音のない世界で...1
ここはどこ...?真っ暗な世界....。
何も聞こえない....音のない世界....。
「_____。」
....?誰...よく聞こえない...。
言葉はノイズがかかって何を言っているのか、喋ってる相手の顔さえ見えない....。
「私は....ダレ....?あなたは何を言いたいの?」
っと自分は問いかけた。
ピピっピピっ...
カチッ...
朝が来た。夢ではいつもこんな夢ばかりだった....。
「あ...今日は雨なんだ...」
と少女は言葉にする。
少女の名前は、笹原零。
高校3年の一般の少女....に見えるが彼女は病気をしている。
耳が聞こえない...。
彼女が耳が聞こえなくなったのは小学4年の頃だった。
その頃から補聴器をしていた...が、ほとんどの音が聞き取れない状態。
だからいじめにもあってた...。
零の両親は交通事故で亡くなっている...。
現在、零は地元から引っ越して両親の知り合いの地域に移った。
もちろん、その知り合いも零が耳が聞こえないことを知っている。
だから、朝のご飯の時間とかはノックの音は大体聞こえる。
でも言葉は聞き取れない、だから知り合いのおばさんはノートまたは手話で、
「おはよう、零ちゃん。ご飯の時間だよ、着替えたら下においで」と伝える。
今日は、ノートで伝えてくれた。
私は、頷いて手を振る。
零の通っている学校は、普通の学校だが、零は耳が聞こえないために特別クラスの生徒としていた。
もちろんその特別クラスには、零のように耳が不自由な人がいる。
零の特徴はセミロングぐらいの長さの髪、青い瞳、そして髪の毛を耳にかければ補聴器が見える。
補聴器は一応つけてるが、ほとんどが聞こえてない状態...。
零は、制服に着替えてから髪をツインテールに結び、そのあと補聴器をつける。
そして学校に必要なものをカバンに入れたのを確認してから、おばさんたちがいる、一階に降りていく。
零は、手話で「おはようございます」といった。
そしておばさんたちも「おはよう」と手話で返してくれた。
一応、零がお世話になってるおばさんたちは、手話の略をする仕事をしているため手話を普通にできる。
例えば、耳が聞こえる子が私が手を動かしてるに対して相手は「?」が出るだろう。
その時は、おばさんたちに略してもらったりするが、おばさんたちも忙しいのでなるべくノートで会話をしている。
特別クラスの場合は、零と同じような子がいるため手話での会話が普通だった。
登校中、後ろから零とは違うクラス子が「おはよ」と言ってくれた。
けど、零の場合、補聴器はつけていてもほとんど聞こえない...。
その別のクラスの子は、零が特別クラスの生徒だと知っていたため、ちょっとだけ覚えたのか、
零の前に立って「おはよ」と手話で言ってくれた。
私は同じように「おはよ」と手話で返した。
すると、何かを思い出したのか急に慌てて「またね」と手話で返した後ダッシュしていった。
そして零は教室に入って、同じクラスの子に「おはよ、みんな」と手話で言うと、
みんなも「おはよ、零ちゃん」と答えてくれた。
「今日は、朝に何するかって聞いた?」と零が隣の席の男子に問う。
隣の席の男子、柳沢優也が答える。
「今日は、最初新しい生徒紹介するって、あとは一緒に手話で自己紹介の時間にするって言ってたよ」
と答えてくれた。
「わかった、新しいクラスメイト増えるんだね。自己紹介かぁ、1年以来やってないかも」
と返す。
「俺も。自己紹介、零と今のクラスメイトの状態以来してないな。」
と優也が答える。
零と優也は同じことを答えた時点で少し笑ってた。
ちょうど優也と知り合ったのも最初の入学式だった。
私も耳が聞こえない状態だった、だから周りと違うためおどおどしてたとこに優也が手を引っ張って人混みから出してくれた。
すると、
「お前、名前は?俺は、柳沢優也」と手話で話されたときびっくりした。
私はその時慌てて、手話で
「私は、笹原零です。あなたも耳聞こえないの...?」とつい問いかけてしまった。
優也は、「あ、同じクラスだわ。うん俺も耳が聞こえないんだ。」
「同じクラス...?何組だったの?」と答えると、
「俺らの学校に特別クラスがあるのわかんなかった?俺らはその特別クラスみたいだよ」
「え、じゃぁ私たちみたいに耳が聞こえない子とかいるの?」
