ピンポーン

「はい?」とドアを開けたのはおばさんだった。

おばさんは制服を見てすぐに分かったのか手話で言葉を伝えてきた。

「零ちゃんと同じ学校よね?あなた」

優也は頷き。

「零さんは...居ますか?」と聞いた。

「いるけど...零ちゃん今日は誰にも会いたくないみたいなの...」

優也は土下座をして「おばさん、部屋に入れてください...。お願いします..。」

というとおばさんはこの子なら零の今の状況分かってくれるかもしれないと思った。

「わかったわ、だから顔を上げて?」とトントンと優也の肩をたたく。

そして家の中に優也を入れた...。

そして零の部屋の前に連れてきてくれたおばさんに優也は「ありがとうございます」とお礼を言った。

おばさんは「何かあったら呼んでちょうだい」と言って1階に降りて行った。

ドアをノックしても零には聞こえない...。

それは同じ聴覚障害の優也にはわかっていた。

だからゆっくりとドアを開けた瞬間...

「いやぁぁーっ!」と零が叫んで本を投げた。

「っ!?」

優也は投げられた本に当たったけど零を落ち着かせるために零のとこまで歩いた。

優也は零を抱きしめた...。

「っ....!?」と震えている零を震えを抑えるために強く抱きしめた。

「っ!!」と零は暴れる...。

優也は「零....」と口に出した瞬間に...

ちゅ.....

「っ!?」

零の唇を優也の唇でふさいだ....

「ん...!ふっ...」

零の口の中に舌を絡ませた...

すると落ち着いたのか零は優也の背中に握り返していた...。

優也は唇を離して、手話でこういった。

「零、落ち着いた...?」

「....っ。優也...」

と涙を浮かべる。

「何があったんだ、俺に話してくれ...」

と落ち着いていう。

零は頷いて何があったのかを話してくれた。

「実はね...今朝にこの人から...」


と言いLIMEの通知のメッセを見せた。

「これは...?」

「......昔」

「私の地元の中学の同級生...」

「もしかしてこれが原因で混乱してたのか..?」

と聞くと零は頷いた。

優也はそのメッセの内容を見た...。

優也は黙り込んだ...。

すると零は

「優也...その様子だと私の過去、知ったんだね..?」

と優也に聞いた。

そう零の過去とは、今日学校のクラスの子に見せられた事件のことだった。

優也は嘘はつけなかった...。

「あぁ...クラスの子が言ってきたんだ...。」

「そう...そしたら話すしかないみたいだね...」

零はあんまり言いたくなさそうに過去のことを話し始めた。

「その事件が起きたのは私が中学1年の時..。そのメッセがさっき言ったクラスの子。」

「最初はね..友達として仲良くしてた、けど彼は異常だった...。家の近くまで来て追いかけまわされて...挙句の果てにはこの殺害事件を起こした犯人...。」

「遊びに来たのかと思って、家に入れたの...そしたら私の腕を掴んでクローゼットに縛られて...。ガムテープもされた...。」

「両親は、夜に帰ってきたけど...それを見計らって親を殺した...。」

優也は辛そうな顔をしてる零に「もういいよ...辛いだろ、零が...」

と言った。

でも零は首を横に振った...。

「いい...全部話さなきゃ...」

「警察が駆け付けてきたのも...全部彼が呼んだの...。友達の家に行ったら血まみれだって嘘ついて...。」

「服も全部、証拠もなくして警察呼んだの...。そして私は保護された...。」

「私も私でもう精神的に言葉も失ってた...植物状態に近かったかな...」

「それで私の両親の親戚のおばさんに引き取ってもらったの...それからここにいる」

「でも....相手に探られてたみたい...家も携帯も...」

と言い膝を抱えうつむいてしまった零...。

優也はそれに対して「大丈夫だ..零。俺がいる...俺が零を守る..。」

と言い抱きしめてくれた。

「これからは俺の家に来ればいい、そうすれば相手もわかんないだろ?」

という提案に零は

「でも...優也や優也の家族に迷惑かけちゃう..」

と答える。

「迷惑なんかじゃない。俺はお前を守る。」

と言い一緒に1階に降りて行った。

優也は「おばさん、お話があるのですがいいですか今」と聞く。

おばさんは「どうしたの?」と答え椅子に座らせる。

「零ちゃん、落ち着いた?」と零に聞くと頷く。

零は「おばさん...あのね、しばらく彼の家にお世話になってもいいかな」

という質問に「どうして?」と聞き返す。

優也は「零さんの昔のこと聞いたんです。それを聞いてその犯人がここにいることがバレてるみたいなんです..。」

「俺のとこでしばらく預けさせてもらえませんか?」と言うとおばさんは話の意味が分かったようだ。

「あなたが迷惑じゃないのなら、零ちゃんを少しの間預けさせることは可能だけど迷惑じゃないかしら」と不安そうな顔で答えると。

「大丈夫です、零さんは大事な人ですから。」

と言い零のほうに微笑みをかけてきた。

それに対して零は赤くなり「おばさん..あのね、実は..」と恥ずかしそうに事情を話すと

おばさんは「あら、零ちゃんよかったじゃない。うちの零ちゃんをお願いしますね」とうれしそうに笑いながら優也に伝える。

「それじゃぁ、今日からお願いできるかしら」と優也に聞くと「はい、大丈夫です」と優也は答える。

「そしたら零ちゃん、着替えて荷物用意してきなさい。車で送ってあげるから」

と言い零は「わかった」と言って2階の自室に戻った。

数分後...。

準備ができたのか2階から着替えて荷物を持ってきた零が来た。

「っ!?///」

優也は普段見れない零の私服になぜか顔を赤めた。

零は「?」と首を傾げた。

零の私服は、どこぞのお嬢様が着てそうなゆるふわ系のふわふわした服装だった。

「じゃっ、行きましょうか。家の場所教えてくれるかしら」とおばさんが玄関の前まで行って零もそれに続いておばさんのとこに行った。

そして、助手席に荷物を置き後ろに優也と零が乗った。

優也が場所をおばさんに教えたあと出発して、沈黙になっていた。

零は窓に映る景色を見てた。

それに対し優也は、ぎゅっ...ッと零の手を握った。

「っ!!///」

ボフッ!!と零は赤くなった。

優也は少し赤めながら零と同じように手を握ったまま窓の景色を見た。

そして、優也の自宅に着いた。

おばさんはそのまま帰ってしまったが「零ちゃんをよろしくね」と言って行った。

ピンポーン

と優也は自分の家のインターホンを鳴らした。

「優ちゃんおかえり....ってその子は?」とドアを開けて出てきたのは優也の両親だった。

優也は「こいつ俺と同じクラスの子。今日から俺と暮らさせるから」

と淡々と言ったのに対し零は、

「は、初めまして。笹原零と申します。よろしくお願いします」とぺこりとお辞儀した。

優也の両親はポカーンとしてしまったが「いいのよーいらっしゃい」

といい家に入れてくれた。

そして優也は親に事情を話した。

すると優也の両親は理解したように「いつまでもいて構わないから遠慮しないでね。困ったらおばちゃんに声かけてちょうだい」と笑顔で手話で返してくれた。

「ありがとうございます」と零はお礼を言った。

「ほら、部屋行くぞ、零」と言って優也の部屋に一緒に行った。

「殺風景な部屋だけど、好きなようにしていいから」と優也が言った。

「ありがと...よろしくね。優也」と零はお礼を言った。

そして二人の同居生活が始まった。

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