第九話
客が増え始めるまでの間 アニスを加え世間話をしてるといくつかわかったことがあった
このザクソンといわれる町は十年くらい前まで村といわれる規模だった事、当時の宿クラスのものがなく、アニスを身ごもった事で
アドルスさんとおかみさんは半冒険者を引退しこの村で宿を開業したという事、当時は付近の森には魔物が多く村に特色がないと思われていたが
流れの鍛冶屋がこの土地で取れる鉱石の質の良さから住み着き、その話をきき鍛冶をするものそれを扱う商人が増え現在の規模まで膨れ上がったそうだ
「まぁ そんな感じで宿屋も増え、本職にはかなわないまでも、安くて美味いものをってがんばってるんだけどな」
と言われてみれば、町の規模に対してお客が少ないとは思っていたがそんな事情があるとは思っていなかったスバルはどうにかできないかなと思考させていた
「それとスバルうちのと相談したんだが、一階に大き目の部屋がある そちらにかわってもらえないだろうか」とアドルスの提案に
「かまいませんが、なにかあるのですか」と質問するスバル
「今度うちの上の娘が野暮用でこの町にくるんだが、結構大所帯でくるらしく、そのけんでスバルに迷惑をかけたくないのが1つ、後その部屋はスバル専用にするので
今後この町に来る際、食事も宿代もすべて無料だ」
「そんなのは」と反論しょうとしたスバルに
「これくらさせてくれ じゃないと親として男として困る」と言われてしまう
少し悩んで親と男とか言われたら仕方がないかと納得し
「わかりましたご好意に甘えさせていただきます」とアドルスに一礼をする
「うむ ありがとう スバルはいい男だな」と笑いかける
その後この時期に美味いものとか、森ではどんなものが取れるなどスバルにかけていたこの世界に知識をしる機会になった
今回の狩の事なども楽しそうに語るアドルス
------------------------------------
しばらく会話をしたのち町を見てきますと出かけたスバルとフォルテ
町を出歩くと若く目を引く外見のスバルと男女どちらからも熱い視線を受けるフォルテの2人組はとにかく目立っていた
2人組ということもあり気軽に声をかける《ナンパ》行為もなく、露店や商店の男性陣はスバル達が話しかけてると
商売なんてほったらかしにフォルテと会話するために(あわよくばお近づき)試食としょうして食べ物を渡すなど必死だった
その行為に対して「ありがとうございますと」やさしく微笑むフォルテだったがそれでも効果はすごいもので相手の男性は顔を真っ赤にし
またそれを見ていた若者たちはこちらにこないかと獲物を狙う狩人のようだった
しばらくして2人は両手に抱えられないくらいの食材や料理などをもって宿に戻るとその様子に驚くアニスだったが2人に
「これ皆さんにもらったんだけど 僕達だけじゃ」って食材などを渡され使ってくださいと言われて2度驚くのだった
そして二階ではなく朝方言われた一階の部屋に向かい 中に入ると予想以上に広い部屋だった 宿のシングルが4畳半くらいでダブルが8畳くらいだとすると
18畳って広さがある ベットも4つあればテーブルも6人がけクラスだった
その事をおかみさんに聞くともともと裏庭に厩舎用の土地を準備したが馬を持つ冒険者が少ない事と大部屋とかも作ろうかと準備はしていたのだが、町が大きくなるのと他の宿屋ができたりで
お蔵入りになった土地の一部に新しい家族用として大部屋を作ったらしいが、姉は家を出て、アニスはまだ若く結局お蔵入り状態だったのでこの機会にと
「フォルテさんどうしましょうか」
「どうしましょうかとは?」
「ひとつはコロサートに向う件 あと数日のうちに向うかなって思ってたんだけどね もうひとつは僕に何かお手伝いというかなにかできないかなとって考えてた」
「やはりスバル様はお優しいのですね」とスバルに微笑むと
「そんなことないですよ」と頭をかき照れくさそうにするスバル
「コロサートについては期限も目的もないので気になさらずともよいと思います、ですからスバル様のしたいように進まれるのが良いと思います」
スバルはフォルテの言葉を受けいつものように微笑み
「ありがとう フォルテさんが居てくれて本当に助かるよ」