「そう、まぁ零だっけ?同じクラスだしよろしくな」
と笑顔で手を差し伸べてくれた。
それが、優也との出会いだと今思い返した。
「零、先生が来た」
と肩をたたいた後に手話で答えてくれた。
「ありがとう」と零は返す。
先生が入ってきて、手話で会話し始める。
「みんな、おはようございます。今日は新しいクラスメイトを紹介します。」
と言いそのあとから、女の子が入ってきた。
「みんなは、この特別クラスは全学年混じってるの覚えてるか?この子は1年だ。」
と言い「自己紹介して」と彼女に手話で伝える。
「初めまして。1年の卯月由奈です。よろしくお願いします。」
と手話で全部言い終わった後に、黒板に名前を書いた。
「3年の子にとっては短い間だけど、よろしくな」と先生が手話で伝える。
「では、皆さんに自己紹介をしてもらいます。順番にじゃぁ...3年の笹原零から回っていこうか」
と手話で伝えられる。
席を立って黒板の前に立って手話で自己紹介を始める。
「私の名前は、笹原零です。学年は3年です。好きなことは、本を読むことです。本と言ってもラノベだったり、最近人気なものをよく見ます。面白いものがあれば、私に言ってくれると嬉しいです。短い間だけどよろしくお願いします。」
と長い自己紹介になってしまった。
そして順番に優也、と感じに流れていった。
キーンコーンカーンコーン...。
チャイムが鳴った。
すると今日入ってきた、卯月由奈が私に問いかけた。
「初めまして、零先輩。卯月由奈です。あの...」
と手話で言いかけたところに
「零先輩って言わなくていいよ、好きに呼んでいいよ。タメも全然いいから」と手話で伝える。
すると
「じゃぁ...零ちゃん、友達になってください!いろいろまだこの学校のこと分からないから教えてほしい」
と手話で言われたため、「いいよ」と手話で答える。
すると優也が後ろからトントンと零の肩をたたいた。
「零、俺も混ぜて。」とずるいといいたそうな顔で手話された。
私は少し笑って「いいよ」って笑顔で答える。
「あ、こっちの男子は私と同じ学年で友達の優也。由奈ちゃん仲良くしてあげて」と手話で優也のことを伝える。
「俺、柳沢優也。よろしくなってさっき自己紹介したかwよろしく由奈」
と優也は手話で答える。
「優也君、零ちゃん、よろしくね。」と由奈は嬉しそうに答える。
「じゃぁ、今日はもう授業おしまいだから一緒に帰ろうっか」と二人に伝える。
二人は、「賛成」と答える。
「_________。」
と誰かが零を呼び掛けたように聞こえた。
私は振り返ったが誰もいなかった。
「零、どうした?」
と優也に問いかけられたため
「なんでもないよ」と慌てて答える。
(誰だったんだろう...)
と私は心の中で思いながらも由奈と優也と一緒に下校した。
ー自宅ー
帰ってきて、自分の部屋に入り、制服から部屋着に着替えた。
補聴器を外し、髪もほどいた後に明日の準備をしていた時に
ブーブー
とスマホの振動音に反応した。
「そうだった、由奈ちゃんとも交換したんだった。」
と思い出し、LIMEの画面を開くと、
「今日はありがとう!まだまだ分かんなに事ばかりかもですけどよろしくです!」
と来ていた。
私は「こちらこそありがとねー!今日は初めてのクラスに疲れたと思うからゆっくり休んでねー」
と送った。
と、そのあとに優也からLIMEが来た。
「おっす、」
と来ていたので
「どったの?」と送った。
「ちょっと....相談なんだけど」
「なに?」
「零だったら何をもらったらうれしい?」
と変な質問だったので私はとりあえず
「んー...素敵なものかな...」
と送った。
すると
「素敵なものって例えばイメージは何でもらうと嬉しい...?」
!?
これは難しい質問してくれたな...
とりあえずなんとなく
「好きな人からつながりのあるもの...かな...。私は小さい頃に両親亡くなってるから...一生の繋がりのものかな」
と送った。
(何を聞きたいんだろう)
と思いながらも返事を待つと、
「そっか...わかった!ありがと!また来週学校でな!」
って言った後に「またね」という私の好きなキャラのスタンプで送られた。
「なんだったんだろう...?」と思いそのまま机に向かった。
「今日の課題結構難しいな....作文でテーマが今の自分か....」
と私はそのまま課題をやったあとに寝た。