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四代将軍とも  作者: 山田靖
六波羅奇譚
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朝子

 京都守護・伊賀光季は、石垣の報告を受け取った。

 四代将軍源朝子の正体は、田楽一座の踊り子玉に相違ない。朝子は、玉なのだ。源朝子とは、年端のゆかぬ下賤な娘の妄想に過ぎなかったのだ。舌先三寸に、朝廷も幕府もまんまと騙された。天下の熱狂は総てが虚構であった。

 だが、最早言い逃れは出来ぬ。年貢の納め時だ・・・


 京都守護が六波羅を急襲せんとす正にその矢先、事態は一変!



 故右大将源頼朝が三男、源三郎の惨殺死体が三条河原に打ち棄てられたのである。

 捨て札には墨黒々と大書。


 「自称源三郎


  源家末裔を騙りし大悪人 

  天に代わって成敗


            四代将軍源朝子 花押」


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