第十六話
突然部屋に乱入してきた、女性に笑顔で答えてしまったフォルテだったが、落ち着きながら
「わたくしは、スバル様ではありませんがどのようなご用件でしょうか」
その返答に、アドリシアとシーリスは落ち着きながら
「す、すみません 突然お部屋に押し入るような事をしてしまいまして」とアドリシア
「落ち着けシア、すまんがフォルテと申すものよ、私はシーリスと申すが、スバル殿に聞きたいことがあるのじゃが、どこに居られる」
「ただいまスバル様は市場の方に出かけておりますが、もう戻られると思います」と服をつまみながら一礼をする
その後フォルテの薦めで2人は席につき、出されたお茶を飲みながらスバルが戻るのを待つ事にした
「でね おねぇちゃん スバルさんがこれをくれたの」と料理の事、魔病の事、腕輪のことを話しながらにへへと少し顔を赤らめながら大好きな姉にいろいろ
話すアニス
その話を聞きながら、アニスの魔病の事を心配していた事もあり、少し涙目になるアドリシア
そこで話を聞いてたシーリスは
「すばらしい方なんだなスバル殿は、それ程の魔法に通じており、魔病の治療も出来る、そしてあのクラスの錬金術まで使えるなら、どこかの国家などに仕えててもおかしくない
のに民に近い位置に自分を置いてる」
スバルを褒められ少し上機嫌のフォルテは付け加える
「スバル様はすばらしい方です、自分の身を犠牲にしてわたくしの命すら救ってくださいました。だからわたくしはいつまでもあの方の傍に居たいと思うようになりました」
その発言を聞いた2人のスバルの像はまたワンランクUPし、想像を膨らませていく
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しばらくお茶会をしてると、アニスはお手伝いに戻りフォルテが新しいお茶を用意してると
「ただいま」とスバルが戻ってくる
「スバル様 お帰りなさいませ お茶でもどうですか」
「フォルテさん ありがとういただくよ」
いつもどおりの会話をする2人
その声に反応したアドリシアとシーリス2人は声の主をみて唖然とする。スバルの話を聞く限り、老人とまではいかないが年齢を重ねてると想像をしていたのに、現れたのは自分らと年も変わらないだろう少年だったから
スバルはテーブルに見覚えの無い客に気がつくと
「どちら様でしょうか」と間の抜けた声を発していた
お茶をつぎ終えたフォルテが「スバル様に会いにこられたようです」
「そうですか、それはお待たせして申しあけありませんでした」と席に着く前に一礼しフォルテの入れたお茶に手をのばす
呆然としていた2人が席から立ち上がり
「アドリシアといいます、この宿の娘ですが今は学園で剣術を学んでおります。また妹のアニスの魔病の治療と宿の事ありがとうございます」
「わたくしはシーリス・ミラルシニアと申します。同じくサルバニア王立学園で剣術などを学んでおります」
2人の自己紹介でこの場は名前と所属などの自分の事を伝えるのが挨拶かなと解釈したスバルは
「スバルと言います 特に何処かに所属や貴方方みたいに学生ではないので、しがない旅人ですという事で」といつものように微笑む
「僕に御用とききましたが」と早速用件を聞き出そうとする